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【愛知杯】キーワードは「差し」と「距離短縮」 チェルビアットの1400m戻りに注目

2026/03/15 18:00
勝木淳
16年以降の中京芝1400mデータから見る愛知杯,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

昨年は超ハイペース

愛知杯は昨年、1月の芝2000mから春の芝1400mに変更され、京都牝馬ステークスの立ち位置に収まり、さらに3月に移ったことでヴィクトリアマイルの前哨戦という看板も掲げた。

昨年の愛知杯はスプリンターのテイエムスパーダが参戦したことで前半600m32.7の超ハイペースになり、ラスト400mで12.1-12.0と時計を要した。勝ったのは4角13番手のワイドラトゥール。このコースの古馬上級条件で追い込みが決まったのは昨年の愛知杯を含め5例だけで、2012年以降の数字であると考えると、決して多くない。

反面、3歳限定だと6例。スプリント寄りの適性の持ち主が出走できる条件が少ないため、なんとか距離をもたせてほしいという願いとともに送り出される。どうもこれがハイペースを呼ぶ。

昨年の愛知杯も同じパターン。顔ぶれによって展開は大きく動く。そんなコースの特徴を頭に入れつつ、コースデータをみていこう。データは2016~2025年に中京芝1400mで行われた古馬3勝クラス以上の計27レースを使用する。


人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気【5-6-5-11】勝率18.5%、複勝率59.3%と勝率ベースでみると、ほどほどといったところ。2番人気【4-3-5-15】勝率14.8%、複勝率44.4%など、6番人気【3-2-0-22】勝率11.1%、複勝率18.5%まではさほど成績は変わらない。

5番人気【6-2-2-17】勝率22.2%、複勝率37.0%に山があるなど、すんなり決着しないイメージが強い。ちなみに昨年の愛知杯は10番人気、3番人気、1番人気。単勝がついたので波乱決着といえばそうだが、人気馬もそれなりに結果を出した。


所属別成績,ⒸSPAIA


所属別では、美浦【2-4-4-78】勝率2.3%、複勝率11.4%に対して栗東【25-23-23-221】勝率8.6%、複勝率24.3%。関西の第3場の中京なので、関西優勢は納得できる。

それにしても、関東馬2勝は少ない気がしてならない。勝ったのは2番人気と3番人気の2頭。関西馬に混ざっても上位人気に推されるような実力馬でないと厳しい。少数精鋭の関東馬は人気で判断してもいい。


スペシャリスト重視も一発なら距離短縮

今年も1200m中心のスプリンターの名があり、ペースがどうなるか難しい。極端に飛ばすタイプは見当たらなく、ハイペースはないような気もするが、枠の並びや各陣営の戦略いかんによって流れは変わる。展開読みとは本当に難しいものだ。


位置取り別成績,ⒸSPAIA


冒頭に書いたように、このコースで追い込みは簡単ではない。ただし、中団に控え、後半勝負にかけるような馬は【14-9-13-104】勝率10.0%、複勝率25.7%と悪くない。

逃げ【2-2-2-21】勝率7.4%、複勝率22.2%に先行【8-9-8-81】勝率7.5%、複勝率23.6%なので、好位に控えるぐらいなら問題ないが、急坂を上がった残り200mで差し馬勢が押し寄せる。やはり最後の坂を越えてひと腰残せる脚力と粘りがほしい。


前走距離別成績,ⒸSPAIA


前走距離をみると、1400m【15-17-20-152】勝率7.4%、複勝率25.5%、1400m超【7-2-3-71】勝率8.4%、複勝率14.5%、1400m未満【5-8-4-78】勝率5.3%、複勝率17.9%。分母を踏まえると同距離が優勢も、距離短縮が勝ち切る傾向にあり、距離延長の複勝圏が高い点はおさえたい。

スペシャリストが出現しやすい距離なので、距離にこだわる馬たちを評価し、短縮組の一発にかける感覚がおもしろい。


前走1400m超・着順別成績,ⒸSPAIA


そこで、距離短縮組の狙いどころを探る。短縮かつ前走二桁着順は【0-0-0-33】であり、さすがに得意距離で一変といっても大敗後だと難しい。

2、3着【2-1-1-0】が理想で、5着以内【5-1-2-15】も許容範囲。6~9着は【2-1-1-22】勝率7.7%、複勝率15.4%。好走馬は出ているものの、狙うにはギャンブル感覚が必要だ。今年はチェルビアットを評価し、ソルトクィーンあたりが一発候補だろうか。

チェルビアットは3歳時にフィリーズレビューで2着があり、1400mは悪くないが、そうはいっても1600m未満の出走は約1年ぶり。前半のペースへの対応がカギになるだろう。


16年以降の中京芝1400mデータから見る愛知杯,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。

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