【ローズS】単勝1.6倍ダイワスカーレットが貫禄の逃げ切り オークス回避からの復帰戦、2007年をプレイバック

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秋華賞に向けて負けられない一戦
今週はローズSが開催される。過去にはヒシアマゾンやキョウエイマーチ、ジェンティルドンナらが制したレース。今回はそんな中から2007年の一戦をピックアップして当時を振り返っていく。
2007年のローズSは、1番人気ダイワスカーレットが単勝1.6倍の圧倒的人気を得ていた。これにベッラレイア(3.4倍)、レインダンス(8.9倍)の2頭が一桁オッズで続き、以下は大きく離れる偏ったオッズの14頭立てというメンバー構成だった。
ダイワスカーレットは、3つ年上の半兄に皐月賞馬ダイワメジャーがいる良血馬。他にも、母のスカーレットブーケはエリザベス女王杯で3着、半姉のダイワルージュは桜花賞で3着など、大レースでも見せ場をつくってきた一族である。
ダイワスカーレットは桜花賞でウオッカを撃破したものの、牝馬二冠を狙ったオークスは熱発で回避。ウオッカがダービー馬に輝くなか、無念の休養となった。ただ、久々のレースとはいえ、ファンからの信頼は厚く、ここは秋華賞に向けて負けられない一戦だった。
2番人気のベッラレイアは、オークス2着馬。こちらは桜花賞には出走せずにフローラSを勝利してオークスに挑んだ馬であり、ダイワスカーレットとはここが初対決でもある。ここまで5戦して【3-1-1-0】という抜群の安定感に加えて、今回は武豊騎手と初コンビという点も注目を集めた。ダイワスカーレットに迫る人気も納得の存在だった。
レインダンスは上位2頭からやや離された3番人気ながら、こちらも実力馬。チューリップ賞ではウオッカ、ダイワスカーレットに離されたものの、のちのオークス馬ローブデコルテらをおさえての3着と地力は十分。夏には条件戦で古馬相手に2連勝を挙げ、秋での逆転を目指していた。
そのほか、NHKマイルC勝ち馬でオークス5着のピンクカメオ(4番人気)、オークスで2番人気に推されたザレマ(5番人気)、連勝中のサプライズユーやニホンピロシェリーなど、面白いメンバーが顔を揃えていた。
着差以上の余裕を見せての完勝
ややバラついたスタートのなか、7枠の2頭サプライズユー、ブリトマルティスが良いダッシュを見せる。しかし、内から力強く先手を奪ったのがダイワスカーレット。それらを追う位置にレインダンスがおさまり、この4頭が先行集団を形成する。
中団の馬群を率いるのがベッラレイア。さらにピンクカメオも7番手を確保し、人気馬は前に集中する展開となった。各馬のポジションが決まると、ペースがやや落ち着き隊列が徐々に狭まっていく。
3コーナーに差し掛かっても、ダイワスカーレットは後続を突き放すことなく、ジワリと逃げる。鞍上・安藤勝己の作りだすペースのなか、大きな動きはなく4コーナーから直線へと入る。
中団の各馬が一気に横に広がっていく。ダイワスカーレットは鞍上まだ持ったまま。その後ろからレインダンス、内に進路を取るベッラレイアが良い脚で迫る。馬場の真ん中からはピンクカメオ、ニホンピロシェリーが伸びている。しかしどの馬も、ダイワスカーレットをとらえられそうで、届かない。
残り200mを切って坂に入ったころには、ベッラレイア、レインダンス、そしてダイワスカーレットの3頭に勝負は絞られる。ただ、逃げるダイワスカーレットの脚色は最後まで衰えず、涼しい顔で押し切った。半馬身差ながら、なお余力を感じさせる完勝だった。
ダイワスカーレット、強し。多くのファンがその姿に衝撃を受けた。2着はベッラレイア、3着はレインダンス、4着はピンクカメオ。1番人気から4番人気までが人気順に並ぶ堅い決着となった。配当は馬連、枠連ともに220円。3連複は470円、3連単も1,080円だった。
イクイノックスの全妹イクシードが参戦
秋華賞にはなんとダービー馬のウオッカが参戦。他路線組も含め豪華メンバーとなったなか、ローズS組は1着ダイワスカーレット、2着レインダンス、4着ベッラレイアと上位を賑わせた。ウオッカが3着に敗れたことに、驚いたファンも多かったことだろう。
ダイワスカーレットは次走のエリザベス女王杯も勝利。その後は牡馬との戦いに身を投じていき、翌年には有馬記念を制している。間違いなく、歴代最強牝馬に数えられる1頭だった。
引退後のダイワスカーレットは、チチカステナンゴやノヴェリスト、エンパイアメーカー、エイシンフラッシュなど様々な種牡馬と配合され、10頭の牝馬と1頭の牡馬を産んだ。娘たちも繁殖入りし、一族はさらに枝葉を広げている。この血統から、いずれ大きな活躍馬が現れるに違いない。
デビュー前から「ダイワメジャーの半妹」として注目を集め、その期待に違わぬ活躍を見せたダイワスカーレット。兄に劣らぬ名牝として、競馬史にその名を刻んだ。
そして今年のローズSには「イクイノックスの全妹」イクシードが参戦する。キャリアはまだ3戦と浅いが、すでにその才能の片りんはのぞかせており、今後の牝馬戦線を盛り上げていけるか、多くのファンの視線が注がれる──。
《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ダイワスカーレット、ドウデュース。
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