【注目2歳馬】カフェファラオの全弟ルクソールカフェが初勝利 勝ち時計1:35.8は2歳レコードを更新
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
アドマイヤデイトナとのマッチレースを制す
11月23日(土)の東京ダートコースは週中に降った雨の影響で馬場は回復途上。稍重で行われたこともあり、2歳戦でも好時計での決着が多かったが、その中から1Rに組まれたダート1600mの未勝利戦を勝利したルクソールカフェを取り上げる。
外国産のAmerican Pharoah産駒で、全兄にフェブラリーS連覇などGⅠ級競走3勝のカフェファラオがいる良血。8月の札幌でデビューし4着、連闘で挑んだ2戦目がクビ差2着の惜敗で、間隔をあけて挑んだ3戦目のレースだった。
ハナを奪ったライズトゥザトップが12.2-11.0-11.9-12.1(47.2)と快調なペースを刻んでいくところ、15番枠からスタートしたルクソールカフェは中団の外を追走。1列前の外にいた人気の一角アドマイヤデイトナを追いかける形で直線に向くと、R.ムーア騎手のアクションに応えて並びかける。
残り300mからは2頭のマッチレースが続き、ゴールまで11.7-11.7と持久力を発揮。アドマイヤデイトナがわずかに前に出て先着するかとも思われたが、写真判定の結果、ハナ差で初勝利を掴んだ。
勝ちタイム1:35.8は、2017年のプラタナス賞でルヴァンスレーヴが記録した2歳レコードを0.4秒も更新。前走が重、今回が稍重と道悪でパフォーマンスを上げていることからも、時計の速いダートが得意なタイプのように感じる。兄同様に大きな飛躍を期待したい。
敗れたアドマイヤデイトナも最後まで一歩も譲らず、一旦は前に出ていたが、相手が強かった。3着には2.5秒差をつけており、次走すぐに順番は回ってくるだろう。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ラスト100mを流して上がり3ハロン35.1を記録
4Rに組まれたダート1400mの新馬戦は、T.マーカンド騎手騎乗のヘニーヒューズ産駒ヘニーガイストが後続に8馬身差をつけて快勝した。
このレースも序盤からペースが流れ、前半600mの通過は35.7。序盤は中団にいたヘニーガイストだったが、3角で好位の外までポジションを押し上げる。直線残り400mを過ぎたところで外から先頭に立つと、ラスト200mで後続との差を一気に広げるという内容だった。
勝ちタイム1:23.8は、同条件の2歳新馬戦レコード。時計の出やすいコンディションだったとはいえ、ラスト100mは流す余裕がありながら上がりは35.1でまとめている。母スミレも現役時代は同じ加藤征弘厩舎に所属してダート短距離を中心に4勝をあげたように、同馬も短距離路線が主戦場となるだろう。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ダートの出世レースはナチュラルライズが勝利
9Rは過去にレモンポップやアマンテビアンコなどが勝利しているダートの出世レース、カトレアS(ダート1600m・2歳オープン)が行われた。今年もハイレベルなメンバー構成となったが、前走の札幌ダート1700m新馬戦を1:45.7の好時計で快勝したナチュラルライズが勝利した。
レースはレイナデアルシーラが12.1-10.6-11.6(34.3)というハイペースを刻む。ゲートの出があまり良くなかったナチュラルライズは中団を追走し、3角から終始大外を回すレースとなった。直線はずらりと横に広がる展開となるなか、残り300m付近で先頭に立つと、馬群を縫って伸びたクレーキングの追い上げを3/4馬身差封じた。
敗れたクレーキングは2戦目のやまぼうし賞で快速馬アメリカンビキニの3着に好走した実績もある。そうした馬たちを相手に道中は外を回るロスがありながら押し切った内容を見ると、重賞戦線で活躍できる力は示したと言える。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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