【チャンピオンズC】ジャパンダートクラシック勝ち馬ナルカミ、ルクソールカフェは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

チャンピオンズC過去10年の『父ノーザンダンサー・エーピーインディ系』×『前走馬体重500kg以上』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

今週は下半期の中央ダートGⅠ・チャンピオンズカップが行われる。いつも通り過去10年データを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

フルゲート16頭に対し、今年は24頭が登録。現時点で除外対象のオメガギネス、ブライアンセンス、サントノーレ、ポッドロゴ、ハピ、テーオーパスワード、テーオードレフォン、メルトを除き、出走可能な16頭を対象とする。

『前走0.6秒差以上負け』×『騎手が継続騎乗』★3.6%★

まずはいつも通り、前走結果が振るわなかった馬から消去していく。今回は着順ではなく着差に注目する。

前走0.6秒差以上で負けた馬は【3-3-5-63】複勝率14.9%で数字はそう悪くないが、このうち「騎手が継続騎乗する馬」に限ると【0-0-1-27】同3.6%と苦戦していた。大敗から巻き返すには騎手をスイッチして変わり身を求める必要がありそうだ。

想定騎手からいくと、いきなりGⅠ(JpnⅠ)勝ち馬2頭を含む4頭が消去となった。ウィルソンテソーロはこのレース2年連続2着の実績馬だが、あまりにも見せ場がなかった前走の内容は不安視せざるを得ない。

【今年の該当馬】
・アウトレンジ
・ウィルソンテソーロ
・ペプチドナイル
・ペリエール

『前走初角10番手以下』×『前走1700m以上』★0.0%★

続いては脚質に注目。舞台となる中京ダ1800mは先行馬あるいは内を通った差し馬が好走しやすいコースで、このレースも序盤のポジション争いがカギになる。テンが遅い馬は不利な立ち回りを強いられやすい。

具体的には「前走初角10番手以下だった馬」が【1-2-0-36】複勝率7.7%と低調だ。それも好走3例はマイルからの距離延長であり、前走1700m以上だと【0-0-0-23】で全滅。中距離戦で位置が取れていなかった馬は軽視したい。

JBCクラシックで初角10番手だったメイショウハリオ、みやこSで同14番手だったラムジェットが脱落。どちらもJpnⅠ勝ちの実力馬ではあるが、器用な競馬を要求される中京が合うとは思えない。

【今年の該当馬】
・メイショウハリオ
・ラムジェット

『非・社台ノーザン系生産馬』×『前走・武蔵野S or シリウスS』★0.0%★

3つ目はおなじみの生産者ネタ。芝中長距離の王道と違い、チャンピオンズCでは「社台ノーザン系」(※社台F、ノーザンF、追分F、社台コーポレーション白老Fとする)が5勝、「非・社台ノーザン系」が5勝と勝利数は互角だ。それでも複勝率は前者が23.6%、後者が16.8%で、依然として「社台ノーザン系」の優位はある。

「非・社台ノーザン系」のうち、前走武蔵野S組は【0-0-0-16】、シリウスS組は【0-0-0-7】で、この2つのステップは全く機能していない。バッサリ消去したい。既に消去済みのペプチドナイルに加え、武蔵野Sを勝った外国産馬ルクソールカフェが消えた。

全兄カフェファラオも3歳でこのレースに臨んだが、2番人気の支持に応えられず6着に負けている。こちらも兄同様、ワンターンの東京マイルがベスト。前回以上のパフォーマンスが出ることはないだろう。

【今年の該当馬】
・(ペプチドナイル)
・ルクソールカフェ

『父ノーザンダンサー・エーピーインディ系』×『前走馬体重500kg以上』★0.0%★

今度は血統データを使う。貴重なJRAダートGⅠでありながら、強いのは結局サンデーサイレンスやミスタープロスペクター系の種牡馬たち。この「二大巨頭」で計7勝を占めている。

一方で、ヘニーヒューズやドレフォンらを擁するノーザンダンサー系、パイロやシニスターミニスターがいるエーピーインディ系はともに不振で、合算して【2-1-1-35】複勝率10.3%。なかでも前走500kg以上の大型馬は【0-0-0-22】と馬券に絡んだ例がなかった。

前走528kgの巨漢ヘニーヒューズ産駒セラフィックコール、ジャパンダートクラシックを完勝したサンダースノー産駒ナルカミがここでアウト。ナルカミはここまで6戦5勝だが、唯一崩れたのがこの中京ダ1800m。まだ疑う余地は残されている。

【今年の該当馬】
・セラフィックコール
・ナルカミ
・(ラムジェット)

『6歳以上牡馬』×『GⅠ(JpnⅠ)未勝利』★0.0%★

4つのデータを終えて残るは7頭。いつもよりやや消去が難航気味。最後は年齢と実績を絡めて仕上げとする。

ターゲットとなるのは6歳以上の牡馬。昨年はレモンポップが有終の美を飾ったが、全体成績は【1-4-2-48】複勝率12.7%とお世辞にもいいとは言えない。

また、そのレモンポップ然り、馬券に絡んだのべ7頭はコパノリッキー、ゴールドドリーム、インティなど元々GⅠ(JpnⅠ)を勝っていた馬ばかり。GⅠ級の勝利実績がない6歳以上牡馬は【0-0-0-30】だった。

最後に7歳牡馬ウィリアムバローズ、8歳牡馬ハギノアレグリアスが消去となった。どちらも重賞で堅実に走ってきた実力馬だが、GⅠやJpnⅠではタイトルに届いていない。この年齢になった今、さらなるステップアップは難しいだろう。

【今年の該当馬】
・ウィリアムバローズ
・ハギノアレグリアス

5つのデータを終えて、残ったのはサンライズジパング、シックスペンス、ダブルハートボンド、テンカジョウ、ヘリオスの5頭だ。

地方から参戦する9歳セン馬ヘリオスは絶妙に消去の網をかいくぐったが、現実的には厳しい戦いが予想される。

フェブラリーS2着馬サンライズジパング、初ダートの前走でいきなりマイルCS南部杯2着と結果を出したシックスペンス、1800mでは6戦6勝のダブルハートボンド、この「キズナ三銃士」にいい走りを期待しよう。馬券は5頭の馬連ボックスとしておく。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。大のベイスターズファン。

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