【名古屋グランプリ】最長距離2500mで行われた移転前最後のレース 横山武史騎手騎乗のヴェルテックスが優勝
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
強い西日を浴びるゴール前
夕方を迎えると、強い西日を浴びながら名古屋競馬場のダートコースを駆け抜ける馬たち。勝負を決するゴール前は特に逆光がきつく、撮影者を悩ますものであるが、それは同時に幻想的な写真にもなり得る風景でもある。来春、名古屋競馬場は弥富への移転が決まっており、そんな写真を撮ることができるのもあと僅か。貴重な機会を求めて、名古屋へと向かった。
名古屋競馬場はこれまで滞留人数の上限1996人を超えた場合に入場制限していたが、12月23日(木)から無料席と有料席を合わせて5022人まで緩和された。平日の昼間ということもあって満員とまではいかなかったが、多くのファンが足を運び、活気ある中でレースが進んでいった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
直線は3頭の追い比べ
メインレースに行われたのは名古屋グランプリ(JpnⅡ・ダート2500m)。2001年にダートグレード競走として初めて行われ、今年で21回目を迎えた。移転後は2100mでの施行となる予定で、ダートグレード競走としては最長距離の2500mで行われる最後のレースでもあった。
単勝2.1倍の1番人気に支持されたのは、前走の浦和記念3着から挑んだヴェルテックス。3.0倍で松山弘平騎手騎乗のケイアイパープルが2番人気となっていた。
出ムチを入れてハナを奪ったのはダートに転向して2戦目のダンビュライト。それをピッタリとマークする形の2番手にライトウォーリア、その外にケイアイパープル、内にヴェルテックスとJRA勢4頭が一団の展開。
勝負所の3角でライトウォーリアが苦しくなって脱落。ダンビュライトとケイアイパープルによる競り合いとなったところ、4角でそこに大外からヴェルテックスも加わる形となる。日本の競馬場で最も短い194mしかない直線は3頭による追い比べとなったが、最後まで勢いよく伸びたヴェルテックスが2馬身半差をつけて振り切り、勝ちタイム2:45.4(稍重)で重賞初制覇を飾った。
騎乗していた横山武史騎手は、ゴール後にもうお馴染みとなったガッツポーズで喜びを表現。週末に控えたグランプリ・有馬記念に向けても弾みをつける勝利にもなった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2着はケイアイパープル。馬体重は前走から+10kg、道中は終始外を回る形となったことが影響したのか最後は苦しくなってしまった。そこからさらに4馬身離れた3着にダンビュライトという結果で、地方馬最先着は大井から参戦したホーリーブレイズの4着だった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとして記事を執筆している。
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