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【阪神牝馬S】前走10着以下は単回率229%で妙味十分 二冠牝馬エンブロイダリーの巻き返しに期待

2026/04/07 17:00
貴シンジ
阪神牝馬Sの前走着順別の複勝率(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は4月11日(土)阪神競馬場で行われる阪神牝馬ステークスについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった10頭を検討対象とし、過去10年データを使用する。

重要データ:前走1着もしくは大敗

前走着順別成績,ⒸSPAIA


阪神牝馬Sは牝馬限定戦ということもあり、レース全体の単勝回収率が110%、複勝回収率が111%と全頭の単複を買い続けても、直近10年はプラス収支になる波乱傾向の強い重賞だ。

そんな中で注目したいのは前走着順別成績。前走1着馬の成績は【4-4-3-14】で単勝回収率70%、複勝回収率130%となっている。

前走2着~9着馬の成績は【3-3-6-54】で単勝回収率50%、複勝回収率109%。相手として買うにはいいが、本命には向かないという傾向にある。

前走10着以下の成績は【3-3-1-34】で単勝回収率229%、複勝回収率103%となっている。1着か前走10着以下かという両極端な前走成績の馬が好走傾向にある。

人気が予想される馬ではアスコリピチェーノ(前走7着)が割引データに該当。逆にエンブロイダリーとカムニャックは前走10着以下のため、むしろ好材料だ。

【前走1着or前走10着以下の出走予定馬】
・エンブロイダリー(前走11着)
・カナテープ(前走15着)
・カピリナ(前走1着)
・カムニャック(前走16着)
・ビップデイジー(前走10着)
・ルージュソリテール(前走1着)

前走内容;エンブロイダリーの香港マイル

エンブロイダリーの前走は香港マイル11着。パドックの身体つきを見る限り、海外遠征でもデキ落ちしている印象はなかった。

レースラップは前半4F46.83秒、後半4F46.64秒でほぼフラットな流れ。ただ中間で緩んだ区間があり、直線の馬場状態も良かったことから前々で競馬した馬が有利な流れだった。

エンブロイダリーはスタートで出負けし、その後は先行策を取らずに抑えて中団やや後ろというポジションを確保。また終始外々を回った距離ロスがありその点は考慮が必要。2着ソウルラッシュのすぐ後ろに付けていたが同馬は道中で動き先行集団にとりついた。

エンブロイダリーは動かずに直線勝負に賭けたが、結果的には動いたソウルラッシュが2着でエンブロイダリーは11着。4コーナー手前までの手応えは悪くなかったが、4コーナーで他馬に外から並ばれたあたりで一気に手応えがなくなった。

追っていればもう少し着順を上げることはできただろうが、ルメール騎手が無理をさせなかったため11着に敗れた。

元々は末脚で勝負するタイプではなく、先行して粘り込むタイプ。そのため前目のポジションを取れそうな今回のメンバーなら見直し可能だ。

血統解説:エンブロイダリー

エンブロイダリー,ⒸSPAIA


・エンブロイダリー
日本での牝祖は4代母アグサン。本馬は3代母ビワハイジを根幹とするファミリーに属しており、ビワハイジ自身が阪神3歳牝馬S(GI)を勝利している。

ほか、祖母のきょうだいには菊花賞2着で京成杯勝ちのアドマイヤジャパン、京都記念など重賞3勝のアドマイヤオーラ、ジャパンカップなどG1を6勝のブエナビスタ、阪神JF勝ちのジョワドヴィーヴルなど一流馬が並ぶ。

祖母アーデルハイトは1戦未勝利で引退し、競走馬として大成することはできなかった。しかし、繁殖としては3勝クラスまで勝ち上がったマイエンフェルト、クイーンC3着、忘れな草賞勝ちがある本馬の母ロッテンマイヤーを輩出。牝系の活力は十分だ。

元々このファミリーはドイツで広がっていた牝系で、いわゆるSラインと呼ばれる牝系。日本でのSラインというとサリオスやサラキア兄弟、シュネルマイスター、ソウルスターリング、スターズオンアースなどがいる。

Sラインはドイツ牝系の中でもスピードがある牝系で、日本馬場への適性が非常に高いのが特徴の一つ。また成長力とスピードの持続性能が高いのがポイントだ。

ビワハイジの父であるCaerleonもドイツの牝系出身で、Hyperionのように先行して前で粘るタイプの馬だった。そのため本馬のファミリー最大の特徴は、先行して発揮される粘り強さと言える。

母ロッテンマイヤーは若駒の頃は芝の中距離を走っていたが、古馬になってからは多少クロフネらしさが顔を出し、徐々に距離を短縮していった。

本馬は父にアドマイヤマーズを迎えた。アドマイヤマーズ、そしてその父ダイワメジャーもそうだったように、基本的には先行力で勝負するタイプ。ロッテンマイヤーの父がクロフネということもあり、二冠牝馬で秋華賞も勝っているが本質的には1600~1800mがベストだ。

今回は明確な逃げ馬がおらず、少頭数で楽にポジションを取れる可能性が高い。スローペースに付き合わず、自分のリズムで走れば二冠牝馬の実力を発揮できるはずだ。

Cアナライズはエンブロイダリーを推奨

今回のCアナライズはエンブロイダリーを推奨する。前走の敗戦で人気が落ちることはないだろうが、オッズ妙味は見込めるだろう。

少頭数ながら、アスコリピチェーノやカムニャックといったGⅠ馬が出走するため、メンバーレベルは非常に高い。

しかし展開的にはゆったりとした流れが想像され、本馬もポジションは楽に取れそうだ。場合によってはハナを取ってもいいくらいの流れも考えられ、スローペースの切れ味勝負に付き合わなければ能力、適性の高さで本馬が最も勝利に近い存在と言える。

アスコリピチェーノもルメール騎手のお手馬だが、本馬に騎乗する点も好材料。ルメール騎手であれば本馬のリズムで走ることを優先し、前走内容から控える競馬が向かないことも頭に入っているはず。ここは叩きのレースだが二冠牝馬として負けられない。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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