【ジャパンダートダービー予想】今年も地方勢は苦戦必至か 前哨戦勝ち馬より狙いはゴッドセレクション
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3歳ダート馬の頂上決戦
2017年のジャパンダートダービー勝ち馬ヒガシウィルウィンは「地方vs中央」を象徴するような馬だった。
父サウスヴィグラスは12年にNARリーディングサイアーを獲得、15年以降はその地位を不動のものとした、地方競馬を代表する種牡馬。生産も地方にあまたの名馬を輩出した名門・グランド牧場。近親に交流重賞3勝タイニーダンサーや、全日本2歳優駿2着のブンブイチドウなどがいるキハクの牝系出身。厩舎はホッカイドウ競馬の角川秀樹厩舎というプロフィール。
そんなヒガシウィルウィンは登竜門の2歳重賞・栄冠賞2着、サンライズC1着などの実績を引っさげて臨んだ北海道2歳優駿で、最初の壁にぶつかる。中央のダート戦を2連勝中だったエピカリスに2.4秒もの差をつけられての「2着大敗」を喫したのである。
全日本2歳優駿4着のあと、トーシンブリザードやチャームアスリープを手掛けた船橋の名伯楽・佐藤賢二厩舎に移籍。ニューイヤーCと京浜盃を連勝して南関東牡馬三冠の第1戦、羽田盃へと駒を進めた。
しかし、ここでまたしても彼を阻んだのが「中央」だった。そう、中央競馬からの移籍初戦だったキャプテンキングに半馬身及ばず2着に敗れたのだ。
それでも彼はここで終わらなかった。コンビを組んだ南関リーディングジョッキー、森泰斗騎手の「次は逆転する」という力強い宣言通り、続く東京ダービーではキャプテンキングを6馬身置き去りにして圧勝。JDDでは森騎手が負傷で乗れない中、船橋の後輩にあたる本田正重騎手がバトンを受けて完璧な騎乗ぶり。2010年マグニフィカ以来、7年ぶりとなる地方馬のJDD制覇を成し遂げた。
その後のヒガシウィルウィンの競走生活は、確かにこの時ファンが描いたような輝かしいものではないかもしれないが、7歳となった今も盛岡競馬に移籍して懸命に走り続けている。ちなみに、現在の所属は菅原勲厩舎。そう、かつて岩手の雄・メイセイオペラでフェブラリーSを制覇したその人だ。
近年の勝ち馬の顔ぶれをみると、クリソベリルとルヴァンスレーヴは同年にチャンピオンズCを勝って古馬も制圧、ダノンファラオが勝った去年の1番人気カフェファラオは今年のフェブラリーSを、17年の1番人気サンライズノヴァは南部杯を勝ち、16年1番人気ゴールドドリームは統一GⅠ・5勝の名馬となった。
1番人気に推された時点で将来が約束されるといっても過言ではない、そんな3歳ダートの頂上決戦。データを見ながら占っていこう。
今年も地方馬苦戦か
さて、今年のJDDでも人気の中心を形成するのは例年通り中央勢だろうが、地方勢にもチャンスはあるのだろうか。
過去10年で馬券に絡んだ地方馬は前述のヒガシウィルウィンなど5頭。この全てが南関東のSⅠ競走、羽田盃か東京ダービーを勝っている馬だった。今年は全日本2歳優駿と東京ダービーを勝ったアランバローズ、羽田盃勝ち馬トランセンデンスがともに回避。寂しいメンバーと言わざるを得ず、苦戦が濃厚だ。
続いて性別。ダートの中距離路線では牡馬>牝馬という若干の力差が生まれがち。このJDDでも牝馬の勝利はなく、馬券に絡んだのもレース創設以来で2004年2着アクイレジアただ1頭。挑戦自体が少ないので気にしなくていいのかもしれないが、ウェルドーンにとって前走より相手が上がる、ということは確かだ。
最後に前走の成績別。過去10年のユニコーンS勝ち馬でJDDに出走したのは7頭いて、その成績は【2-0-1-4】。もう一つのステップレース、兵庫CSの勝ち馬は同【1-2-1-4】。大半が人気になっているため、合計で単回収率41%、複回収率59%に留まる。主要ステップで負けている馬か、別路線組を狙うのがベターだ。
本命候補はただ1頭
本命はゴッドセレクション。兵庫CSの2着馬だが、強調したいのは2走前。良馬場のダート1800mで1000m通過61.5秒という締まったペースを2番手追走し、3馬身抜け出して完了。この時の2着だったメイショウムラクモは先週の2勝クラスを7馬身差で突破している。
また、3走前に1.4秒離したレプンカムイも2勝クラスで2着。力のある相手を子ども扱いしてきた実力を信頼したい。
対抗はスマッシャー。初の2000m戦になるが、むしろ1400mだった端午Sで追走にかなり苦労していたように、短距離向きの馬ではなさそう。2か月の休養を挟んだ4走前からレースぶりが劇的に良化しており、近走の充実ぶりを評価したい。ただし、前走は脚抜きのいい馬場、内を追走して前がぽっかりと開いた展開など、恵まれた面が大きかったのがどうか。
3番手はウェルドーン。牝馬という点が引っかかるものの、鳳雛Sで牡馬相手に勝っていること、他のメンバーに例年ほどの大物が不在であることなど、通用の素地はあると見た。前走は時計こそ平凡だが、南関二冠牝馬ケラススヴィアの逃げに対して、終始外3頭目を回る超強気の競馬で完勝だった。
上位勢は少なくとも中央古馬3勝クラス級の力を持っている計算で、ダノンブレッドやロングランは厳しそう。リプレーザは兵庫CS勝ち馬が妙味に欠けるという点に加え、2走前に芝1200mで上がり32.9秒を出しているような馬が、タフな大井2000mに合うタイプとはなかなか考えづらく評価を下げた。
苦戦濃厚の地方勢だが、1頭挙げるならギガキング。東京ダービーはアランバローズが強気のペースを作って外枠の先行勢には厳しい展開。一気に人気が落ちるなら、他の南関勢との比較では魅力的だ。
▽JDD予想印▽
◎ゴッドセレクション
○スマッシャー
▲ウェルドーン
△リプレーザ
☆ギガキング
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