【ジャパンC】日本ダービー馬ダノンデサイル、海外馬カランダガンは消し ハイブリッド式消去法
久保田大五郎

ⒸSPAIA
5つのデータから絞れた馬は?
今週はジャパンカップが行われる。東京芝2400mを舞台に、国内外の強豪が真っ向勝負を繰り広げる大一番だ。いつも通り過去10年データを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。
フルゲート18頭に対し19頭が登録。執筆時点ではサンストックトンが除外対象だが、クロワデュノールは「態勢が整わなければ有馬記念」というプランBを残しており出否不透明。そのため今回は19頭全てを対象とする。
『前走2着以下』×『JRA・GⅠで連対歴なし』★1.5%★
まずはいつも通り前走着順が悪かった馬から削っていく。今回は大胆に「前走2着以下」【4-7-5-111】複勝率12.6%をターゲットとする。
このうち、JRA・GⅠでの連対歴がなかった馬は【0-1-0-65】同1.5%で、馬券に絡んだのは10年前のラストインパクトだけだった。好走には直近の1着か、日本国内のGⅠで連対した実績がほぼ必須だ。
この厳しい基準でいきなり8頭が脱落。いずれもこのメンバーに混ざると能力的にやや見劣りする。
【今年の該当馬】
・アドマイヤテラ
・サンストックトン
・サンライズアース
・シュトルーヴェ
・セイウンハーデス
・ダノンベルーガ
・ホウオウビスケッツ
・ヨーホーレイク
『前走国内GⅡ以下』×『前走4番人気以下』★0.0%★
次は前走のレース格に注目する。前走が国内「GⅡ以下」だった馬は【3-3-3-63】複勝率12.5%。京都大賞典組だけは3勝と頑張っているが、全体としては苦戦傾向にある。
特にそのGⅡ以下で「4番人気以下」と低評価だった馬は【0-0-0-40】と見事に全滅している。GⅡでも上位人気に推されない馬が、ジャパンCで好走するのは困難なようだ。
新たに2頭が消える。ディープモンスターは京都大賞典を勝ってきたが、当時は5番人気。インがガラ空きになって恵まれた面もあった。ドゥレッツァは昨年2着だが、当時はスローペースの逃げで展開利が大きかったことに注意したい。
【今年の該当馬】
・(サンストックトン)
・(シュトルーヴェ)
・(ダノンベルーガ)
・ディープモンスター
・ドゥレッツァ
・(ヨーホーレイク)
『父サンデーサイレンス、ミスタープロスペクター系以外』×『4歳以上』★0.0%★
続いては血統データ。そもそも外国馬が2007年以降全く馬券に絡んでいないこともあり、好走馬の大半を日本国内の主流血統が占めている。
具体的には「父サンデーサイレンス系」と「父ミスタープロスペクター系」の合計で【10-10-8-95】複勝率22.8%、それ以外は【0-1-1-39】同4.9%だ。
なお後者の馬券絡み2頭はどちらも3歳馬で、4歳以上だと【0-0-0-34】となる。父がサンデー系でもミスプロ系でもない古馬は消せる。
このデータで4頭が新たに消去リスト行き。カランダガンは欧州のチャンピオン級で、近年来日した強豪たちとも一線を画す超大物だが、過去10年のデータを起点にする限り消去は必然かつ不可避だ。
昨年のダービー馬ダノンデサイルも父エピファネイア(ロベルト系)であり、血統の傾向からは外れる。
【今年の該当馬】
・カランダガン
・シンエンペラー
・タスティエーラ
・ダノンデサイル
・(ホウオウビスケッツ)
『非・社台ノーザン系生産馬』×『栗東所属騎手以外』★0.0%★
今度はこの連載の定番と言ってもいい「生産者ネタ」を用いる。ご想像の通りジャパンCは「社台ノーザン系」(※社台F、ノーザンF、追分F、社台コーポレーション白老Fとする)の生産馬が好成績で【8-8-7-65】複勝率26.1%。「非・社台ノーザン系」【2-3-2-69】同9.2%を圧倒している。
そして「非・社台ノーザン系」の好走例はキタサンブラック・武豊、コントレイル・福永祐一など、いずれも栗東所属騎手が騎乗していた。美浦、地方、海外の騎手が乗った馬は【0-0-0-50】とさっぱり出番がなかった。
騎手想定通りなら、コスモキュランダ(丹内祐次)が消える。能力面、東京への適性、近況の不振と、今回はマイナスの要素が多い。
【今年の該当馬】
・(カランダガン)
・コスモキュランダ
・(サンストックトン)
・(セイウンハーデス)
『3歳』×『馬番8番から外』★0.0%★
この時点で残っているのは4頭だけ。もはや十分絞れた気もするが、最後は枠順が絡むデータを紹介して仕上げとしよう。
掛け合わせるのは「年齢」と「馬番」。3歳馬の成績は【1-5-2-15】複勝率34.8%と上々だが、馬番1~7番だと【1-5-2-5】同61.5%までアップする反面、8番から外は【0-0-0-10】だった。Cコース開催で全体的にも内枠有利の傾向を示すが、特に3歳は「内枠なら買い、外枠なら消し」だ。
今年の3歳馬は日本ダービーでワンツーを決めたクロワデュノールとマスカレードボール。両馬の取捨は枠順次第となる。
【今年の該当候補】
・クロワデュノール
・マスカレードボール
5つのデータを終えて、確実に残るのはジャスティンパレスとブレイディヴェーグの2頭。あとは3歳ダブルエースのうち1~7番を引けた馬が残り、最大4頭の布陣となる。
ここは穴馬としてブレイディヴェーグに期待する。新潟記念では外枠決着の最内枠に泣かされて0.3秒差6着、天皇賞(秋)は後方待機で脚が溜まっていたが、直線で前が壁になってしまった。スムーズに捌けていれば上位争いに加われただろう。
馬券は悩ましいが、残るのが2頭ならそのワイド、3~4頭が残るなら馬連ボックスを推奨しておく。
《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。大のベイスターズファン。
《関連記事》
・【ジャパンC】過去10年のレースデータ
・【ジャパンC】偉業に挑むマスカレードボール中心 秋盾組は“明け2戦目”での巻き返しに注意
・種牡馬の東京巧者を徹底検証 芝はルメール騎手以外に池添謙一騎手も狙い目
