【東京大賞典予想】今年もこの馬が締めくくる 4連覇へ視界良好オメガパフューム
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JRA所属馬が15連勝中
「たとえ有馬記念で負けても、まだ東京大賞典が残っている!」でおなじみ(?)、東京大賞典は2021年12月29日、東京都にある大井競馬場で行われる。
この東京大賞典は2006年のブルーコンコルドが勝って以降、JRA所属馬が15連勝中。データ的にJRA馬に逆らえない雰囲気だが、東京大賞典以上に苦戦が続いていたJBCクラシックでは、21回目にして初めて地方所属馬(ミューチャリー)が勝利。1月の川崎記念もカジノフォンテン(船橋)が勝つなど、近年は苦戦が続いていたGⅠ(JpnⅠ)の中距離路線で地方所属馬の巻き返しが見られている。
この東京大賞典も、2年連続で地方所属馬が連対中。今年は帝王賞とチャンピオンズCを制したテーオーケインズ、ドバイWCとチャンピオンズCの2着馬チュウワウィザードが不在。例年よりJRA所属馬の層が手薄に思え、久々に地方馬が東京大賞典を制する姿が見られるかもしれない。
その前に、簡単に東京大賞典のデータを紹介してみる。上記で書いたようにJRA勢が15連勝中で、ここ10年の勝ち馬は、前走がチャンピオンズC(前身のJCダート含む)か、JBCクラシックのどちらか。このうち、前走で掲示板を外していたのは2019年のオメガパフューム(チャンピオンズC・6着)だけ。2着馬の前走となると、これらに南部杯と勝島王冠が加わる。勝ち馬を探すなら、前走はチャンピオンズCかJBCクラシックを使っている馬で、前走5着以上の成績が望ましいだろう。
また、年齢は4歳馬(6連対)と5歳馬(5連対)で半分以上を占めている。
大井2000の申し子
冒頭で地方馬に期待と書いたが、やはりオメガパフュームは外せない。何せ2018年からこのレースを3連勝中。過去にはジャパンダートダービー、帝王賞、そして今回と同条件のJBCクラシックでも連対しており、まさに大井2000mの申し子といえる存在。
その大井2000mで連を唯一外したのが、2走前の帝王賞。この条件なら確実に追い込んでくるはずの馬が、さらに後ろにいたノンコノユメにあっさり交わされたのは衝撃的で、衰えを疑ってしまったのは事実だが、続くJBCクラシック(金沢)できっちり反撃に成功。舞台が大井より小回りで、いつも以上に出遅れた時はヒヤッとしたが、勝負どころでの勢いが帝王賞の時とは違っていた。結果的に当地を知り尽くした、勝ち馬の鞍上(吉原寛人騎手)の好騎乗に屈した形だが、十分に力を示した内容だろう。JBCクラシック2着からの臨戦過程は昨年と全く同じ。同じJRA所属の強豪、テーオーケインズとチュウワウィザードがいないここなら、正直負けられないのが本音だろう。
2015年、ホッコータルマエが3連覇に挑んだ時は2着だった。この時のホッコータルマエは6歳。今年のオメガパフュームの年齢と同じである。2011年の勝ち馬スマートファルコン(6歳)、2017年の勝ち馬コパノリッキー(7歳)の例もあるし、6歳といって急激な衰えはないだろうが、データにもあるように好走確率が高いのは4、5歳馬。7歳馬同士で決まった2017年以外は、4、5歳馬のどちらから連対しているように、今年もその世代の馬には注意したい。
中でも注目はミューチャリー(5歳)。前走のJBCクラシック勝ちは、上記にも書いたように鞍上の執念が馬に乗り移ったような走り。その前の白山大賞典(2着)で逃げ馬を捕らえられなかったのも伏線となり、早めに動く作戦がぴたっとはまった。とはいえ、2着がオメガパフューム、3、4着馬は続くチャンピオンズCでワン・ツーを決めるのだから、実力なくしてはできない芸当。昨年の東京大賞典、そして今年の帝王賞でも掲示板に載っており、前走を勝利した勢いがある今なら、交流GⅠ連勝の偉業を達成しても不思議ない。
クリンチャーは交流重賞で3走して2勝、3着が1回。馬力型で地方のダートが合っているのは間違いない。この馬の好走パターンは早め先頭からの粘り込み。前走でもテンに押して行こうとしているが、ズブさがあって好位置を取れていない。ただ、得意の形なら強敵相手でも通用するのではないかと信じるファンも多く、私もそのうちの一人。佐賀記念のようにハナへ行くのは厳しいとしても、名古屋大賞典の時のように早めに動ける形になれば圏内争いになっていい。あと1頭挙げるなら、昨年の3着馬ウェスタールンド。年齢的には厳しいが、近走を見る限り大きな衰えは感じないし、脚質から外回りの長い直線も魅力だ。
◎オメガパフューム
◯ミューチャリー
▲クリンチャー
△ウェスタールンド
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
競艇のグランプリは返還を受けた人も多かったと思いますが、有馬記念はどうなったのでしょうか。この原稿を書いている時点で結果は不明ですが、東京大賞典のほかにKEIRINグランプリなども控えており、たとえ負けていたとしても、一発逆転は十分可能。とはいえ、有馬記念を勝って、浮いたお金でさらに上乗せを、というのが理想の図。もちろん、これがなかなか難しいのですが……。
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