【クイーンS】近走充実×1800m実績×好走条件合致で母娘制覇に期待 東大HCの本命はアルジーヌ
東大ホースメンクラブ

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札幌重賞の始まり
3日、札幌競馬場でGⅢ・クイーンSが行われる。ヴィクトリアマイルの4着馬アルジーヌ、15番人気ながら逃げて0秒1差の5着だったアリスヴェリテ、重賞3連続連対中のフェアエールング、唯一の3歳馬レーゼドラマなど14頭が出走予定だ。
2025年最初の札幌重賞となるこのレース。直近2年は3歳馬が連勝、特に昨年はワンツーを飾ったのに対し、今年は出走が1頭のみ。古馬間での取捨選択が争点になりそうだ。過去10年のうち、函館開催の21年を除いた9レースから考えていく。
マイル、1800m実績に注目

<クイーンS 条件別成績>
同年のJRA芝1800m重賞で3着以内
【2-3-1-9】勝率13.3%/連対率33.3%/複勝率40.0%
マイル重賞勝ち馬で2番人気以内
【3-1-1-2】勝率42.9%/連対率57.1%/複勝率71.4%
1800mで施行され、マイル路線と中距離路線が相まみえるレース。好走傾向を探る。
まず前走距離別で見ると、距離延長が【3-4-4-26】で複勝率29.7%、距離短縮が【4-3-3-32】同23.8%の順。同距離組は【2-2-2-32】同15.8%と最も好走率は低いが、これは人気薄が多かったのが原因と片付けてよい。
「同年のJRA芝1800m重賞で3着以内がある馬」は【2-3-1-9】で複勝回収率は137%。特に6~9番人気が【2-1-1-4】と好成績である点が特徴だ。今年のメンバーではフェアエールング、レーゼドラマ、クリスマスパレード、フィールシンパシーが該当するが、なかでもフィールシンパシーはこの人気帯になる可能性があり、要チェックと言える。
なお具体的なレース別だと「中山牝馬Sの3着以内馬」が【0-2-1-6】に対し、「福島牝馬Sの3着以内馬」【2-1-1-4】の方が結果を残している。
また、層が厚いマイルを使ってきた馬も好成績。前走ヴィクトリアマイル組が【2-3-3-14】複勝率36.4%であるほか、マイル重賞勝ち馬が2番人気以内に推されると【3-1-1-2】とかなり好走率が高い。アルジーヌは信頼できる存在となりそうだ。
一方で、2000m以上で実績のある馬は振るわない。「2000m以上の重賞で3着以内がある馬」は【3-2-4-23】複勝率28.1%だが、1番人気以外なら【0-2-3-23】同17.9%と一気にダウン。クリスマスパレードは1800mの中山牝馬S3着、前走ヴィクトリアマイルの好走データには入っているものの、このデータが減点材料となる。
最後に上がり馬について。前走3勝クラス1着の馬は【0-0-1-7】、同年に3勝クラスを勝ち上がった馬というくくりでも【0-3-2-20】と苦戦している。ココナッツブラウン、パレハは静観が妥当だ。
メンバー緩和で順当に浮上
◎アルジーヌ
母キャトルフィーユは2014年にこのレースを勝利しており、母娘制覇がかかる。オープン入りしてから4戦連続馬券圏内、初のGⅠ挑戦となったヴィクトリアマイルでも勝ち馬とタイム差なしの4着と十分な結果だった。昨年の当レースでも3着だった。これまで1600m【2-2-0-3】、1800m【4-1-1-0】の戦績で明確にこちらの距離が合っている。ターコイズS~ヴィクトリアマイルにかけて、今回戦うメンバーのうち6頭に先着経験があり、実績はトップクラス。疑う余地はない。
◯レーゼドラマ
フラワーCの内容が強烈。2~4着、6、7着に4角8番手以下の後方勢が入る展開を先行して0秒4差の完勝。2着パラディレーヌは次走オークスでも4着に好走した。自身はオークスで大敗したものの、差し有利のレースで仕方がない面があった。また、2000mの新馬戦6着、2400mのゆりかもめ賞6着からも、適性はもう少し短い距離にある。舞台は好転する。
▲フェアエールング
重賞含め4戦連続連対中。札幌では【3-1-0-1】で、2歳時の札幌2歳S以外は全て連対している札幌巧者でもある。以前は先行策を取っていたが、差しで好走するパターンが増えており、福島牝馬Sでも中団から上がり2位の脚を使っての2着。今は1800m戦の方がいいかもしれない。クイーンSは差しが効く傾向でもあり、続けての好走に期待していいだろう。
以下フィールシンパシーまで印を回す。馬券は◎-◯のワイドと、◎-◯-▲△の3連複で勝負する。
▽クイーンS予想▽
◎アルジーヌ
◯レーゼドラマ
▲フェアエールング
△フィールシンパシー
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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