【帝王賞】クリソベリルが豪華メンバー相手に完勝 次走以降に狙える馬は?
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オメガパフュームを寄せつけず完勝
ダート界の最強メンバーが集結した帝王賞(GⅠ・ダート2000m)。連覇を狙うオメガパフューム、川崎記念を勝利しているチュウワウィザード、2018年の最優秀ダート馬ルヴァンスレーヴなどを差し置いて勝利したのは、2番人気のクリソベリルだった。
レースの主導権を握ったのは、前走のかしわ記念を逃げ切って勝利したワイドファラオ。クリソベリルは2番手にストライクイーグルを行かせて、3番手の外目をキープ。その直後にルヴァンスレーヴとチュウワウィザードが並ぶ展開で、前半1000mは1:03.9とゆったりとしたペースで通過。
3コーナー入口で外からオメガパフュームが4番手まで進出。さらにケイティブレイブも大外から上がっていき、直線を向いた時点では5頭が横に並ぶ形となった。そこから力強く抜け出し、残り200mで先頭にたったクリソベリル。オメガパフュームも必死に追い上げるが、全く寄せつけずに最後は2馬身差をつけての完勝劇。重馬場で行われたレースの勝ちタイムは2:05.3だった。
秋はJBCからチャンピオンズカップ
クリソベリルは、前走はサウジアラビアに遠征して7着。その後ドバイに向かったものの、開催中止の影響で帰国することとなり、調整が難しい中で今回が4か月ぶりのレースとなった。過去にはドバイ遠征後に帝王賞に出走し、期待された結果を残せない馬もいたが、そんな不安を全く感じさせないレースぶりで国内ではデビューから無敗の7連勝、GⅠ3勝目を挙げた。
騎乗していた川田騎手も「圧倒的なポテンシャルがあるので、まだ強くなれます」とコメント。音無調教師は「秋はJBCからチャンピオンズカップ」という目標を掲げている。どこまで強くなるのか、そして国内での連勝街道はどこまで続くのか、進化するクリソベリルから今後も目が離せない。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2着のオメガパフュームは、3コーナーで自らクリソベリルにプレッシャーをかけに行き、直線でも伸びていた。自分のレースはできたが、デムーロ騎手も「相手が悪かったね」と語っているように、今回は勝利したクリソベリルが強かったということだろう。悲観する内容ではない。
3着チュウワウィザードは、直線を向いた時に先着した2頭より1列後ろにいたが、直線では馬群を割って伸びてきており、上がりはオメガパフュームと同じ36.5を使っている。自分のレースはできているので、位置取りの差が結果として現れた形となった。もう少し前に行ければ。
4着ワイドファラオは、2000mは長いかと思ったが、スローペースで逃げて最後まで踏ん張れたのは収穫があったレースだと言えるだろう。
10着ルヴァンスレーヴは長期休養明け2戦目だったが、レーン騎手が「スタート良くいいポジションを取れて、クリソベリルを見るいい位置につけられたが、前が開いてからの反応がなかった」とコメントしているように、まだ本調子ではなかった。GⅠ級のレースを4勝しているだけに、次走以降人気が落ちるようだと買い。