【ヴィクトリアマイル】サンデーサイレンスのクロス持ちは単回率1441% 実力伯仲の2頭に注目

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傾向解説
古馬芝マイル女王決定戦・ヴィクトリアマイル。先週のNHKマイルカップと同じ東京芝1600mを舞台に行われるGⅠ競走ですが、実は求められる適性は大きく異なります。本記事では血統面を中心に、ヴィクトリアマイルのレース傾向を整理していきます。
まず紹介したいポイントは東京芝1600mGⅠの前後半3Fラップ。ハイペースの消耗戦になりやすいNHKマイルCとは異なり、スローペースの瞬発力勝負になりやすいのがヴィクトリアマイルの特徴です。
直近2年は前傾1秒以上のラップを刻んでいますが、どちらも縦長の展開でのもの。過去10年の勝ち馬10頭中9頭は上がり3F33.4以下の高速上がりを記録しています。
中距離寄りの瞬発力が求められる舞台である点は創設当初から変わっておらず、以前はNHKマイルC以上のハイペース戦が繰り広げられていた安田記念も、ヴィクトリアマイルのレース質に近年は近づいてきました。
<東京芝1600mGⅠの前後半3Fラップ(過去10年)>
NHKマイルカップ:34.1-34.8(前傾0.7秒)
ヴィクトリアマイル:34.3-34.2(後傾0.1秒)
安田記念:34.5-34.1(後傾0.4秒)
血統面ではサンデーサイレンスのクロス馬に注目。Haloクロス馬は2015~16年連覇のストレイトガール(Haloの3×4)を筆頭に以前から好走馬を複数出していました。
近年は2023年ソングライン(サンデーサイレンスの3×4)、2024年テンハッピーローズ(サンデーサイレンスの4×3)とサンデーサイレンスのクロス馬が立て続けに勝利しています。
馬券圏外でも2023年15番人気4着ディヴィーナや2024年13番人気5着ルージュリナージュなど人気薄が惜しい競馬を見せており、今後もHalo→サンデーサイレンスのクロス馬には要注目です。

<サンデーサイレンスのクロス馬>
該当馬【2-1-0-12/15】
勝率13.3%/連対率20.0%/複勝率20.0%/単回率1441%/複回率156%
※過去10年
注目血統馬
前記の傾向に合う注目血統馬を2頭ピックアップしました。
☆エンブロイダリー
3代母ビワハイジ(1995年阪神3歳牝馬S)に遡る名牝系に属し、母ロッテンマイヤーは2016年クイーンC3着馬です。
アドマイヤマーズ産駒の本馬はHaloの4・6・6×5などから瞬発力を、父父ダイワメジャーと母父クロフネからタフさを受け継いでおり、1600~2000mならスローペースにもハイペースにも対応できる優等生タイプです。
サンデーサイレンスの3×4を持つ点はヴィクトリアマイルのトレンドにも合致しており、素質、適性ともにメンバー屈指の一頭です。
☆カムニャック
3代母ダンスパートナー(1995年オークス、1996年エリザベス女王杯)に遡る名牝系に属し、母母ダンスオールナイトは芝1600~2000mで5勝、母ダンスアミーガは芝1400~1600mで5勝しています。
本馬の半兄にはキープカルム(2025年しらさぎS)などがおり、ブラックタイド産駒の本馬はキタサンブラックと同じブラックタイド×サクラバクシンオーの組み合わせです。
3歳時の線の細さがなくなり、今ならマイル戦のスピードにも対応可能。サンデーサイレンスの2×4を持つため、ヴィクトリアマイル適性についてもメンバー中上位の実力馬です。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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