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【ヴィクトリアマイル】能力上位でマイル適性もあるココナッツブラウンが本命 大穴はドロップオブライト

2026/05/16 17:00
山崎エリカ
ヴィクトリアマイルのPP指数,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

緩みなく流れやすい

ヴィクトリアマイルはA→Bコース替わり2日目の東京芝1600mで行われる一戦。コース替わりに芝の発育期も重なって、前週よりも高速化する傾向にある。実際、ノームコアが勝った2019年には1分30秒5のコースレコードが出た。

特にこのレースには短距離路線馬も数多く出走するため、緩みなく流れやすい。近年は4F通過が45秒台になることもざらにある。そのため極端な脚質の馬は苦戦傾向にあり、過去10年で逃げ馬の3着以内はゼロ。追込馬も1着1回、3着1回(ともに馬場の内側が荒れていた昨年)となっている。

今年もアイサンサンやエリカエクスプレスの出走で4F通過45秒台が視野に入るだけに、中団以降から差せる馬を中心に予想したい。


能力値1~5位の紹介

2026年ヴィクトリアマイルのPP指数一覧,ⒸSPAIA


【能力値1位 エンブロイダリー】
昨年の桜花賞と秋華賞を勝利した二冠馬。2走前の香港マイルでは11着と崩れたが、ぶっつけ本番の秋華賞で自己最高指数を記録した疲れもあったはず。そこから立て直された前走の阪神牝馬Sでは巻き返しVを達成した。

前走は逃げ馬不在。1番枠から好スタートを決めて様子を窺っていたが、じわっとハナを主張して先頭に立つと、ややスローペースで逃げた。

3~4角でも最内を通して仕掛けを待ち、4角でルージュソリテールが並びかけると、出口で軽く仕掛けて半馬身差で直線へ。序盤ですっと伸びて1馬身のリード。ラスト1Fでは外からカムニャックに強襲されたが、何とかクビ差で振り切った。

当時は超高速馬場で、前後半4F46秒5-45秒1のスローペース。やや前有利の展開に恵まれ、自己最高指数を更新する形での勝利だった。

前走は稍重からの馬場回復過程の影響もあってペースが上がらなかっただけに、大きな疲れはなさそう。しかし、休養明け好走後の香港マイルでも崩れているだけに、過大評価は禁物だ。

同じローテーションなら上がり3F最速タイで2着に突っ込み、今回は展開に恵まれる可能性が高いカムニャックの方を上位評価したい。

【能力値2位 ニシノティアモ】
5走前にノド鳴り手術をし、1勝クラスから4連勝で福島記念を勝利した。本馬は4走前から「イタイタ」という馬具を着用しており、口向きが改善されたことが勢いにより拍車を掛けたところがある。

2走前の福島記念は10番枠からまずまずのスタートを切ったが、外から各馬に競られたこともあり、無理をさせずに抑えて好位の外を追走。しかし、ペースが遅かったため、じわっと押し上げて1角手前で2列目の外。1~2角では2番手の外まで上がり、向正面で上手く折り合って3角に入る。

3~4角でも楽に逃げるバビットを遊ばせて、4角出口で仕掛けて同馬と1馬身差で直線へ。序盤ですっと伸びて前に出ると、ラスト1Fでしぶとく抜け出し、外から迫るエコロヴァルツの追撃を1馬身1/4差で振り切った。

当時は高速馬場で、前後半5F61秒1-58秒8というかなりのスローペース。前有利の展開に恵まれる形での勝利だった。

そこから休養明けとなった前走の中山牝馬Sは5着。ここでは14番枠からまずまずのスタートを切ってしっかり出したが、前の位置が取れず、中団やや後方から追走した。

3~4角では後方中目を捌いて4角出口で大外に誘導し、直線ではじわじわ伸びてラスト1Fで2着争いに加わったが、2着ビヨンドザヴァレーからハナ+クビ+クビ差の入線だった。

当時は標準馬場で、前後半4F47秒9-47秒5の平均ペース。前後の位置による有利不利はないが、馬番4番よりも内枠の馬が1~3着を独占したように、稍重スタートで馬場の内側から回復しており、内が有利だった。惜敗には外枠が影響したところがある。

前走内容は悪くなく、今回は叩かれての前進も見込める。ただ本馬は中距離志向が強く、このメンバーで16番枠だとここも後方からの追走となり、3~4角でロスが生じる可能性が高い。

また、最後の直線でじわじわ伸びるタイプだけに、上がりの速い決着になった場合が不安。ただし、前傾のハイペースで後方有利の展開になった場合には、チャンスがある。

【能力値3位 クイーンズウォーク】
昨年の金鯱賞の勝ち馬。同レースでは6番枠から五分のスタートを切り、抑えながら2列目の外を追走。最終的には内のホウオウビスケッツを行かせ、同馬からやや離れた3番手で進めた。

3角ではホウオウビスケッツのひとつ外の3番手で仕掛けを待ち、4角出口で馬場の良い外に誘導して直線へ。序盤で追われてからややもたついていたが、じわじわ差を詰めて先頭とは3馬身差ほど。ラスト1Fでグンと伸び、内のホウオウビスケッツをハナ差で捉えて勝利した。

当時は超タフな馬場で、前後半5F58秒2-63秒1の超絶ハイペース。前に行った馬にはかなり不利な展開だったが、本馬は前2頭から離れた3番手を追走しており、実際は差し競馬で、展開に恵まれる形での勝利だった。

本馬は稍重で時計が掛かった一昨年のローズSでも勝利を挙げているように、上がりの掛かる馬場や展開で差す形がベスト。昨年のヴィクトリアマイルでは追走にやや忙しさを見せていたが、アリスヴェリテがペースを引き上げて後方有利の展開になったことや、外が伸びる馬場で16番枠だったことも後押しとなって2着に健闘した。

除外明けの2走前、天皇賞(秋)はコンクリートレベルの高速馬場で、前後半5F62秒0-56秒6の超絶スローペースとなり、トップスピード不足で7着に敗れたが、そこから立て直された前走の金鯱賞では3着と巻き返している。

その前走は昨年の金鯱賞よりも逃げ馬に対して前の位置で進めていたが、高速馬場で前後半5F60秒4-57秒7というかなりのスローペースになったことで、上手く2列目の最内を立ち回ったジョバンニを差し損ね、外一気のシェイクユアハートの決め手に屈する形となった。

本馬は本質的には中距離向きだが、芝1600mも守備範囲。昨年の金鯱賞で記録した指数は今回のメンバーで最も高く、能力を出し切った場合には一番強い。

今年も昨年同様にペースが上がりそうで、同じく後半型のカムニャックと双璧の存在。重い印を打ちたい。

【能力値4位 ココナッツブラウン】
馬体重の増減が激しく、馬体重が大幅に減った2023年のローズSや、昨年2月の斑鳩S(3勝クラス・京都芝1600m)では気難しさも見せて末脚が不発。馬券圏外に敗れたことがあった。しかし、それ以降は大幅に馬体が減ることもなくなり、大崩れしなくなった。

4走前のクイーンSでは4番枠からやや出遅れ、無理をさせずに後方からの追走。向正面は後方の中目で進め、外を狙っていたが蓋をされて動けず、狙いを内に絞って3角へ。

3角で内目のスペースを潰し、4角では最内に進路を取って中団まで押し上げて直線へ。直線序盤では3列目付近から進路を作り切れず、フェアエールングの後ろで仕掛けをやや待たされる場面もあったが、ラスト1Fで内目を捌いて最後は急追。勝ち馬にはアタマ差届かなかったが、2着に食い込んだ。

当時は高速馬場で、前後半4Fは46秒7-47秒6と緩みなく流れたやや後方有利の展開。内有利の馬場とコースに恵まれはしたが、最後の直線で詰まる不利がなければ勝っていた可能性は高かった。

3走前の札幌記念は超タフな馬場で、前後半5Fは60秒6-60秒9の平均ペース。前後の位置による大きな有利不利はなかったが、1着、3着、4着馬は最内を立ち回った2桁人気馬だったように内が有利の馬場状態だったなか、本馬は15番枠から出遅れ、終始後方外々を回るロスを作っての2着だった。

2走前のエリザベス女王杯は距離が長く度外視可能。前走の小倉牝馬Sは超高速馬場で前有利の展開を出遅れ、内と外から寄られて進路が狭くなる場面もあった。

ただその前走は途中で中団やや前方中目まで挽回といつもより前で進め、3~4角でも中目から押し上げて4角は外と、仕掛けも早かったために3着に敗れたもの。芝1600mのここを意識したような早めの競馬だっただけに、今回で絶望的な位置になることはなさそうだ。

本馬は5走前の錦S(3勝クラス・京都芝1600m)でも勝利しており、今回の距離に不安はない。このときはかなりのスローでラスト2F11秒0-10秒9と加速する前有利の展開を、ラスト2Fで先頭と2馬身あった差を一気に詰めて1馬身のリードを奪い、2馬身半差で完勝している。当時の前半4F通過は高速馬場で47秒5。この舞台なら超高速馬場で4F通過45秒台も視野に入るだけに本命候補だ。

【能力値5位 アイサンサン】
芝1400mで逃げて2連勝。前走の愛知杯では12番人気の低評価を覆し、初重賞制覇を達成した。

その前走は18番枠からまずまずのスタートを切り、促して内枠各馬の出方を窺いながらハナを主張。先頭に立つとコントロールしながらじわっと内を目指し、最内で3角に入る。

3~4角で少し息を入れ、4角出口で仕掛けて直線へ。序盤でしぶとく踏ん張って3/4差を維持。ラスト1Fで中目を捌いて伸びたソルトクィーンに並ばれたが、もうひと踏ん張りしてハナ差で粘り切った。

当時は高速馬場で、前後半3F33秒9-34秒2の平均ペース。大外枠にしては楽にハナを取り切って、やや前有利展開に持ち込んでの勝利だった。また、この日はやや内有利の馬場で、馬場の恩恵もあった。

本馬は東京芝1600mでも5走前に鷹巣山特別(2勝クラス)勝ちの実績があるが、このときは平均ペースながらラスト1Fで甘さを見せており、芝1400mがベストと見ている。

今回は同型馬で折り合いに課題があるエリカエクスプレスとの兼ね合いも気になるところで、評価を下げたい。

穴馬は芝1600mがベストのドロップオブライト

ドロップオブライトはデビューから短距離路線を中心に起用されていたが、休養明けで2Fの距離延長となった3走前のターコイズSで初重賞制覇を達成した。

3走前は8番枠から五分のスタートを切り、軽く促しながら進めて2列目の外を確保。道中でも折り合いに専念して進め、先頭列外のソーダズリングの後ろから3角に入る。

3~4角では少し仕掛けを待って3列目の外。4角で2番手ソーダズリングの外からじわっと押し上げて2列目で直線へ。序盤で追われるとすっと伸びて先頭とは半馬身差の2番手争い。ラスト1Fで内からしぶとく伸びて、先頭に立ったリラボニートを捉えてアタマ差で制した。

当時は高速馬場で、前後半4F46秒5-46秒5の平均ペースだったが、中盤で緩みが生じており、前有利の展開に恵まれる形での勝利だった。しかし、スタミナ面が不足する休養明けで距離をこなしたのは、芝1600m適性が高ければこそ。

直近2走の阪急杯と愛知杯は距離不足で3着、10着に敗退。前走で大崩れしたのは、アイサンサンが逃げ切る前有利の展開を後方からの追走になったもの。ここでは16番枠からまずまずのスタートを切っていたが、大外18番枠のアイサンサンが内に切った影響で挟まれて後退する場面があった。

今回は相手も手強くなるが、掲示板は十分狙える。能力値上位馬が休養明け好走の反動で本来の能力を出し切れなかった場合には、馬券圏内突入もありそうだ。現時点では2桁人気とかなり舐められた存在となっているだけに、ヒモ穴で狙ってみたい。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)エンブロイダリーの前走指数「-22」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.2秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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