【エリザベス女王杯】札幌記念2着ココナッツブラウン、桜花賞馬ステレンボッシュは消し ハイブリッド式消去法
久保田大五郎

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5つのデータから絞れた馬は?
今週は京都競馬場でエリザベス女王杯が行われる。春のヴィクトリアマイルとは趣向を変え、芝2200mの中距離で牝馬ナンバーワンを決する戦いだ。
いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。
フルゲート18頭に対して19頭が登録。ラヴァンダが翌週のマイルCSに向かう予定でリンクスティップが繰り上がりの可能性があるため、全頭を対象として進める。
『前走8着以下』×『前走GⅠ以外』★0.0%★
まずは近走の成績が振るわない馬から消去していく。今回の基準は「前走8着以下」で、過去10年【0-1-0-37】複勝率2.6%と壊滅的だった。
唯一巻き返した2022年2着ライラックは秋華賞からの続戦だった。つまり「前走GⅠ以外で8着以下」なら好走例がなく【0-0-0-32】。これを第一のデータとして採用する。
今年は以下の5頭が該当。昨年の桜花賞馬ステレンボッシュは4歳になってすっかりスランプに突入してしまった。名門・国枝栄厩舎といえども、こうなった牝馬を立て直すのは簡単でないだろう。
【今年の該当馬】
・サフィラ
・ステレンボッシュ
・セキトバイースト
・ボンドガール
・リンクスティップ
『5歳以上』×『JRAGⅠ連対実績なし』★1.8%★
2つ目は年齢に注目。このレースは若い馬の活躍が顕著で、4歳以下【8-7-8-70】複勝率24.7%に対し、5歳以上【2-4-1-71】同9.0%と明暗がくっきり分かれている。
5歳以上で好走した7頭の内訳を見ると、ほとんどはJRAのGⅠで連対したことがあった実績馬ばかり。
逆に「JRAGⅠ連対歴がない5歳以上馬」は【0-1-0-55】同1.8%だった。牝馬の5歳秋は既にピークを過ぎつつあるケースが多く、よほどの実績馬以外は軽視でいい。
関屋記念を勝った6歳馬カナテープ、札幌記念2着の5歳馬ココナッツブラウンら4頭が脱落。両者とも2200m以上のレースに使うのは今回が初めて。距離対応が課題となる。
【今年の該当馬】
・カナテープ
・ココナッツブラウン
・フェアエールング
・ヴェルミセル
『美浦所属馬』×『前走7番人気以下』★0.0%★
次は所属別成績を見る。美浦勢が押され気味で【2-4-0-47】複勝率11.3%。栗東の【8-7-9-93】同20.5%に比べ、質と量の両面で見劣っている。
美浦所属馬のうち「前走7番人気以下」だった馬は【0-0-0-18】。新潟記念やオールカマー、府中牝馬S(※今年で言うアイルランドT)などで穴を開けてきた馬も複数参戦したが、いずれも本番では結果を出せなかった。
既に消去済みのフェアエールングに加え、新潟記念8番人気4着シンリョクカ、アイルランドT8番人気4着ライラックを消す。どちらも着差はわずかなため手を出したくなるところだが、データ上このパターンは来ていない。
【今年の該当馬】
・シンリョクカ
・(フェアエールング)
・ライラック
『前走が重賞以外』×『前走12頭立て以下』★0.0%★
続いては前走クラス。前走でリステッド以下、すなわち重賞ではないレースに出走していた馬は【0-1-1-40】複勝率4.8%と苦戦している。
また、その「重賞以外のレース」が「12頭立て以下」だった場合、【0-0-0-19】と全馬返り討ちにあっていた。少頭数の条件戦やリステッドから一気のGⅠ挑戦となると、牝馬限定戦とはいえさすがに敷居が高い。
12頭立てのカシオペアSを勝ったオーロラエックス、同じく12頭立ての丹頂Sで7着だったランスオブクイーンが消去された。オーロラエックスは連勝の勢いを買われそうだが、重賞は2度挑戦しローズS9着、小倉牝馬Sは51kgの軽ハンデで4着止まりだったことを思い出したい。
【今年の該当馬】
・オーロラエックス
・ランスオブクイーン
『馬番10番から外』×『非・社台ノーザン系生産馬』★0.0%★(※京都開催7回)
4つのデータを終えた時点で残るは6頭となった。最後は過去10年のうち京都で施行された7回に限定し、枠順別データを紹介して締める。
京都開催時のエリザベス女王杯はやや内枠有利の傾向。具体的には「馬番1~9番」が【4-5-5-49】複勝率22.2%、「10番から外」は【3-2-2-48】同12.7%と差が表れている。
2桁馬番を引いた馬のうち、生産が「社台ノーザン系」(※社台F、ノーザンF、追分F、社台コーポレーション白老Fとする)以外だと【0-0-0-22】と見事に全滅。外枠の不利を覆して馬券に絡んだのはいずれも社台ノーザン系の生産馬だった。
残った6頭のうち、なんとレガレイラ以外の5頭はいずれ「非・社台ノーザン系」生産であった。彼女らの判断は枠順次第となる。内枠ならセーフ、10番から外ならアウトだ。
【今年の該当候補】
・アドマイヤマツリ
・エリカエクスプレス
・ケリフレッドアスク
・パラディレーヌ
・ラヴァンダ
5つの項目を終えて、確実に残るのはレガレイラ1頭となった。あとは最後の項目で挙げた5頭のうち、ひと桁馬番をゲットした馬が消去を回避する。
人気、実績通り、ここはレガレイラで盤石という結論になった。昨年の本レースは直線で不利があって敗れたが、次走で有馬記念を制覇した。
戦ってきたメンバーからして、ここでは能力が二枚も三枚も抜けている。馬券はレガレイラから残った馬への馬連。万が一、他が全て消去となれば単勝で勝負する。
《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。大のベイスターズファン。
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