【フェアリーS】ディープ内包馬は単回収率159% 好相性の“二大血統”に該当する注目2頭

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傾向解説
3歳牝馬限定重賞・フェアリーS。中山芝1600mは上級条件が行われるマイルコースでは唯一直線距離が短いコースで、さらに前半は下り坂が続くことからハイペース戦になりやすい点も大きな特徴です。
そのため、多くの中山マイル重賞はハイペース戦に強い血統馬の活躍が目立ち、逆にディープインパクト系などの主流血統馬が持ち味を発揮しづらい舞台でもあります。
しかし、フェアリーSでは古馬重賞のような激流になることは少なく、後傾ラップを刻むことも少なくありません。その結果、芝中長距離に強い主流血統馬も能力を発揮しやすく、さらに2~3歳牝馬路線の共通傾向である”1500m以下<1600m以上”のカテゴリーレベルも影響し、前走1600m以上からのローテーションが優秀な成績をあげています。

<前走距離別成績(過去10年)>
1500m以下【1-3-4-43/51】
勝率2.0%/連対率7.8%/複勝率15.7%/単回収率10%/複回収率55%
1600m以上【9-7-6-85/107】
勝率8.4%/連対率15.0%/複勝率20.6%/単回収率116%/複回収率75%
血統面でも前述の通り日本の主流血統馬の活躍が目立ち、その代表格が大種牡馬ディープインパクトです。直仔がいなくなった近年も後継種牡馬や繁殖牝馬の仔が多数好走しており、2023年にはディープインパクト内包馬の上位独占により三連単517,430円の波乱を演出しました。
また、キングカメハメハの血を持つ好走馬も多く、2017年10番人気1着ライジングリーズン(母父キングカメハメハ)や2025年9番人気3着エストゥペンダ(父サートゥルナーリア)など穴馬の好走馬も多数輩出しています。特に、もう一方の親にディープインパクトの血を併せ持つ馬は5頭中3頭が馬券圏内に好走しており、大注目の二大血統といえるでしょう。

<血統別成績(過去10年)>
ディープインパクト内包【4-2-3-25/34】
勝率11.8%/連対率17.6%/複勝率26.5%/単回収率159%/複回収率102%
キングカメハメハ内包【2-4-3-25/34】
勝率5.9%/連対率17.6%/複勝率26.5%/単回収率126%/複回収率107%
注目血統馬
前章で取り挙げた傾向に合う注目血統馬を2頭ピックアップしました。
☆マカレイ
母母ダイヤモンドディーバは北米の芝マイル重賞2勝馬。繁殖牝馬としては2021年府中牝馬S勝ち馬シャドウディーヴァを出し、本馬の母ハウメアも芝1200~1600mで5勝を挙げました。キングカメハメハ×Dansili譲りの恵まれた馬格を産駒にも伝え、Graustark=His Majestyの6×5由来の底力も継承しています。
キズナ×キングカメハメハの組み合わせはフェアリーSにもピッタリで、適性面についてはメンバー中随一の一頭です。
☆トワニ
母母ウォートルベリーは欧州の中長距離重賞3勝馬で、きょうだいにも2008年サンタラリ賞勝ち馬Belle Et Celebreなど重賞勝ち馬が複数いる良血馬。また、母イニシャルダブルの半兄には2012年ユニコーンS勝ち馬ストローハットがおり、本馬の半姉アネゴハダも芝短距離重賞で3度の3着がある活躍馬です。
リオンディーズ産駒の本馬はNureyev≒Sadler's Wellsの5・4×5を持つ反面、母父ウォーエンブレムがNorthern Dancer血脈を1本も持たない配合のバランスも◎。瞬発力勝負では分が悪く、マイル前後での上がりのかかる競馬がベストではないでしょうか。中山芝1600mへの条件替わりは間違いなくプラス材料です。

《ライタープロフィール》
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。2023年11月には本島修司氏との共同執筆で『競馬の最高戦略書 予想生産性を上げる人の取捨選択の技術』(主婦の友社)を出版。
現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。
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