【クイーンC】阪神JF2着のギャラボーグ中心 好材料そろう関東馬ドリームコア、モルニケらも注目

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近年は関東馬の主要ルート
本格派マイラーを育む東京芝1600mで行われる3歳牝馬限定戦、クイーンCは将来性あふれる馬たちを輩出する一方で、桜花賞につながらないという悩みを抱えていた。
だが、2022年2着スターズオンアースと昨年優勝のエンブロイダリーがクイーンCから桜花賞馬に輝き、歴史の扉を開いた。共通するのはどちらも関東馬であること。過去10年で関東馬は桜花賞5勝。一時期は桜花賞で関西馬に勝てなかったが、近年は互角に渡り合っている。
かつては輸送のハンデがあるといわれ、アパパネで有名になった栗東留学やグランアレグリアの本番直行など様々な工夫が施されてきた。
もうひとつの打開策がクイーンC。関東圏の3歳牝馬限定戦を使えば、本番も合わせ、関西まで2度輸送しなくて済む。まして東京マイルで実力を証明できれば、自信をもって西下できる。
逆に関西馬が地元のトライアルではなく、ここに出走する場合、わざわざ輸送競馬を経験させることになる。もちろん、オークスの予行演習になるが、その前の桜花賞までに疲労をとりきれるかどうかわからない。
先が見えないのは競馬の常ではあるものの、リスクを背負うのは事実。4月12日に生涯最高の状態にもっていくまで陣営の苦労は絶えない。クイーンCはそんな苦心のなかから生まれた打開策の一つとして注目を集めている。
ここからは過去10年分のデータを使用し、今年のクイーンCを展望する。

人気別では1番人気【4-1-1-4】勝率40.0%、複勝率60.0%、2番人気【3-2-1-4】勝率30.0%、複勝率60.0%、3番人気【2-1-2-5】勝率20.0%、複勝率50.0%と上位人気は非常に強力。1~3番人気のうち前走阪神JF3着以内だと【2-2-0-2】。暮れのGⅠ好走馬は人気になっても逆らえない。
以下、5番人気【0-3-0-7】複勝率30.0%、6番人気【1-0-2-7】勝率10.0%、複勝率30.0%が目立つぐらい。人気薄の激走はポツポツみられるものの、上位人気を脅かすまでには至っていない。

キャリアでみると、1戦は【1-3-1-20】勝率4.0%、複勝率20.0%とやや苦戦。さすがに1戦1勝で東京マイルの重賞を勝つのは容易ではない。
前走が1600m新馬1着馬は【1-3-0-12】勝率6.3%、複勝率25.0%。東京芝1600m【1-1-0-3】、京都芝1600m【0-2-0-0】、中山芝1600m【0-0-0-7】。モートンアイランドら東京芝1600m組や京都芝1600m経由のニシノサリーナは評価しよう。
昇級馬は前走東京を重視
人気の中心は阪神JF2着ギャラボーグとベゴニア賞を勝ったドリームコアだろう。人気先行の感があるマルガはここで復活できないと、桜花賞への道はさらに険しくなる。距離短縮だった前走つわぶき賞の成果はどう出るか。注目したい。

キャリア2戦以上では3戦【4-4-3-22】勝率12.1%、複勝率33.3%にデータの山がある。以下、4戦が【3-2-4-22】勝率9.7%、複勝率29.0%であり、2歳戦で実戦経験を積んでいることが好走条件になる。
その前走内訳は重賞が【4-5-7-37】勝率7.5%、複勝率30.2%で、1勝クラス【3-2-1-33】勝率7.7%、複勝率15.4%、未勝利【2-0-1-18】勝率9.5%、複勝率14.3%と続く。重賞とそれ以外は勝率では、互角。昇級はハンデとはいえない。
重賞組では前走阪神JFが【2-2-3-14】勝率9.5%、複勝率33.3%。3着以内のほかには6着以下が【0-0-3-10】。二桁着順からの巻き返しもみられる。
なお、二桁着順から3着に好走した2頭はどちらも関東馬であり、地元のアドバンテージを味方につける。国枝栄厩舎のヒズマスターピースも師の引退が重なり、過剰人気になりそうだが、候補に残そう。
ほか、重賞ではフェアリーSが【1-2-2-17】勝率4.5%、複勝率22.7%。6~9着【1-0-1-7】勝率11.1%、複勝率22.2%で、忙しい中山マイルからゆったり運ぶ東京マイルで上昇するイメージだ。モルニケも東京での変わり身を期待できる。

前走1勝クラスの競馬場別成績は一目瞭然。東京【3-1-1-7】勝率25.0%、複勝率41.7%が断然。東京の経験を味方につけないと、昇級馬は厳しい。
ドリームコアは確かに対抗馬になり得る。ベゴニア賞はスローの瞬発力勝負になり、後半800m11.9-11.4-11.2-11.5を勝ち切った。重賞になり、頭数が増えるので、そっくりそのままとはいかないが、東京芝1600mでの競馬ぶりは魅力を感じる。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
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