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【函館記念】ファインモーションを破ったクラフトワークと横山典弘騎手の神騎乗 2004年をプレイバック

2026/06/22 17:00
緒方きしん
プレイバック2004年 函館記念,ⒸSPAIA

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2000m無敗の名牝が参戦

今週は函館記念が開催される。過去にはニッポーテイオーやサッカーボーイ、ハヤヤッコらが優勝した伝統の一戦だ。今回はそんな中から2004年の一戦をピックアップして当時のレースを振り返っていく。

2004年の函館記念は、オッズ上では「三強」の構図。なかでもやや抜けた人気を集めたのがファインモーションであった。

2002年に秋華賞とエリザベス女王杯を制した牝馬の強豪で、デビューから6連勝でその偉業を成し遂げたという快進撃はあまりにも印象的。3歳暮れの有馬記念で連勝は止まったものの、翌年12月の阪神牝馬ステークスで重賞4勝目を挙げている。

この2004年も函館記念の前走・安田記念では3番人気13着と初めて二桁着順に敗れたが、相手関係の好転に加えて当時4戦4勝だった2000mに戻ることもあり、ファンは再び彼女を支持した。

そこに待ったをかけようとしたのが、クラフトワークとダービーレグノだ。

クラフトワークは4歳馬で、3歳時の重賞実績は青葉賞3着だけであったが、明け4歳初戦の東京新聞杯で2着と好走するなど着実に力をつけていた。また、半兄クラフトマンシップが2000年に函館記念を制していることもあり、兄弟制覇にも注目が集まるなか、初コンビの横山典弘騎手とともにこの一戦に臨んだ。

3番人気ダービーレグノは、シンザン記念や新潟記念を制した実績を持つ6歳馬。同年も日経新春杯や日経賞、目黒記念で3着に好走するなど衰えはまったく感じさせず、この3頭が単勝オッズ10倍を切る人気となった。


冴えわたった横山典弘騎手のイン突き

揃ったスタートから、7枠11番のタマモヒビキが積極的に前を狙う。さらにその外から8枠13番ヒマラヤンブルーも主張。内からはスプリングシオンらが前を窺う構えを見せる。

ファインモーションとクラフトワークはいずれも8番手付近のポジションを確保。一方、ダービーレグノは後方で仕掛けのタイミングを待つ。

やや縦長の展開。ファインモーションは内の間隔をあけて、少し気難しさを見せながらの追走となっていた。流れにうまく乗ってからは徐々に落ち着きを見せ、その内側でクラフトワークが虎視眈々と進める。前の集団と後方勢の間隔は徐々に開いていった。

レースが動いたのは4コーナー。まずはファインモーションが一気に外から先行勢を飲み込んでいく。その動きを見ていたクラフトワークの鞍上・横山典弘騎手は、そこでは追うことをしなかった。

そして直線、早くもファインモーションが外から先頭に立とうとする。先行勢では斤量53kgのワイルドスナイパーが抵抗を見せたが、ファインモーションを凌げるほどの余力はない。

ファインモーションだ──。と多くのファンが思った次の瞬間、内側に切り込んで前に迫った馬がいた。クラフトワークである。

一瞬の脚で先頭に立つと、そのままファインモーションを振り切り勝利。クビ差で名牝を撃破し、重賞初制覇を掴み取った。

2番人気→1番人気の決着で、馬連950円など配当は比較的堅実なものとなったなか、馬単は2280円だったことからも、ファインモーションへの信頼の大きさが読み取れる。そんな圧倒的な存在を打ち破ったクラフトワークには大きな拍手が送られた。


牝馬苦戦の歴史に終止符は打たれるか

クラフトワークはその後、横山典弘騎手とのコンビ継続で中山金杯、アメリカジョッキークラブカップを制覇。重賞3連勝を達成する。残念ながらGⅠ制覇という栄誉には恵まれなかったが、ファンの心に強く刻まれる一頭となった。

ファインモーションは引退後、一度は繁殖牝馬となるも、子宝に恵まれずに引退する。先天的な染色体の異常によるもので、彼女の仔が見たかったファンからは多くの嘆きの声が寄せられた。

彼女が敗北した函館記念は、それ以降も牝馬にとって難所となっている。牝馬の勝利は1998年パルブライトが最後で、2000年以降に限れば【0-3-2-21】(※札幌開催含む)だ。まさに「ファインモーションでも負けるのだから」と言いたくなるデータである。

今年の函館記念には、昨年の紫苑S勝ち馬ケリフレッドアスクが出走を予定。長らく続く牝馬不振の歴史に終止符を打ち、勝利を掴み取ることはできるだろうか。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ハヤヤッコ、ドウデュース。

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