【皐月賞】単回収率253%「GⅠのドゥラメンテ産駒」を狙え! データで導く穴馬候補3頭

鈴木ユウヤ

2024年皐月賞、データで導く穴馬のイメージ,ⒸSPAIA

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データで見る「穴候補3頭」

今週末の中山メインは皐月賞。芝2000mを舞台に争われる牡馬クラシックの第一冠だ。2歳GⅠで連対した計4頭がいずれも出走予定でありながら、各所想定オッズは割れた様子。共同通信杯を勝ったジャスティンミラノ、毎日杯圧勝メイショウタバルといった新星の登場により、どの馬が抜け出すか読めない混戦でクラシック開幕を迎える。

総じてハイレベルながら、実力は拮抗した印象の一戦。中穴あたりまではGⅠでも十分に勝負できる素養を持ったタレントが揃っている。今回も様々な切り口のデータを駆使し、3頭の穴候補を導き出した。

重賞でつけた着差は裏切らない コスモキュランダ

まず1頭目はコスモキュランダ。トライアルの勝ち馬であり、「モレイラ人気」も気になるところだが、どうやら5~7番人気あたりで買えそうな情勢と見てピックアップした。

皐月賞 前走重賞での着差別成績(過去10年),ⒸSPAIA


拍子抜けするほど単純な話だが、皐月賞はまず「重賞で着差をつけて勝った馬」を評価すればよい。過去10年の当レースにおいて「前走重賞0.2秒差以上で勝ち」の馬は【6-5-4-15】複勝率50.0%、単回収率164%、複回収率132%だ。ちなみに、同じ「前走重賞勝ち」でも着差が0.1秒以下だと【1-2-2-17】複勝率22.7%、複回収率80%。悪くはないが、強調度はぐっと下がる。

この「前走重賞0.2秒差以上で勝ち」のうち、関東馬は【4-4-2-8】複勝率55.6%、単回収率249%、複回収率172%とさらに妙味が高い。先週の桜花賞も終わってみれば関東馬のワンツー決着だったが、この皐月賞も直近3年連続で関東馬がワンツーを占めている。そんな潮流も少しだけ気にしてみたい。

GⅠ・2着馬シンエンペラーに1.1/4馬身(=0.2秒)差をつけた弥生賞は、勝ち時計1:59.8のレースレコードでもあった。コスモキュランダ自身、初勝利以降で崩れたのは京都2歳Sだけ。その際も4角で外々を回るロスがあった上に、直線で挟まれる致命的な不利も受けての0.6秒差8着だった。派手さはないがジワジワと力を付けてきた。父アルアインとの親子制覇に期待だ。

マイル重賞での実績が生きる! エコロヴァルツ

2頭目はエコロヴァルツを選ぶ。コスモス賞で6馬身差勝ちから年末の朝日杯FSに出走すると、出遅れから追い込む競馬にスイッチして2着を確保した実力派だ。

皐月賞は小回り多頭数という条件ゆえに序盤からポジション争いが激化しやすく、良馬場なら例年、1000m通過59秒前後の締まった流れになる。そして「速いペースを追走しても脚が溜められる資質」という意味で、マイル寄りの適性を持つ馬がしばしば活躍する。イスラボニータやウインフルブルーム、ペルシアンナイト、サリオスあたりが好例だ。圏内にこそ届かなかったが、ウインカーネリアンも17番人気4着だった。

皐月賞 芝1600mでの実績別成績(過去10年),ⒸSPAIA


これをデータで表現するのは難しいのだが、たとえば過去10年の皐月賞において「芝1600mの重賞で連対歴があった馬」は【1-2-4-17】複勝率29.2%、複回収率125%と黒字圏内だ。ちなみに何故かスプリングS組だけはサッパリで、それを除けば【1-2-4-10】複勝率41.2%まで向上する。

ジャンタルマンタルを穴とは呼べないので、この条件からはエコロヴァルツに注目だ。始動戦の共同通信杯で5着に敗れたことで今回はやや人気を落とすだろう。しかし、そもそも引っかかる癖があるこの馬にとって、マイルGⅠで1000m通過58.4秒の流れを経験した後の同62.7秒はあまりにも遅すぎた。あれでは競馬にならなくて当然だ。本番の速いペースで折り合いがつけば、爆発的な走りを見せる可能性がある。

ベタ買いOK「GⅠのドゥラメンテ産駒」 ミスタージーティー

最後は若葉Sを勝ってきたミスタージーティーを取り上げる。父は昨年のリーディングサイアーであるドゥラメンテ、兄姉にタッチングスピーチやサトノルークス、近親にはアスコリピチェーノらがいる超良血馬だ。

ドゥラメンテ産駒のJRA・GⅠ成績(通算),ⒸSPAIA


ドゥラメンテ産駒がJRAのGⅠに出てきたら、データ上は「ベタ買いOK」だ。通算成績は【12-4-7-42】複勝率35.4%、単回収率253%、複回収率135%。タイトルホルダーとスターズオンアース、リバティアイランドの3頭が頑張って数字を引き上げている面もあるが、それを差し引いても単複回収率は100%を大幅に超える。

得意分野である「芝2000m以上」に限れば【8-4-5-25】複勝率40.5%とさらにアップ。特に社台ノーザンF系の生産馬なら【5-3-3-12】で同47.8%。ミスタージーティーもここに合致する。

ミスタージーティーは新馬戦でスローペースの後方から強烈な伸び脚を見せて差し切り勝ち。高いポテンシャルが垣間見える鮮烈デビューだった。その後ホープフルSは直線詰まって痛恨の5着、共同通信杯はペースが遅すぎて参考外だ。若葉Sは内容こそ目立たないが、本番前に好位で立ち回る競馬を学んだ点に価値がある。「もし前が空いていたら……」。そんな4か月前のタラレバに、答え合わせをする時がやってきた。

<ライタープロフィール>
鈴木ユウヤ
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。

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