【函館2歳S】前走1番人気馬は単勝回収率210% 完成度の高いシグレに注目

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は7月19日(日)函館競馬場で行われる函館2歳Sについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった15頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。
重要データ:前走1番人気に妙味

函館2歳Sは2歳馬にとって最初の重賞で、函館開催の名物競走だ。レース経験の少ない馬が多く、データ分析が難しいレースではあるが、だからこそ注目したいデータもある。
注目したいのは前走人気別成績で、なかでもポイントになるのが、前走で1番人気に支持されていたかどうかだ。前走で人気した馬は、次走も人気しやすく回収率が低いイメージがある。だが、勝ち方や内容次第では評価が過度に上がらず、妙味あるオッズで狙えるケースもある。
加えて、キャリア1、2戦の馬が大半を占める時期だけに、人気はその限られた実戦内容に左右されやすい。また、デビュー前の評価が見落とされるようなケースも見受けられ、その点にも妙味が生まれる余地がある。
前走1番人気だった馬は【7-5-4-34】で、勝率14.0%、単勝回収率210%、複勝回収率106%と優秀な数字を残している。対して、それ以外の馬は【3-5-6-78】で、勝率3.3%、単勝回収率66%、複勝回収率82%。前走1番人気馬の方が、勝率、回収率ともに明確に上回っている。
【前走1番人気だった出走予定馬】
・アルテクィーン
・ウンスイ(門別競馬場)
・シグレ
・ダイシンドラゴン
・ダマスク
・フレイコン
前走の内容:シグレの新馬戦
シグレの前走は函館芝1200m・新馬戦1着。時計はそこまで速いわけではないが内容は圧巻だった。レース後に武豊騎手が「乗っていただけ」と話したように、追い出しもせずに逃げて上がり最速、2着馬に1秒差をつけての大勝だった。
スタートは五分で、押していったわけではないが、二の脚のスピードですぐにハナを取った。そのまま自分のペースを淡々と刻んで前半3F34.7秒、後半3F34.6秒とお手本のようなラップを刻んでいた。
6頭立ての少頭数戦であり、勝ち方だけで実力を測ることはできない。ただ、1分9秒3という時計は、前週の函館新馬戦を勝ち、今回も注目馬の一頭となるイモージェンの1分9秒0と大きな差はない。しかも、イモージェンがしっかりムチを入れて追われていたのに対し、本馬は鞍上曰く「乗っていただけ」。内容面では高く評価できる。
スタート、コーナリングともにこなせており、抑えが効かない様子もなかった。不安要素も少なく、今回も十分勝ち負けになるとみる。
血統解説:シグレ

・シグレ
米国産馬であり、日本におけるこの牝系の祖となる。アメリカで繋がってきた牝系で、近親にはブルーグラスS(GⅠ・ダート9F)勝ちのBandini、BCジュベナイルターフ(GⅠ・芝8F)勝ちのFire At WillなどGⅠ馬が多数、4代母のHail Atlantisもサンタアニタオークス(GⅠ・ダート8.5F)を勝利している。高いスピード性能や持続力がこの一族の特徴で、早くから動けるタイプも多い。
ダートでの活躍馬が多いが、種牡馬に合わせることも得意なファミリーで、芝適性のある種牡馬をつければ芝にも対応できる。本馬は牝馬で、前走の走りやパドックを見ても柔らかさがあり、芝向きの印象を受ける。
本馬の父はTwirling Candy。産駒はほとんど日本で走っていないので聞き馴染みのない馬かもしれないが、今年の安田記念勝ち馬シックスペンスの母父にあたる。現役時はマリブS(GⅠ・ダート7F)を勝利しており、芝やAWでも走った万能タイプ。こちらもスピード性能が高い特徴を持つ。基本的にはダートを主戦場にするタイプを輩出しているが、牝馬であれば芝でも走ることができる。
配合的にはスプリントからマイル向きで、パワーもあるので函館のスプリント戦は合っている。瞬発力勝負になると分が悪いが、本馬は自分でレースを作れる強みがある。マイペースに持ち込めば、スピードの違いでチャンスは広がる。
Cアナライズではシグレを推奨
今回のCアナライズではシグレを推奨する。前走は頭数も少なく、単勝1.3倍の支持を集めていた点を踏まえても、勝ち方だけで過大評価はできない。
とはいえ、上位人気が予想されるイモージェンとの比較でも新馬戦の走破時計は0.3秒差。本馬の方が走りに余裕を残していた点を考えれば、十分に本命視できる。
血統面でも、米国血統特有の仕上がりの早さがあって、すでに完成度は高い。あとは上手くレースを運ぶことができれば、重賞初制覇まで期待できる一頭だ。
《ライタープロフィール》
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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