SPAIA競馬
トップ>ニュース>【京都新聞杯回顧】コンジェスタスが示した父コントレイルの可能性 2着ベレシートも「負けて強し」

【京都新聞杯回顧】コンジェスタスが示した父コントレイルの可能性 2着ベレシートも「負けて強し」

2026/05/11 11:01
勝木淳
2026年京都新聞杯、レース結果,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ダービー出走のラストチャンス

ダービーにつながる最後の重賞・京都新聞杯はコンジェスタスが制し、重賞初制覇。2着ベレシート、3着ラディアントスターで決着した。「ダービー出走のラストチャンス」。この言葉の重みと意味をストレートに表現したようなレースだった。

先行型は何頭かいたにせよ、ここまで前がかりになるとは予想できなかった。最初の正面スタンド前でステラスペースが主張したが、カムアップローゼスが促していく。さらに内からアーレムアレス、外からベレシート、間からはバドリナートも出ていき、2番手付近は大混雑。もつれた状態のまま1コーナーに進入した。

この時点で接触もあり、さらに気持ちが前に向きすぎた馬もみえた。そこに1コーナーでマクるようにキンググローリーが外から2番手を狙い進出。好位勢の前への意識はさらに強くなっていった。この攻防こそダービー出走のラストチャンスそのもの。一歩でも前へ、優位なポジションを確保したい。負ければダービーへの道は断たれる。覚悟と挑戦、野心が表現されていた。

レースラップは12.5-11.0-11.8-11.7-11.7-11.7と息を入れる区間がなく、1000m通過は58.7。先行勢にとってタイトすぎた。以下、後方1000mのラップは坂の上りから12.0-11.7-12.1-11.9-11.8。ギアを入れ替えながら下る区間でラップを上げられなかったのは、先行勢が次第に限界を迎えつつあったからだろう。上がり800m47.5、600m35.8は京都の馬場状態を踏まえれば、時計がかかった印象だ。

これらの攻防を一歩引いた位置で狙っていたのがコンジェスタス。前が加速しきれない勝負所も、上手く脚を溜めるように利用した感すらある。満を持してラストスパートに集中できたのは見事。騎乗馬の力をすべて引き出すかのような競馬だった。


コントレイル産駒の真価

これでコントレイル産駒は青葉賞、京都新聞杯とダービーへ続く重賞を連勝した。青葉賞でも指摘したが、おそらくコントレイルの成長曲線は3歳4、5月あたりにあるようだ。思えば、コントレイルもホープフルステークスから皐月賞、ダービーと着実に力強さと走りのバランスがよくなっていった。

加えて、2000mより長い距離、かつタイトな流れでもっとも力を発揮する。言いかえれば、皐月賞へ向かう途上にある力の探り合いのようなスローペースだと出し切れない。3歳クラシック路線で、コントレイル産駒の適性がいかせるのは青葉賞と京都新聞杯ではないか。だとすると、やはり日本ダービーは楽しみしかない。

青葉賞を勝ったゴーイントゥスカイはアメリカ色が濃く、コンジェスタスは母系にラストタイクーン、デインヒル、ダンチヒ、ミスタープロスペクターと持続性に富んだ血が並ぶ。両馬の母系は系統こそまるで異なるが、持続性という共通点がある。柔らかさを補完するような血を求めるのは、その父ディープインパクトとの共通点でもある。


「負けて強し」だったベレシート

2着ベレシートは先行勢の脚が上がるなか、好位から唯一残り、一旦先頭の場面すらあった。さすが共同通信杯でのちの皐月賞1、2着馬に割り込んだだけのことはある。「負けて強し」とはまさにこのこと。この2着で賞金的にはダービー出走もみえてきた。

一方で、序盤の攻防で火がついたように、前進気勢に拍車がかかった走りは不安を残す。速い流れを追いかけた経験がダービーにどんな影響を与えるのか。ダービーに進むなら、そこは懸念点として覚えておきたい。

3着ラディアントスターは先行勢に厳しい流れになったことで利を得た感もあるが、3~4コーナーのアップダウンで自ら動いてポジションを押し上げるなど、決して漁夫の利的な好走ではない。前走は中山芝2000mで番手から抜け出しており、自在性もある。

こちらは母ミスエリカで、姉にはミスヨコハマ、クリスマスパレードがいる。持続力で速い時計を押し切るスタイルは、母系のクリスエスの血を感じる。ダービーには手が届かなかったが、夏の高速決着で勝ち星を積み重ねられそうだ。


2026年京都新聞杯、レース回顧,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 世界への挑戦』(ガイドワークス)に寄稿。

《関連記事》
【京都新聞杯】結果/払戻
川田将雅騎手が中距離で無双状態、武豊騎手は重賞で複回128% 現役最高の京都巧者を種牡馬、騎手ごとに徹底検証
【京都新聞杯】共同通信杯2着のべレシートが最有力 複勝率75.0%を誇るきさらぎ賞組も要注意