【阪神大賞典】アドマイヤテラ&シュヴァリエローズに複勝率58.3%の逆襲データ 混戦模様で新勢力にも一考

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勝ち馬はすべて4番人気以内
阪神大賞典というレース名を目にすると、いよいよ春本番。GⅠが近いことを自覚する。数々の名勝負が繰り広げられた阪神大賞典も今年で74回目。阪神の3000mは長距離戦のなかでも非常にタフなコースであり、最後は力差がくっきり出る。
過去10年で1、2着馬の最小着差は22年ディープボンドの0.1差。3/4馬身差であり、タイム差なしの接戦となると、10年トウカイトリックまでない。滅多に写真判定にならない重賞だが、今年はもしかすると接戦になるかもしれない。それほど混戦のメンバー構成だ。そういった意味ではデータの盲点が出現する可能性も頭に入れておきたい。
ここからは過去10年分のデータを使用して今年の阪神大賞典を展望する。

人気別では1番人気【4-1-2-3】勝率40.0%、複勝率70.0%、2番人気【3-2-0-5】勝率30.0%、複勝率50.0%、3番人気【2-0-2-6】勝率20.0%、複勝率40.0%と推移し、勝ち馬は4番人気以内。人気薄の一発という場面は想定しにくい。
複勝率でみても、6番人気【0-2-0-8】複勝率20.0%まで。それ以下の好走もあるので、まったくないとは言いがたいものの、積極的に狙いたくなるような数字ではない。

年齢はやはり主力世代が中心で、4歳【5-4-2-13】勝率20.8%、複勝率45.8%、5歳【3-4-4-19】勝率10.0%、複勝率36.7%が強力。特に4歳の数字がよく、この時期に3000mに舵を切ってくる4歳馬は陣営がステイヤー適性を見込んでいる証拠であり、長距離実績がある馬は当然評価すべき対象になる。
一方で6歳も【2-2-4-20】勝率7.1%、複勝率28.6%と元気で、ベテランも長距離なら経験で太刀打ちできる。特に6歳の複勝回収値は189と高く、どうしても穴目を狙うなら6歳がよさそうだ。
巻き返しより連続好走が基準
実績上位は目黒記念を勝ったアドマイヤテラ、ステイヤーズSなどを勝ったシュヴァリエローズあたりだろう。白富士Sを勝ったダノンシーマなど例年より挑戦者的立場の馬たちが多いのも今年の特徴だ。

前走レース別成績では、まずは前走GⅠ【5-4-3-9】勝率23.8%、複勝率57.1%からみていこう。主要ルートは前走有馬記念【4-4-2-6】勝率25.0%、複勝率62.5%。6着以下も【2-3-2-5】勝率16.7%、複勝率58.3%と高く、10着シュヴァリエローズ、11着アドマイヤテラの巻き返しは普通にある。

GⅠ以外の重賞組の内訳も確認する。頭数が多いのは同じ長距離のダイヤモンドS【1-2-2-15】勝率5.0%、複勝率25.0%。ここは着順でくっきり区別できる。4着以内なら【1-2-2-5】だが、6着以下【0-0-0-8】。同じ長距離といえど、阪神大賞典で結果を残すには好走が条件になる。
日経新春杯は【1-0-2-9】勝率8.3%、複勝率25.0%。こちらはもっと好走ゾーンが狭く、1、2着【1-0-1-3】と勝ち負けレベルでないと厳しい。ファミリータイムはこの狭い条件をクリアしており、有力だろう。ほかAJCCなども考え方は同じで、中距離重賞で負けて、得意の長距離で巻き返すという例は少なく、基本は好走していないと難しい。
長距離つながりでいえば、前走万葉Sも注目したいが、ここは【0-0-1-10】複勝率9.1%と好走自体が少ない。22年シルヴァーソニックが連続3着だっただけだ。1着馬【0-0-0-5】であり、万葉Sを制し、勇躍ここで重賞をという考えが結果に結びつかない。
例年の図式なら「阪神大賞典だけは別」という考え方でいいが、今年はそれほどの実績上位馬の姿がない。過去のシナリオが通用しない可能性も考えた方がよさそうだ。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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