【セントライト記念】“前走ダービー二桁着順”は複勝率40%超 アスクエジンバラ、アウダーシアの巻き返しに期待

ⒸSPAIA
中心は決め手がある上位人気馬
セントライト記念の行われる中山2週目といえば、例年だと秋の3日間競馬だが、今年は3週目にシルバーウィークが設定されており、3日間競馬は翌週に設定されている。このズレの影響を受けるのはおそらく騎手ではないか。
例年なら日曜日にローズS、月曜日にセントライト記念と牡牝ラスト一冠に向けたトライアルレースが連日組まれ、騎手は騎乗依頼さえあれば、どちらにも騎乗できる。だが、今年はこの2重賞、同日に施行されるので、騎手はどちらかにしか騎乗できない。特に依頼が多いトップジョッキーは頭を悩ませるところだ。
トライアルで乗り替わりとなると、本番で騎乗できる可能性はかなり落ちる。暦の悪戯がどんな物語をつくるのか。今年はこういった点にも注目しよう。ここからは過去10年分のデータを使用し、今年のセントライト記念を展望する。

人気別では、1番人気【3-6-0-1】勝率30.0%、複勝率90.0%とかなり堅調。2着が多い点に注意しつつも、そう崩れない。連軸は決めやすいのではないか。そんな1番人気の逆転候補は2番人気【3-2-3-2】勝率30.0%、複勝率80.0%から4番人気【2-0-0-8】勝率、複勝率20.0%あたりまで。上位人気に絞ってもよさそうだ。
穴となると、8番人気【0-2-0-8】複勝率20.0%、9番人気【1-0-0-9】勝率、複勝率10.0%ぐらい。確率としては頼りなく、ちょっと穴党の出番はなさそうだ。

上位人気が強いというデータを裏づける要素のひとつが上がり600m順位別成績だ。上がり1位は【6-1-2-4】勝率46.2%、複勝率69.2%と圧倒的で、2位【1-6-1-3】勝率9.1%、複勝率72.7%を大きく引き離す。2位は複勝率が高く、単純に上がり1位2位と決め手の順で決まるケースが多い。
上がり6位以下が【2-0-4-83】勝率2.2%、複勝率6.7%なので、秋の中山らしく先行して押し切るグループもある程度結果を残してくるものの、決め手上位は揺るがない。中山といっても外回りはコーナーが緩やかで脚を溜める馬たちにとって加速しやすい点も上がり順位別成績に影響している。タイプとしては決め手上位の人気馬は逆らえない。
条件戦組は「距離延長」が狙い目
さすがに菊花賞トライアルとあって今年も春の実績馬が顔をそろえる。筆頭は青葉賞を勝ち、ダービー4着だったゴーイントゥスカイやダービー3着のバステール、皐月賞4着アスクエジンバラにラジオNIKKEI賞勝ち馬サノノグレーターもいる。

前走クラス別成績ではGⅠ組が【5-6-6-23】勝率12.5%、複勝率42.5%。内訳はやはりダービーが【5-6-5-18】勝率14.7%、複勝率47.1%と主流。ダービー以来の休み明けを叩き、本番へ。トライアルらしい傾向だ。

ダービーの着順内訳をみていくと、2、3着【1-2-0-1】に対し、4着馬の出走はなく、5着が【0-1-0-1】。10着以下も【3-2-2-10】勝率17.6%、複勝率41.2%なので、着順は問わない。10着アスクエジンバラ、11着アウダーシアの巻き返しもある。
この2頭はスプリングS1、2着馬。アスクエジンバラは皐月賞でも4着と好走しており、中山適性も高い。少し人気を落としてくれるようならありがたい。
前走ラジオNIKKEI賞は【3-1-1-10】勝率20.0%、複勝率33.3%であり、こちらも負けていない。1着馬【1-1-0-0】、3着馬【1-0-0-2】。サノノグレーターのほかに3着だったリッツパーティーも可能性はある。

前走重賞組の層が厚く、条件戦組は【2-3-2-64】勝率2.8%、複勝率9.9%と割って入るのは簡単ではない。可能性があるとするなら、前走2200m未満の距離延長【2-2-1-36】勝率4.9%、複勝率12.2%だろう。同距離【0-0-0-9】、2200m超の距離短縮【0-1-1-19】複勝率9.5%であり、菊花賞トライアルながら、長い距離の経験がいきてこない。
おそらく野芝オンリーの秋の中山芝はスピード優先の馬場になりやすく、ゆったり走るより、ある程度、流れに乗って走れる馬に向くのではないか。実績馬の対抗格となる上がり馬は中京芝2000mの木曽川特別を勝ったサヴォアフェールではないか。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
《関連記事》
・【セントライト記念】特別登録馬一覧
・「重賞×逃げ」は勝率20.0%、単回収率187%の好成績 武豊騎手のプラス条件、マイナス条件
・「芝のデクラレーションオブウォー産駒」は単回収率181% 現役最高の中山巧者を種牡馬、騎手ごとに徹底検証