【中京2歳S回顧】ジーティーマイカが無傷の重賞制覇 マイルを見据えた競馬で完勝

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マイルに近いレース展開
夏の中京2歳チャンピオン決定戦・中京2歳ステークスはジーティーマイカが無敗で重賞制覇を達成した。2着シスキンブルーム、3着ビスケットサンドで決着した。
新潟2歳Sの回顧でも触れたが、この時期は2歳重賞が3週続けて行われる。札幌2歳Sは札幌滞在組による争いになり、少し趣が異なるが、マイルの新潟2歳Sと1400mの中京2歳Sは重なる面もある。
中京2歳Sは前走1200、1400m組が主なので、そこまでではないと見ることもできるが、やはり1200m戦だった小倉2歳S時代ほどのカテゴリー分けができない。結果、今年は9頭立てになり、このうち未勝利馬が3頭いた。
個人的には、2歳・3歳限定重賞で出走枠に空きがあり、そこに未勝利馬が出走するのはルール上問題ないことであり、気にしない。出られるなら出るという判断は、あらゆる意味で理解できる。
1勝馬の内訳は1400m1着馬2頭に対し、1200m1着馬が4頭。昨年ハイペースになったように、スプリント寄りのレース展開になる可能性もあったが、今年は違った。
前走1200mでハイペースを演出したマルモリムソウが控え、新潟ダート1200mを逃げ切ったジャスパートレノが先手を奪ったためペースは落ち着き、前半600mは34.2。昨年の33.3と比べると、かなり遅い。
その分、スピード比べではなく、いったん溜めて末脚を温存するという“マイル寄り”のレースになったことは、今後に向けてのポイントになる。
2歳戦に強いシスキン産駒の傾向
勝ったジーティーマイカは、距離延長を意識した競馬で入ったことも勝因だろう。位置が下がっても折り合い重視の組み立てで運び、そこでしっかり脚を溜められた。これは完全にこの先のマイル戦を意識しており、その課題をクリアしたうえで勝ち切ったのは大きい。
それも終始外を回り、直線でも追い出しを待つ余裕があった。松山弘平騎手は前の馬の手応えも後ろの様子も見切って仕掛けており、完璧だった、完勝といっていい。力をすべて出し切った様子もなく、上がり600mは33.0を記録しており、これは楽しめる。
父シスキンは今年の2歳馬が3世代目になる。8月23日までの勝利数は43勝。このうち25勝を2歳時にあげており、この時期に強い。特に今年の2歳は【9-5-3-9】勝率34.6%、複勝率65.4%と絶好調。新馬の勝率は3割を超える。POGでははずせない種牡馬だ。
特徴はジーティーマイカと同じ母の父ダイワメジャーが勝率4割を超え、マンハッタンカフェも3割超えと、サンデー系の持続力タイプとの相性がいいこと。キングカメハメハとも悪くない。この3頭との組み合わせは味方につけたいところだ。
前走1200mを走り、2戦目であれほど落ち着いた競馬で距離延長をクリアする。馬の資質の高さもあるが、前川恭子厩舎の手腕も光った。丁寧な馬づくりは今後も注目だ。
進路取りの差が出た2、3着馬
2着シスキンブルームも馬名の通り、シスキン産駒。こちらは内に入り、最後は最内の狭いところに行かざるを得なかった。進路がもう少し自由に選べる状況だったら、着差を詰めてきた可能性は捨てきれない。
母のボンジュールココロは1400mを中心に入り、最後は1800mでも好走した。こちらも距離の融通はきく。
3着ビスケットサンドも道中の進路は内。直線では進路が開きかけながらも、長い時間、進路を確保できなかった。
まともに追えたのはジーティーマイカが抜け出し、内のシスキンブルームが進路をつくったあとのこと。ほぼ末脚を使っておらず、着順は額面通り受けとれない。見直しが必要だろう。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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