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【皐月賞】前走初の2000mで攻めの騎乗、アドマイヤクワッズが本命 対抗はリアライズシリウス

4時間前
山崎エリカ
2026年皐月賞のPP指数,ⒸSPAIA

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ハイペース傾向も今年は…?

過去10年の皐月賞において、スローペースだったのはジオグリフが勝ってイクイノックスが2着、ドウデュースが3着に敗れた2022年だけ。対してハイペースが5回もあり、ここ3年はハイペースでの決着となっている。

今年はこれといった逃げ候補が不在で、先行策で重賞2勝を挙げている強豪リアライズシリウスもハナにこだわるタイプではない。内のロードフィレールに行かせ、リアライズシリウスがその外2番手を取る形でスムーズに隊列が形成される可能性が高い。

それでも先行馬はそれなりに揃っているので、さすがに平均ペースくらいまで上がってくるだろう。前後の位置による大きな有利不利はなく、ほぼ実力どおりに決まると見ている。


能力値1~5位の紹介

2026年皐月賞のPP指数一覧,ⒸSPAIA


【能力値1位 カヴァレリッツォ】
デビュー2戦目のデイリー杯2歳Sではコントロールにかなり苦労する場面があり、アドマイヤクワッズとの一騎打ちにアタマ差敗れたが、前走の朝日杯FSでは同馬を3着に下して勝利を挙げた。

前走は8番枠からやや出遅れ、無理なく中団中目を追走。道中も中団の中目でコントロールして進めた。

3~4角ではペースダウンし、ここでやや折り合いに苦労する面を見せたが、包まれて4角出口でも進路がない状態。それでも直線序盤で内の空いたスペースを利して内目から内ラチ沿いに突っ込み、追われて2番手まで上がると、ラスト1Fで甘くなったダイヤモンドノットをしっかり捉えて3/4馬身差で勝利した。

当時は重馬場発表だったようにやや時計の掛かる馬場で、前後半4F46秒3-46秒9の緩みない流れ。ラスト2F11秒2-12秒0とラスト1Fで大きく減速しているように、前に不利な展開だった。

ここでは3角でエコロアルバに外に弾かれて4角でかなり外から押し上げるロスがあったアドマイヤクワッズや、出遅れを好位の外まで挽回して外を回るロスを作ったリアライズシリウスとは対照的に、本馬はソツなく乗られている。

そのうえ休養明けの距離延長かつ初めての芝2000m戦にもなるだけに、今回はアドマイヤクワッズやリアライズシリウスと比べると評価が下がる。しかし、レベルの高い路線を使われてきた馬で、ここでは能力値1位となるだけに警戒は必要だ。

【能力値2位 ロブチェン】
デビュー2戦目でいきなりGⅠのホープフルSを勝利。ここでは4番枠からまずまずのスタートを切った後、外にヨレて接触したが立て直し、外から積極的に先行したバドリナートに抵抗していく形。最終的には同馬に行かせてその後ろを取り、中団の最内で進める。

道中では前にスペースを確保しながら3角でも前のスペースを維持して仕掛けを待ち、4角で手を動かしてスペースを詰めて勢いに乗せたが、ここで進路がなくなり、4角出口で少し置かれた。直線序盤でも進路がなく、斜行するように外に誘導してノチェセラーダに接触。ラスト1Fでもまだ中団だったが、そこからしぶとく突き抜けて3/4馬身差で勝利した。

当時は標準馬場で、前後半5F61秒3-59秒7というかなりのスローペース。前有利の展開でありながら前が伸び切れていないように、例年のホープフルSと比べると低調なメンバーといえる。実際に指数も高くないが、本馬は少し雑に乗られていたところもあった。

休養明けの前走・共同通信杯は3着。ここでは6番枠からロケットスタートを決め、外から前を主張したリアライズシリウスの後ろを取る。同馬をマークする形をとったが、道中では少し離され、中団で待機する作戦を取った。

3~4角でも先頭のガリレアから離れた4番手。4角で軽く仕掛けるも先頭との差は変わらないままで直線へ。序盤でもあまり差は詰まらず、ラスト2Fでリアライズシリウスが抜け出したところでじわじわ差を詰めて2列目争いに加わってくる。ラスト1Fでも前との差を詰めたが、外からベレシートに差し切られた。

当時は超高速馬場で、前後半4F47秒4-46秒0のスローペース。ただガリレアが3角からペースを引き上げたことで、ラスト2Fは11秒2-11秒8と最後は減速しており、やや前が苦しい展開だった。

ラスト1Fで先頭のリアライズシリウスが甘くなったところで差を詰めてのアタマ+クビ差だが、道中で控えたことで前に壁が作れず、かなり折り合いを欠いていたことを考えれば上々の内容。ホープフルS時のように時計の掛かる馬場がベストだが、ここ2戦ともスムーズな競馬ではなかっただけに、まだまだ伸びしろはありそうだ。

【能力値3位 アドマイヤクワッズ】
デビュー2戦目のデイリー杯2歳Sでは、カヴァレリッツォとの激戦に勝利。ここでは6番枠からやや出遅れ、しっかり出したが内から接触も受け、コントロールしながら下げて後方からの追走。前半から緩みなく流れる団子状態となり、最後方の内目を通してカヴァレリッツォの後ろから3角に入った。

3~4角でも最内からカヴァレリッツォをマークする形となり、3列目で直線へ。序盤で同馬の後ろから内を突いてすっと伸び、先頭に立った相手にクビ差まで迫る。ラスト1Fではマッチレースとなったが、内からしぶとく伸びて接戦をアタマ差制した。

当時は高速馬場の平均ペースだが、前半3Fは34秒5と速く、ここでカヴァレリッツォについて行く形で位置を押し上げながらも、最後までしぶとさを見せた。

こちらは3~4角でカヴァレリッツォをマークしたことで、進路取りはスムーズだった。一方、相手はアオリ気味にスタートを切り、内から寄られて外に逃げようとするところをいったん最後方に下げて内に切れ込み、各馬が空けている内から外の馬を壁にして2列目に押し上げていく形。直線でも最内から抜け出すと、外に逃げたがる場面を見せながら本馬との一騎打ちに持ち込んでいる。

次走の朝日杯FSではカヴァレリッツォに逆転を許したが、ここでは後方外目を追走していたところ、3角で最内から外に誘導したエコロアルバにさらに外へ弾かれ、3角では4頭分、4角でも5~6頭分外を回るロスがあったもの。それで3着ならば芝1600mに関してはカヴァレリッツォと同じくらいの実力があると評価できる。

しかし、今回が始動戦になるカヴァレリッツォに対して、本馬は前走で弥生賞を叩いており、この点で優位性がある。それも前走は休養明けで距離延長、初めての芝2000m戦でありながら、賞金が足りている立場だけあって距離を怖がらず、攻めの騎乗をしている。

その前走は中団中目から向正面までに好位の外に進出し、4角では2列目の外。直線序盤で先頭列に上がったところで外からライヒスアドラーに並ばれ、ラスト1Fで同馬に競り負け、さらに外からバステールにも差されているが、差し有利の展開だったことを考えると上々の内容といえる。

前走で攻めたことで匙加減がわかったので、今回はもっと脚をタメてくるだろう。17番枠は不利な材料だが、本命候補だ。

【能力値4位 マテンロウゲイル】
2走前の京成杯はクビ差の2着。内有利の馬場で3~4角の後方最内を立ち回った勝ち馬グリーンエナジーより外を回る形になったことも影響して敗れたが、前走の若葉Sを勝利してここに駒を進めた。

前走は1番枠からまずまずのスタートを切り、軽く促しながら外から前を主張する各馬を行かせて中団の最内を追走。道中も中団の最内で我慢させた。

3~4角でペースが上がり、ここでは完璧に最内を通したが、4角で前のコレオシークエンスが下がってきたため直線序盤では進路がなくなる場面も。しかし、冷静にワンテンポ待って勢いをつけ、前2頭とコレオシークエンスの間を割って伸びて2列目に上がると、ラスト1Fもそのまましぶとく伸びて2馬身差で完勝した。

当時は高速馬場で、前後半4F60秒2-58秒3というかなりのスローペース。ラスト4F(3角)からペースが上がっており、前後の位置よりもロスなく立ち回った馬に優位性があったなか、枠の利を生かした競馬ができた。

ここでは直線序盤で進路がなくなる場面がありながら一瞬でスピードに乗せたように、デビュー時から瞬発力の高さが見せてきた。ただし、前走以上となると成長力に期待するしかない。

【能力値5位 リアライズシリウス】
昨年6月のデビュー戦(東京芝1600m)では、逃げて7馬身差の大楽勝。この走りが評価され、次走の新潟2歳Sでも1番人気に評価されたが、ここも4馬身差の圧勝だった。

その新潟2歳Sでは9番枠からやや出遅れ、中団外からの追走。外枠を利して徐々に2番手外まで挽回し、コントロールして進める。

3~4角では逃げ馬の後ろでロスなく進め、前と2馬身半差で直線へ。序盤で仕掛けを我慢してラスト2Fで馬場の良い外に誘導して追われると、堂々と先頭に立って後続を3馬身ほど離す。ラスト1Fではさらに差を広げ、4馬身差で完勝した。

当時は高速馬場で、前後半47秒8-45秒6とかなりのスローペース。3~4角で3番手以下が前を追いかけず、唯一逃げ馬に食らいつけたことで前有利の展開に恵まれてはいる。

この時、2着タイセイボーグ(後の阪神JF3着→チューリップ賞1着)は3~4角で中団の外から蓋をされ、動きたくても動けないところがあったが、ラスト1Fでも離されており完敗だった。また、同馬とハナ差の3着だったフェスティバルヒルも次走でファンタジーSを勝利しているように、相手のレベルは高い。

その後、休養明けの朝日杯FSは5着に敗退。ここでは14番枠から出遅れ、内の馬と接触したが、立て直して速い流れを好位の外まで挽回している。さらに3~4角で外を回るロスもあった。

そこから立て直された前走の共同通信杯では巻き返して勝利。ここでも5番枠から出遅れて外に誘導したが、先頭のロブチェンが控えたのでしっかり出してハナを主張。最終的に内からハナを主張したガリレアを行かせ、2番手の外で進める。

道中でも2番手の外を維持し、3~4角でガリレアのペースアップにつき合って3番手以下を少し離すと、4角出口で軽く仕掛けて同馬と半馬身差で直線へ。楽な手応えでガリレアに並びかけ、ラスト1Fで同馬を競り落として2馬身ほどのリードを奪う。ラスト1Fでさすがにやや甘くなったが、外から迫るベレシートの強襲をアタマ差で振り切った。

前走は「超」のつくほどの高速馬場ではないなか、1分45秒5のレースレコードが出ているように、世間で言われているほど前が楽な展開ではない。前半4F47秒4と前半のペースこそ速くないが、3角からガリレアがペースを引き上げたことで前がやや苦しい展開になっている。

前走がそこまで楽な競馬ではなかっただけに、今回に疲れが残っている可能性もある。しかし、デビュー2戦目の新潟2歳Sで朝日杯FSの勝ち馬カヴァレリッツォに次ぐ高指数を記録した素質の高さに期待して、対抗評価とする。


穴馬はスプリングSで不利があったサウンドムーブ

サウンドムーブはデビュー3戦目のシンザン記念で2着と好走。ここでは大外16番枠から五分のスタートを切り、しっかり出して内枠各馬の出方をうかがいながら進め、最終的には中団外目からの追走。道中はコントロールしてなるべく中目に収めた。

3~4角ではクールデイトナの後ろから中目を通し切って直線へ。序盤で中目を捌いて伸びて3番手に上がる。ラスト1Fで早めに抜け出したサンダーストラックを追い駆けたが、わずかに及ばずクビ差で敗れた。

当時は高速馬場で、前後半4F46秒4-47秒0の平均ペース。ただし中盤でペースが緩み、ラスト2Fも11秒5-11秒5と減速がなかったように、実質スローの後半勝負だった。

この展開のなか、ラスト1Fではサンダーストラックと1馬身半ほどあった差をしっかりと詰めている点は高く評価できる。また、スローの芝1600mで後半勝負になった際、ラスト1Fで伸びてくる馬は中距離でさらに前進することがある。

しかし、距離を1800mに延ばした前走のスプリングSでは4着に敗退。このときはクレパスキュラーの捲りも影響して後方有利の展開。本馬は中団の外を追走しており、展開自体は恵まれているが、4角で外に誘導した2着馬アスクエジンバラと内に切った勝ち馬アウダーシアに挟まれて後退する不利があった。それでも最後の直線はしっかりと伸びており、4角の不利がなければ勝っていたと推測される。

トライアルで能力を出し切れなかったことはここに向けては好ましく、スプリングS組で最先着を果たすのは本馬と見ている。ただし、スプリングSが低調だったこと、能力値上位馬が手強いことから勝ち負けまではどうか。今回は3着候補の穴馬としてオススメする。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)カヴァレリッツォの前走指数「-18」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも1.8秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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