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【関屋記念】2番手から巧みに後続引き離したマグナーテン 岡部幸雄騎手の手腕光った2001年をプレイバック

2026/07/20 17:00
緒方きしん
プレイバック2001年 関屋記念,ⒸSPAIA

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地方馬からGⅠ馬まで、多彩な9頭

今週は新潟競馬場で関屋記念が開催される。過去にはオースミコスモやカンパニー、プリモシーンらが制したレース。今回はそんな中から2001年の一戦をピックアップし、当時を振り返っていく。

2001年の関屋記念は、9頭ながら実に多彩なメンバーが集まった。3歳から8歳、牡、牝、セン馬が揃い、1番人気は3.6倍、5番人気までが一桁オッズと、混戦ぶりを物語っていた。

1番人気に推されたのは、エイシンプレストン。GⅠ・朝日杯3歳Sを制し、最優秀3歳牡馬にも選出された。その後も活躍を続け、3走前の安田記念こそ10着に敗れたものの、そこから米子S、北九州記念を連勝して勢いにも乗っていた。

これを単勝4倍台の2頭が追う。2番人気スティンガーも、阪神3歳牝馬Sを制したGⅠ馬で、以降も京王杯SC連覇など活躍。前年の同レースではグラスワンダー、キングヘイローらを撃破しており、その名を轟かせていた。

3番人気のネイティヴハートは、岩手・千葉博厩舎所属の地方馬。朝日杯3歳Sで3着、NHKマイルCで4着など、ここまで一度も掲示板を外していなかった。古馬初対戦のここでもファンの期待を集めていた。

そして4番人気に支持されたのが、セン馬のマグナーテン。デビュー後は中々勝ち上がれず、若くしてセン馬となった経歴を持つ。その後は藤沢和雄厩舎に所属したまま盛岡で結果を出し始め、約1年で7戦5勝と一変。前走の朱鷺Sではビハインドザマスクをはじめとした実力馬に勝利し、評価を高めていた。

他にも、前述の朱鷺Sでマグナーテンの2着だったキングオブサンデー、キャリア15戦のうち14戦で1番人気に推されてきた素質馬のクリスザブレイヴ、関屋記念をすでに2度制している8歳馬ダイワテキサスといった骨太のメンバーがそろっていた。

気が付けば届かぬ先にいたマグナーテン

ダイワテキサスとスティンガーがやや出負けするなか、マグナーテンが軽快な出脚を見せる。しかし、それを制して先頭に立ったのはクリスザブレイヴ。同馬の鞍上・吉田豊騎手が積極策を選択したことで、序盤から隊列はやや縦長となっていた。

離れた2番手に単騎でマグナーテンと岡部幸雄騎手。さらに少し離れて3歳牝馬ドリームカムカムと江田照男騎手が進む。以降は、やや馬群がかたまり、スティンガーやエイシンプレストンらが睨み合う。キングオブサンデーも外からあがっていき、前の動向をうかがう。

3コーナーへ入る頃には、逃げるクリスザブレイヴから約4馬身差でマグナーテン、3番手以下はそこからさらに7、8馬身ほど引き離される展開に。4コーナーに入っても、依然、3番手以降は差を詰められない。一方、マグナーテンは少しずつ前のクリスザブレイヴに詰め寄っていった。

いつの間にか、展開はマグナーテンと岡部騎手の望む形となっていた。直線の入口で、マグナーテンはクリスザブレイヴを射程に捉える。クリスザブレイヴもまだまだ勢いはあるが、マグナーテンの脚色はそれ以上だ。後方ではスティンガー、エイシンプレストン、ネイティヴハートらが横に広がり、必死に追い上げようとしている。

前を進むクリスザブレイヴもよく粘る。マグナーテンがジワジワと詰め寄り、最終直線半ばに差し掛かってもまだ食い下がる。だが、ラスト200mの標識を過ぎ、マグナーテンがついに交わす。ネイティヴハートら後続も鋭い末脚で差を詰めてくるが、届いても2着争いまでか。

最後は、先頭に立ってもうひと伸びを見せたマグナーテンが2馬身半差をつけてゴール。2着には後続の猛追を退けたクリスザブレイヴが残した。以下、1番人気エイシンプレストンが3着争いを制し、4着ネイティヴハート、5着スティンガーと小差で続いた。

序盤から縦長の隊列を誘い、前残りの展開に持ち込んだマグナーテン、クリスザブレイヴ2頭の鞍上の腕が光ったレースだった。9頭立ての8番人気クリスザブレイヴの粘りにより、配当は馬連5,150円、枠連5,280円という高配当となった。

また、ワイドは、マグナーテン-クリスザブレイヴの組み合わせが1,280円に対し、エイシンプレストン-クリスザブレイヴが1,460円。敗れた1番人気絡みの方が高配当というあたりに、馬券購入者の慧眼を感じる一戦でもあった。

7歳セン馬マテンロウスカイをはじめ、今年も多彩なメンバー構成

マグナーテンは翌年も関屋記念を制覇。さらに毎日王冠やAJCCを制するなど、8歳まで第一線で活躍を続けた。当時のセン馬としての獲得賞金記録を塗り替えるなど、記憶にも記録にも残る存在であった。引退後は札幌の乗馬クラブで功労馬として大切にされ、28歳となった2024年にこの世を去った。

クリスザブレイヴは、続く京成杯AHでも2着に粘ると、その次走・富士Sで遂に重賞制覇。長く期待をかけられてきた馬が、ようやくその評価に応えた。引退後は種牡馬となり、数少ない産駒からJRAで2勝を挙げたダンシングクリスらが出ている。

エイシンプレストンは、続く毎日王冠で巻き返しの勝利を挙げると、マイルCSでも2着と好走する。同年12月の香港マイルを制すると、翌年、翌々年と香港GⅠのクイーンエリザベス2世Cを連覇。香港のスペシャリストへと進化を遂げた。

さて、今年の関屋記念には7歳のセン馬のマテンロウスカイが出走を予定している。鞍上は、マグナーテンとコンビを組んだこともある横山典弘騎手。マテンロウスカイも過去には逃げ先行の競馬で結果を残すなど、どこか重なる部分もある2頭である。

その他にも3歳馬サンダーストラック、条件戦を3連勝で勝ち上がっているダノンセンチュリーなど、多彩な顔ぶれがそろった。果たしてマテンロウスカイは、マグナーテンのような力強い走りを見せられるだろうか──。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、スマイルジャック、ドウデュース。

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