【宝塚記念】高速馬場に対応可能なスピードを持つビザンチンドリーム本命 穴は地力強化のジューンテイク

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有馬記念同様に激流になる可能性が高い
昨年の有馬記念は出走馬16頭中、半数以上が逃げ、先行馬という組み合わせ。結果、激流となり、2着コスモキュランダ以外は差し、追込馬が5着以内という結果だった。
今回もミステリーウェイ、メイショウタバル、コスモキュランダ、シンエンペラー、マイネルエンペラー等、当時と同じ逃げ、先行馬が出走。さらにシュガークンやクロワデュノール、ミクニインスパイアなどの先行馬が加わった。
有馬記念でミステリーウェイを行かせたことで、リズムを崩して暴走したメイショウタバルは、二の脚がそれほど速くないが、今回は何が何でもハナを取りに行こうとするだろう。
今回も前半から速い流れで上がりが掛かり、差し、追込馬台頭の展開になるとみる。
能力値1~5位の紹介

【能力値1位 クロワデュノール】
昨年の皐月賞2着馬でダービー馬。3歳秋はやや不振だったが、今年に入って大阪杯と天皇賞(春)を連勝。大阪杯は大外15番枠からまずまずのスタートを切り、好位の外を確保したが、ペースが速かったため控えて道中は中団の外で進めた。
3角で外々から好位に上がり、4角でじわっと仕掛けて2列目に並びかけて直線へ。直線序盤は先頭のメイショウタバルとの差は詰まらなかったが、ラスト1Fで苦しくなった同馬を捉えて半馬身差で勝利した。
当時は高速馬場で前後半5F58秒1-59秒5のハイペース。しかし、この日は稍重スタートで馬場の内側から乾いており、内有利だった。
つまり、最内を立ち回ったメイショウタバルに対し、クロワデュノールは3~4角で外々から進出するロスがあり、着差以上の強さだった。
次走の天皇賞(春)は7番枠からまずまずのスタートを切ったが、外から前を主張したマイネルカンパーナらを行かせて好位の外目を追走。3角の下りで引っ掛かったが、コントロールして中団に収めた。
スタンド前では前にサンライズソレイユを置いて中団の外で進めていたが、向上面で同馬が中目に行ったため壁がなくなり、少し折り合いに苦労して好位の外まで押し上げる。
3~4角でも好位の外からじわっと進出して、4角で仕掛けて2列目の外で直線へ。直線序盤で追われて堂々先頭、ここで2馬身のリードを奪ったが、ラスト1Fでさすがに苦しくなり、外からヴェルテンベルクに強襲されたが何とかハナ差で押し切った。
当時は超高速馬場で前半5F59秒9-中盤6F74秒3-後半5F59秒5の平均ペース。前後の位置による大きな有利不利はなかったが、前半で壁が作れずやや掛かり、3~4角の外から勝ちにいったことで苦しくなった。
しかし、大幅な距離延長で初の芝3200m戦ながら、しっかり結果を出したことは高評価できる。
本馬は前年春のクラシック二冠馬ながら、秋はやや不振だったかつてのメイショウサムソンと似た戦績で、同馬は2007年の大阪杯と天皇賞(春)優勝で宝塚記念は2着だった。
クロワデュノールも春のGⅠを2戦しており、大きな上積みは見込めないが、この距離なら折り合いもついて地力で善戦する可能性が高い。対抗評価だ。
【能力値2位 ビザンチンドリーム】
昨年の天皇賞(春)の2着馬。同レースは14番枠から出遅れて最後方付近からの追走。2周目の向正面で後方中目のスペースを拾って少し位置を押し上げたが、前のジャスティンパレスの捲りをワンテンポ待った。
3~4角で中団中目のスペースを拾い、4角は楽な手応えでヘデントールの後ろで待ち、4角出口で外へ誘導。直線序盤でしぶとく伸びて2列目に上がり、ラスト1Fでヘデントールに競り掛けたが、アタマ差及ばなかった。
当時は高速馬場で前半5F60秒7-中団6F73秒7-後半5F59秒6の緩みない流れ。このときは速めの流れながら、向上面でマイネルエンペラーが早々と先頭に立ったことで後方有利の展開となった。
ビザンチンドリームは菊花賞では2馬身出遅れて後方からの追走。道中で中団中目まで進出したが、4角で前の馬が下がってきた影響を受けて後退する不利があった。この不利がなければヘデントールらの2着争いに加わった可能性が高かった。
天皇賞(春)の次走はフォア賞1着。ここでも出遅れたが、暫定前後半5F63秒95-後半5F58秒75(日本の計測方法なら前半があと1秒速い)のかなりのスローペースを勝利している。
当時の2着馬ソジーはその後、凱旋門賞3着、香港ヴァーズ1着、クイーンエリザベス2世C3着など活躍している。フォア賞の勝ち馬は後々に活躍していることが多く、2021年のフォア賞の勝ち馬ディープボンドも同年の有馬記念で2着に健闘した。
欧州での好走は決め手不足と判断されがちだが、ビザンチンドリームは阪神芝2000mの新馬戦はラスト2F11秒5-11秒3と加速する展開を、メンバー断トツの上がり3Fで勝利した。
次走のきさらぎ賞でも前有利の展開を、3馬身出遅れながらも後方の外からメンバー最速の上がり3Fで差し切った実績もある。
本馬は出遅れを含め、前半で位置取りが悪くなる弱点があり、長距離や海外を使われているが、決して決め手不足ではなく、日本の高速馬場にも対応可能なスピードがある。
前走のアミールTは出遅れて最後方からの追走。ラスト1Fでは進路が塞がり不完全燃焼の7着だった。勝ち馬ディープモンスターには完敗だったが、同馬は次走でロマンチックウォリアーに進路妨害を受けながらも3着に健闘した馬でもある。
ビザンチンドリームは上述したように、ここでも通用する能力がある。前走で能力を出し切れずに余力を残せており、今回は前進が見込める。出遅れ癖がネックだが、逃げ先行馬の多いメンバー構成で、上がりが掛かる展開なら通用していい。今回の本命候補だ。
【能力値3位 ダノンデサイル】
昨年から戸崎圭太騎手に乗り替わり、末脚を生かす形で上昇。AJCCで国内の自己最高指数を記録すると、昨春のドバイSCでは、後にジャパンCを制するカランダガンに勝利した。
ドバイSCは3番枠から五分のスタートを切ったものの、外にヨレる場面もあった。そこから立て直して中団中目を追走。道中は超スローで掛かり気味。向正面でレベルスロマンスが捲ってもさほどペースは上がらなかったが、ここでも動かず中団最内で脚を溜めた。
3角でも中団最内を進め、4角でじわっと仕掛けながら、上手くシンエンペラーの後ろから直線は外に誘導。直線序盤で3列目からすっと伸び、ラスト2Fで先頭に並びかける。ラスト1Fで抜け出したところをカランダガンが詰めてきたが、1馬身1/4差で勝利した。
このときは前半5F通過がおおよそ65秒という超絶スローペース。カランダガンの徹底マークを受けたが、ラスト3Fで仕掛けて外に出してからの反応が鋭く、ラスト1Fで見せた一瞬のキレはすさまじかった。
しかし、昨秋以降のジャパンC、有馬記念、大阪杯ともに3着に敗れており、昨春と比べるとやや不振。立て直された大阪杯は昨春の2戦よりも走れると踏んでいたが、前有利の展開を中団中目で進め、4角で前の馬が下がってくる不利はあったが、ラスト1Fで甘くなった2着馬メイショウタバルは差し切れても良かったとみている。
近走不振だがそれでも3戦連続3着。ここでも能力値3位にランクインする馬だけに、警戒はしたい。
【能力値3位 ミュージアムマイル】
昨年の皐月賞馬で、秋には成長を見せてセントライト記念1着、天皇賞(秋)は、超絶スローペースでマスカレードボールの決め手に屈したが2着。そして昨年の有馬記念でGⅠ2勝目を挙げた。
有馬記念は4番枠からやや出遅れ、後方からの追走。そこから押して挽回しようとしたが、全体的にポジション争いが激化。それでも中団内目まで押し上げた。
スタンド前では中団の外に誘導し、ダノンデサイルをマーク。向上面では前3頭が後続を離していったが、ここでも同馬をマークで脚を溜めた。
3角でペースダウンすると、動いたダノンデサイルを追いかけて進出。4角で同馬の外に誘導し、仕掛けて中団で直線へ。直線序盤でしぶとく伸びたがまだ好位列。ラスト1Fでコスモキュランダを一完歩ずつ追い詰めてクビ差で捉え切った。
当時は標準馬場で前後半5F60秒3-60秒5の緩みない流れ。向上面でメイショウタバルが引っ掛かって逃げ馬に絡んだことでペースが上がっており、後方有利の展開だった。
本馬はやや出遅れて最序盤のペースが速い段階から位置を挽回するスタミナのロスはあったが、その後は上手く脚を温存。結果、展開に恵まれ、自己最高指数を記録した。
その後はドバイターフに出走予定だったが、断念してクイーンエリザベス2世Cへ向かった。しかし、主催者から「現状のままでは歩様検査をパスしないだろう」と指摘されて、宝塚記念に向かう形となった。
前走有馬記念の成績(2000年以降)は【0-0-1-2】。3着は前年に秋の古馬GⅠ三冠を達成した2005年のゼンノロブロイ。前年の秋の古馬GⅠ二冠+ジャパンC3着のシンボリクリスエスでも5着に敗れていることを忘れてはいけない。
しかし、ミュージアムマイルはまだ4歳で成長が見込め、今回は有馬記念同様に展開の後押しがありそうなだけに、無印にはできない。
【能力値3位 レガレイラ】
2024年の有馬記念の勝ち馬。同レースは8番枠から出遅れたが、促しながら進めて中団中目を確保。道中はかなりのスローで好位の中目まで進出して向正面へ。下り坂でダノンデサイルがペースを引き上げると、好位の中目で同馬についていく形となった。
3~4角で内にいたスターズオンアースが早々と失速して下がったことで、4角で2列目の内を確保。4角出口で前2頭の外に誘導し、外のシャフリヤールと一緒にじわじわ伸び、ラスト1Fでは同馬と併せ馬の形でダノンデサイルを捉え、最後はクビの上げ下げをハナ差で制した。
当時は高速馬場で、前後半5F62秒9-57秒9の超絶スローペース。ダノンデサイルが向上面の下りで一気に仕掛けたことでラスト5F目からペースが上がっているが、前有利の展開だった。
その点、中団外々の位置を押し上げて本馬と一騎打ちを演じたシャフリヤールのほうがインパクトで上回っていたが、ハナ差で勝利したのはさすがだ。
本馬はその後、指の剥離骨折が判明。ミュージアムマイルの章で、2000年以降で有馬記念から宝塚記念に直行した馬の成績は【0-0-1-2】と紹介したが、そのうちの1頭が昨年の本馬であり11着に敗退している。
今回も有馬記念4着から飛節の不安でここに出走。ただし、昨年と比べたときに良いのは、昨年の有馬記念はその前走エリザベス女王杯で外差し有利の馬場と展開に恵まれて自己最高指数タイを記録した疲れで、能力を出し切れていないこと。
昨年の有馬記念は激流だが、出遅れてミュージアムマイルをマークする形の後方待機策で位置取りが後ろ過ぎた。
今回は昨年と同じ臨戦過程でも、骨折明けだった昨年よりは乗り込めているだろうし、ここも中団待機策で展開に恵まれる可能性が高いということだ。本馬も過信は禁物だが、警戒はしておきたい。
穴馬は今年に入って地力強化のジューンテイク
ジューンテイクは3歳時に京都新聞杯を勝ち、神戸新聞杯でメイショウタバルの2着とトップクラスに準じる実績を持っていた馬。今年に入って充実し、3走前の京都記念を勝利した。
3走前は大外12番枠から五分のスタート後、外にヨレたが立て直して二の脚の速さで逃げ馬の外2番手を確保。道中はかなりのスローだったが、外2番手でしっかり折り合い、ペースは落ちているものの3番手以下を離して進めた。
3~4角でも外2番手でコントロールされながら進め、4角出口で馬場の良い外に誘導しながら仕掛けて先頭で直線へ。
直線序盤で内からリビアングラスに食らいつかれたが、しぶとく伸びて先頭を維持。ラスト1Fで外からエリキングに強襲されたが、半馬身差で振り切った。
当時は馬場の内が荒れていたが、高速馬場で前後半5F61秒8-58秒5のかなりのスローペース。前有利の展開で内から逃げるバビットに蓋をするように進め、最後の直線では外に誘導と完璧に乗られた。
本馬はこのときまで出遅れることも多かったが、当時はゲートの最後入れでスタートが決まったことも好走要因である。
次走の金鯱賞は4着。2番枠からまずまずのスタートを切り、促して先行したが、外からジョバンニらが前を主張してくると控えて中団の内に下げた。
1~2角で外に誘導し、向上面で上がらないペースを意識して捲りを仕掛けたが、内の2頭に抵抗されてしまう。
3角では2頭分外を回ったが、3~4角で控えて内目。4角出口で外に誘導して仕掛け、直線序盤ですっと伸びて一瞬先頭に立ったが、ラスト1Fで甘くなり、外差し勢に屈した。
当時は高速馬場で前後半5F60秒4-後半5F57秒7のスローペース。しかし、本馬が捲りを仕掛けたラスト5F目からペースが上がっており、結果的に序盤で中団まで下げたのが悪手だった。
やや内有利の馬場を生かしてそのまま2列目、3列目の内で進めていれば、向上面からのペースアップに巻き込まれず、もっと上の着順を狙えていた可能性が高い。それでも4着だったのは、地力強化を裏付ける内容だ。
前走のクイーンエリザベス2世Cでは最下位8着に敗れたが、前後半5F63秒23-57秒41(日本の計測方法なら前半があと1秒速い)という前有利の展開を出遅れて後方からとなった。レースの流れに乗れなかったのが主な敗戦理由だ。
本馬はやはりゲートが安定しない点がネックだが、今回は後方有利の展開になる可能性が高く、出遅れたことで逆に展開が向く可能性もある。
今回もGⅠ馬5頭が出走と豪華メンバーだが、そのうち2頭が有馬記念からの始動戦。メイショウタバルは逃げ馬で展開的に厳しくなる可能性もあるだけに、本馬にも一考の余地がある。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)クロワデュノールの前走指数「-25」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.5秒速い
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補
《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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