【フェブラリーS】マイル適性高いシックスペンスが本命候補 対抗はラムジェット

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今年は先行馬に注目
フェブラリーステークスの舞台となる東京ダート1600mは最初のコーナー(=3角)までの距離が長いため、先行争いが激化するとペースが上がりやすい。過去10年で見ても、かなりのハイペースとなったのが6回もある。
一方、逃げ馬が楽にハナを切れば平均ペースに落ち着く。今回はダブルハートボンド、シックスペンス、ナチュラルライズと比較的テンの速い馬が出てくるが、ダブルハートボンドは2番手でも折り合えるタイプ。シックスペンスは前走のチャンピオンズカップでは外枠で前に馬を置くことができず、掛かって逃げ馬に競りかけて失速しているので、内枠の今回は前に馬を置く形で折り合う競馬をする可能性が高い。
となると、ここはナチュラルライズの逃げの可能性が高まる。前走の東京大賞典では掛かって前半3F35秒4のオーバーペースとなったが、1600mなら前半3F35秒台半ばで逃げたとしても、ペースとしてはそこまで速くない。ここは平均ペース前後の逃げとなり、先行馬が活躍するレースに期待する。
能力値1~5位の紹介

【能力値1位 ダブルハートボンド】
通算8戦7勝。唯一の敗戦は昨夏のブリーダーズゴールドカップ2着で、この時は1番枠から積極的に出して逃げたところをオーサムリザルトに競られ、6F通過は73秒8、後半4F52秒9に3F40秒4というかなりのハイペースで苦しくなったもの。
その次走、2走前のみやこSで重賞初制覇を果たすと、前走のチャンピオンズCでGⅠ馬となった。
前走は2番枠からまずまずのスタートを切り、逃げ馬の外2番手を確保。少し外に出して外の馬たちを簡単に行かせないようにしていたが、1~2角で外から主張してきたシックスペンスを行かせて3番手を追走。道中はやや離れた3番手で進めた。
3~4角で前2頭が大きく減速したなか、仕掛けを待ちながら並びかけて直線へ。序盤で追われて伸びると先頭に立ち、ラスト1Fで内から伸びたウィルソンテソーロとの一騎打ちをハナ差で制した。
当時は標準馬場で、前後半4F48秒0-49秒9というかなりのハイペース。後方有利の展開を3番手から押し切り、自己最高指数を記録したことは高評価できる。
今回は前走よりも展開に恵まれそうな点は歓迎材料だが、前走が消耗度の高い内容だっただけに、余力という面で不安が残る。
【能力値2位 ラムジェット】
一昨年の東京大賞典では、あのフォーエバーヤングと0秒3差まで迫った馬。同レースでは3番枠から出遅れ、中団やや後方の最内を追走。向正面で最内から押しながら、2列目に進出して3角に入った。
3~4角では最内から逃げ馬の後ろまで上がって直線へ。序盤で最内を突いて2番手に上がったが、ラスト1Fで早めに抜け出したフォーエバーヤングに離され、外からウィルソンテソーロにも差されて同馬とクビ差の3着という結果だった。
当時は前後半5F63秒0-61秒9のスローペースで、前有利の展開。早い段階で2列目を取ったことで、展開には恵まれた。
それ以降は不振に陥るも、ブリンカーを着用した昨秋のみやこSでは出遅れて後方から追走に苦労しながらも、レコード決着のなかで4着と善戦。そして前走のチャンピオンズCも3着と健闘した。
前走も7番枠から出遅れ、押して挽回したが序盤は後方馬群の中目まで。道中では後方中目で進め、4角で外に誘導したところで外から上がったメイショウハリオに蓋をされる不利があった。
直線序盤ではメイショウハリオが抜け出すのを待ってからの仕掛けとなり、ラスト1Fで同馬を何とかアタマ差で捉えたが、エンジンの掛かりが遅い本馬にとってこの仕掛け遅れが痛かったのは確かだ。
本馬はここでは能力上位。一昨年の東京大賞典の走りができればここでも上位争いに加われるが、ゲートも二の脚も遅く、1600mだとかなり後方からの追走になりそうな点がネックとなる。
ハイペースになれば馬券圏内に届く可能性も高まるが、平均ペースくらいだとエンジンが掛かり切らずに終わるリスクもあるので対抗評価までとした。
【能力値3位 ブライアンセンス】
昨年のマーチSではロードクロンヌをクビ+クビ差の3着に下して重賞初制覇を達成した実力馬だが、以降はちぐはぐなレースで苦戦が続いた。
昨年の平安Sは10番人気の逃げ馬が3着に粘る前有利の展開を出遅れて中団馬群に突っ込み、3~4角で包まれて動けず仕掛けが遅れる不利。続くエルムSは4角で中団の外を回るロスを作り、直線序盤でも内から接触を受けて外に弾かれる致命的な不利があった。
さらにその後のシリウスSは58.5kgのハンデに泣いて0秒4差の5着まで。みやこSではレコード決着を外から早めに進出するロスがあった。
そんななか、ついに本領を発揮したのが2走前の師走S(L/中山ダ1800m)だ。トップハンデ58.5kgを背負いながら、後続に6馬身差で圧勝した。
その2走前は14番枠から五分のスタートを切り、コントロールしながら無理なく挽回して好位の外を追走。向正面でもじわっと押し上げて、3角では2列目の外を確保する。
3~4角でも押し上げ、4角出口では先頭に立つかの手応え。直線序盤でそのまま突き抜けて2馬身のリードを奪うと、ラスト1Fではその差を広げて後続に1秒0差の楽勝だった。
当時は標準馬場で、前後半5F50秒0-49秒6の平均ペース。6馬身差をつけた2着馬ヴァルツァーシャルが次走のポルックスSでも2着に善戦しているように、決して相手が弱かったわけではなく、ここでは前記のマーチSを上回る自己最高指数で勝利している。地力をつけているのだろう。
前走のプロキオンSも4着。ここでは上手く中団最内を立ち回りながら馬券外に敗れたが、自己最高指数を記録した後の一戦でも大きな反動が出ることなく善戦したことは高評価できる。
ただし、本馬は上がりの掛かる中山ダ1800mがベスト。東京ダ1600mでスピードも求められるとなると、不安もある。
【能力値4位タイ ウィルソンテソーロ】
昨秋のマイルチャンピオンシップ南部杯は休養明けながら圧勝。ここでは11番枠から五分のスタートを切り、押して好位直後の中目付近を追走。道中ではコントロールして、好位馬群の中で脚を温存した。
3角でシックスペンスが勝負に出て先頭列が横に広がると、2列目に上がって4角出口では外に誘導。直線序盤ではすっと伸びて先頭列に並びかけ、ラスト1Fでそのまま抜け出して0秒6差で圧勝した。
当時の盛岡は高速馬場で、前後半4F46秒4-47秒9のハイペース。差し有利の展開に恵まれているが、それでも4角出口で外に誘導してからの手応えは他馬と一線を画しており、上がり3Fタイムも2位のシックスペンスを0秒8も上回るものだった。
加えて、ここでは一昨年秋のJBCクラシックと同等の自己最高指数をマーク。本馬は1800mもこなせるが、最後に甘さを見せるところがあるので、現状のベストは1600mだろう。
2走前のJBCクラシックは5着に敗れているが、当時は休養明け好走後で疲れ残りの一戦。また1600mを使われた後だったこともあり前進気勢が強く、やや掛かりながらの追走。船橋のタフな馬場で前後半4F48秒2-51秒4のかなりのハイペースとなったため、最後は苦しくなった。
しかし、前走のチャンピオンズCでは同レース3度目の2着。後方有利の展開に恵まれながらハナ差で敗れたが、実力があることは証明できている。今回は前走を目標にした後の始動戦になるが、マイルの距離なら崩れないだろう。
【能力値4位タイ ロードクロンヌ】
芝では5戦して未勝利だったが、一昨年の夏にダート路線に転向すると、未勝利から4連勝で一気にOP入り。重賞では2着、3着に善戦するもののなかなか勝てなかったなか、前走のプロキオンSで待望の重賞初制覇を達成した。
前走は13番枠からまずまずのスタートを切り、外のサンデーファンデーを行かせて2列目を確保。道中は2列目の外でコントロールしながら進めた。
3~4角で2頭分外から仕掛けを待ち、4角では加速させながら直線へ。序盤で2列目から2番手に上がり、サンデーファンデーとは3/4差。ラスト1Fでしぶとく伸びて、同馬をクビ差で競り落とした。
当時はタフな馬場で、前後半48秒7-49秒7のハイペース。差し有利の展開を正攻法の競馬で完勝したことは褒められる。
昨年のマーチSでは、前後半4F48秒7-50秒6(標準馬場)というかなりのハイペースを押していくと、かなり掛かかって2番手追走からブライアンセンスと0秒1差の3着。当時は折り合いに課題を抱えていたが、近走では上手く折り合えている。
近走の内容ならどの位置からでも競馬ができるが、本馬は上がりの掛かる競馬でしぶとさを生かすのがベスト。前走から1Fの距離短縮で前の位置が取れず、ペースも上がらずにダブルハートボンドやシックスペンスよりも後ろからの運びとなった時には、伸び負けしてしまう不安がある。
本命候補はシックスペンス
シックスペンスは昨秋のマイルCS南部杯で初ダートながら2着と好走。ここでは14番枠から五分のスタートを切り、しっかり出して中団の外。そこから軽く促して好位の外に進出すると、道中でもじわじわと押し上げ、先頭列に近い2列目付近で3角に入る。
3角では3頭分外、4角では2頭分外から食らいついて3番手で直線へ。序盤で前2頭を捉え、ラスト1Fでは抜け出しかけたが、外から一気にウィルソンテソーロに突き抜けられて0秒6差の2着だった。
当時の盛岡は高速馬場で、前後半4F46秒4-47秒9のハイペース。差し有利の展開だったが、3~4角で一番外を回るロスを作りながらも最後までしぶとさを見せた。
前走のチャンピオンズCでは11着に敗れたが、外から掛かって逃げ馬に競りかけていく形となり、ハイペースを演出して最後は失速してしまった。
本馬は中山記念など芝では1800mの重賞で3勝している一方、日本ダービーでは9着に敗れているように、ダートでは1800mでも距離不安がある。今回の距離短縮は好感だ。
ハイペース想定ならラムジェットを本命にしたかったが、今回はそこまでペースが上がらず、前からでも押し切れる展開になると見ている。5番枠なら好位の内で脚を溜められるとみて、巻き返しに期待してシックスペンスを本命に推す。
※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)ダブルハートボンドの前走指数「-36は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも3.6秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補
《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
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