【NHKマイルC】末脚抜群ロデオドライブが本命 穴馬はアドマイヤクワッズ

ⒸSPAIA
今年はペースが上がらない
東京芝1600mは大きな癖がなく、極端なハイペースやスローペースになりにくい舞台だ。ただし、昨年のNHKマイルカップは先行争いが激化していくなか、外からヴーレヴーがしつこく競ってハナを取り切ったことで、近年では一番のハイペースとなった。
しかし、今年は一転して逃げ・先行勢が手薄。昨年の朝日杯フューチュリティステークスでレースを引っ張ったダイヤモンドノットが前走のファルコンSのように控えた場合、平均~ややスローペースになるとみる。
東京芝が超高速馬場であることも踏まえ、メンバー最速で上がってこられるようなトップスピードに優れた馬を中心視したい。
能力値1~5位の紹介

【能力値1位 ダイヤモンドノット】
2走前の朝日杯FSが2着。ここでは10番枠からまずまずのスタートを切り、促してハナを主張。道中では緩みないペースで逃げた。
3~4角でやや息を入れつつ、1馬身差で直線へ。序盤で仕掛けると、すっと加速して2馬身半差。ラスト1Fでも踏ん張っていたが、内から伸びたカヴァレリッツォに差されて3/4馬身差で敗れた。
当時は重馬場発表だったように、やや時計の掛かる馬場で、前後半4F46秒3-46秒9の緩みない流れ。ラスト2Fは11秒2-12秒2とラスト1Fで大きく減速しているように、前に不利な展開だった。実際、出遅れて3列目の外4番手まで挽回して5着だったリアライズシリウスは次走で共同通信杯を制し、皐月賞でも2着と好走している。
本馬も休養を挟んだ前走・ファルコンSで順当に勝利。ここでは9番枠からまずまずのスタートを切り、促して好位の中目を確保。道中では抑えながら進めた。
3~4角でも抑えて好位の中目をキープ。4角で手を動かして、前のスペースを詰めて直線へ。序盤で外に誘導してエイシンディードに並びかけると、ラスト1Fで同馬を競り落として1馬身1/4差で勝利した。
当時は高速馬場で、前後半4F45秒6-45秒7の平均ペース。前後の位置取りによる大きな有利不利はないが、ペースが上がった3~4角では少し置かれていた。
本馬はゲートも二の脚も良く、決め手にやや欠ける面を、先行してのしぶとさで補うジャンタルマンタルのようなタイプ。鞍上が逃げを嫌う川田将雅騎手だけに、自身が控えたことでペースが落ち着いて後半勝負となってしまった場合の危うさはあるが、自在性があるので大崩れはしにくい。
【能力値2位 ロデオドライブ】
中山芝1600mの新馬戦では強豪カナルサンマルタン(次走・未勝利1着→スイートピーS1着)を下し、3着以下には4馬身以上の差をつけた素質馬だ。
次走の3歳1勝クラス(中山芝1600m)でも、次走で1勝クラスを突破して橘Sでも上位人気が予想されるスペルーチェに3馬身差をつけて完勝。この時の指数はデイリー杯2歳Sでアドマイヤクワッズやカヴァレリッツォと接戦、朝日杯FSでも3着に該当するほどの好記録だった。
その2走前は10番枠から五分のスタートを切り、軽く促して先行争いに加わったが、外のマーゴットブローを行かせて2列目の外付近を追走。向正面では折り合いに専念し、やや位置を下げて好位の中目で3角に入る。
3~4角で外からニシノエースサマが仕掛けたが、そのひとつ内から抵抗しながら押し上げ、4角出口では外に誘導して2列目付近で直線へ。序盤で先頭列に並びかけ、ラスト1Fでグンと抜け出すと3馬身差の完勝だった。
当時は超高速馬場で、前後半4F46秒6-45秒5のスローペース。先行馬有利の展開を、ラスト1Fで突き抜けた内容は濃い。ここは上位2頭の上がり3Fがずば抜けて速く、本馬は同3位の馬に0秒8差をつける33秒5を叩き出した。
指数の高さは上述した通りだが、負かした相手を見ても2着スペルーチェ、3着マーゴットブロー、4着メイショウハチコウが後に1勝クラスを突破。メイショウハチコウに関しては先週のプリンシパルS(L)を10番人気で勝利している。
前走のニュージーランドトロフィーは2走前よりもペースが遅く、2列目の最内で酷く折り合いを欠いたため、やや伸びを欠いたところがある。それでもクビ差の2着は立派で、GⅠでペースが上がれば折り合いもつくだろう。
今回は大外8枠の17番に入ったが、東京芝は内が有利という状況下でもない。ここは本命候補に推す。
【能力値3位タイ カヴァレリッツォ】
デビュー2戦目のデイリー杯2歳Sでは、アドマイヤクワッズとの一騎打ちにアタマ差で敗退した。
しかし、当時は7番枠からアオリ気味のスタートを切り、内から寄られて外に逃げようとするところを最後方に下げ、各馬が空けている内から外の馬を壁にして2列目まで押し上げる場面があった。コントロールにも苦労していたことを考えると、内容はアドマイヤクワッズ以上だったと言える。
そこから臨んだ次走の朝日杯FSでは、同馬を3着に下して勝利。ここでも8番枠からやや出遅れながら、無理なく中団中目を追走。道中も中団の中目でコントロールしながら進めた。
3~4角のペースダウンしたところでやや掛かる面を見せ、包まれて4角出口でも進路がない状態となったが、直線序盤で内の空いたスペースを突いて内ラチ沿いに突っ込み、追われて2番手まで上がる。ラスト1Fでは逃げて甘くなったダイヤモンドノットをしっかりと捉え、3/4馬身差で勝利した。
当時は重馬場発表だったようにやや時計の掛かる馬場で、前後半4F46秒3-46秒9の緩みない流れ。ここでは厳しいペースで逃げたダイヤモンドノットや、3~4角でかなり外を回るロスを作ったアドマイヤクワッズ、エコロアルバとは対照的にソツなく乗られている。
前走の皐月賞はそれ以来の休養明けの一戦、かつ距離延長で初めての芝2000m戦。1番枠から積極的に出したことでかなり掛かっていたが、上手く最内を通していた。ところが、残り300mあたりで逆噴射するかのように下がり、13着に大敗している。
前走は距離がもたなかったのもあるが、1週前追切でもCWの併せ馬で未勝利馬に遅れを取っており、状態が良くなかったことも敗因のひとつと見ている。
その前走から中2週でピークの状態に持っていくのは困難だが、距離が短くなるのは明確に加点材料だ。
【能力値3位タイ エコロアルバ】
前有利の展開だった新潟芝1400mの新馬戦とサウジアラビアロイヤルCを後方から差し切って連勝。サウジアラビアRCでは出遅れて最後方からの追走となったことから、 前走の朝日杯FSではゲートが懸念されていたが、3番枠から好スタートを決めた。
そこから好位の内に控えると、窮屈になって引っ掛かり、最終的に最内から進出していくカヴァレリッツォの後ろで進める。
3角手前ではもう一列下げ、中団やや後方の中目から外に誘導。4角で4頭分外を回るロスを作って直線へ。序盤で追われると、じわじわ伸びて3列目。ラスト1Fで前2頭との差は少し詰めたが、最後は外からアドマイヤクワッズに半馬身ほど差されて4着に敗れた。
3角手前で強引に外へと出していったが、結果的にはそのままカヴァレリッツォの後ろで走らせていれば、もっと着順を上げていた可能性の高い内容だった。
今回は再び乗り替わりとなることもあり、コンクリートレベルの高速馬場で出遅れた場合の不安はある。とはいえ、ぶっつけ本番ながら追い切りの動きは良く、状態面の不安はなさそう。休養中に成長していれば通用するだろう。
【能力値5位 フクチャンショウ】
デビューから一貫して1400m以下を使われ、2戦目以降は全て3着以内と安定。3走前の京王杯2歳Sが馬体重12kg増、さらに2走前のクロッカスSでも12kg増と、パンプアップをしながら指数を伸ばしている点は好ましい。
加えて、3走前と前走では強豪ダイヤモンドノットを相手に小差の2着、3着に健闘している。また、2走前のクロッカスS(L・東京芝1400m)もレベルの高い一戦だった。
前走は7番枠からやや出遅れ、促しながら進めて中団中目から追走。道中も中団中目で抑えながら進め、3~4角でも中団最内をロスなく立ち回って直線へ。
序盤でひとつ外に誘導して、エイシンディードの後ろからさらにひとつ外のダイヤモンドノットの後ろを取って2列目付近に上がる。ラスト1Fでもしぶとく伸びて、2着エイシンディードとの差をアタマ差まで詰めた。
当時は超高速馬場で、前後半3F34秒1-34秒2の平均ペース。前後の位置による有利不利はないが、内有利の馬場をロスなく立ち回っていた。
前走ではやや追走に忙しさを見せていたことから、この距離でもやれないことはなさそう。ただし完璧な騎乗だっただけに、ここでは評価を下げたい。
穴馬はマイルで見直したいアドマイヤクワッズ
アドマイヤクワッズはデビュー2戦目のデイリー杯2歳Sでカヴァレリッツォとの激戦に勝利。ここでは6番枠からやや出遅れ、出していくなかで内から接触も受け、コントロールしながら下げて後方からの追走となる。
前半から緩みなく流れる団子状態で、最後方の内目を通してカヴァレリッツォの後ろから3角へ。3~4角でも最内からカヴァレリッツォをマークする形となり、3列目で直線を迎える。
序盤で同馬の後ろから内を突いてすっと伸びると、先頭に立った相手にクビ差まで迫る。ラスト1Fではマッチレースとなったが、内からしぶとく伸びて接戦をアタマ差制した。
当時は高速馬場の平均ペースだが、前半3Fは34秒5と速く、ここでカヴァレリッツォについて行く形で位置を押し上げながらも、最後までしぶとさを見せた点は高く評価できる。
カヴァレリッツォはアオリ気味にスタートを切り、内から寄られて外に逃げようとするところをいったん最後方に下げて内に切れ込み、各馬が空けている内から外の馬を壁にして2列目まで押し上げていく形。直線も最内から抜け出し、外に逃げたがる場面を見せながら、本馬との一騎打ちに持ち込んだ。
これに対し、アドマイヤクワッズは3~4角でカヴァレリッツォをマークしたことで、進路取りはスムーズだった。内容的にはカヴァレリッツォの方が上だが、もともとの能力はそう大きく変わらない。
3走前の朝日杯FSではカヴァレリッツォに先着を許したが、この時は3角で最内から外に誘導したエコロアルバにさらに外へと弾かれ、3角では4頭分、4角は5頭分も外を回るロスがあった。
また、2走前の弥生賞では、バステールの差しが決まる差し有利の展開を中団中目から向正面までに好位の外まで進出。4角では2列目の外まで挽回したことで、最後は苦しくなってバステールと3/4馬身+クビ差の3着に敗れた。
そして前走の皐月賞はペースが上がらず、内から2頭目以内が1着、2着、4着、5着、6着に来る内有利の馬場と展開を、17番枠で前に壁を作れず酷く掛かって3番手まで上がり、終始2頭分外を回るロスを作ったもの。
そもそも本馬にとって芝2000mは本質的に長く、そのうえで上述のロスは致命的だった。マイルなら折り合いもつくので、ここは対抗候補に推す。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ダイヤモンドノットの前走の指数「-15」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.5秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補
《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
《関連記事》
・【NHKマイルC】過去10年のレースデータ
・【NHKマイルC】朝日杯FS勝ち馬カヴァレリッツォ、ファルコンS勝ち馬ダイヤモンドノットは消し ハイブリッド式消去法
・【NHKマイルC】「前走惜敗の関西馬」が単複回収率200%超 データで導く穴馬候補3頭