【注目2歳馬】中団追走からノーステッキで差し切る好内容 キタサンブラック産駒の牝馬プラウディッツ

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
母は現役時代アメリカでGⅠ勝利
週末に撮影したレースから印象に残った馬を紹介する「注目2歳馬」。先週末は土曜日が中山、日曜日が阪神というスケジュールだったが、雨や風の影響で実際の気温より肌寒さも感じた2日間でもあった。
今回取り上げるのは、12月20日の中山5Rの芝2000m新馬戦。勝利したのはC.ルメール騎手が騎乗したプラウディッツだ。
田中博康厩舎が管理するキタサンブラック産駒の牝馬で、母は現役時代にアメリカのダート7ハロンのGⅠ・デルマーデビュタントSを含め重賞2勝、通算5戦3勝という成績を残したプリンセスノーア。サンデーサラブレッドクラブで総額7000万円(一口175万円)で募集された。
2000m以上が合いそうなタイプ
11月中旬からじっくりと厩舎で調整され、当日の馬体重は474kg。単勝2.3倍の1番人気に支持された。
大外16番ゲートから好スタートを決めたものの、序盤は自ら積極的に進んでいくところは感じられず、道中は中団11番手の追走となる。
先頭に目を向けるとウィリーズロック、サンライズマシュー、ニシノモリミチが半馬身間隔で並ぶ展開。ペースは12.8-11.2-12.8-13.1-12.7の1000m通過1:02.6と落ち着いた。
しかし、後半に入ると4番手にいたセシルブリュネがまくっていき、ペースが上がる。プラウディッツもそこから流れに乗って徐々にポジションを押し上げると、残り600mを迎えた4角では大外を回して6番手につけて直線へ。
残り200mを切って坂を駆け上がるところで粘るセシルブリュネに迫り、残り100mで先頭に立つと最後までノーステッキのまま後続に1.3/4馬身差をつけ、余裕十分での勝利だった。
良馬場発表ながら午前中から小雨が降る時間もあったなか、勝ちタイム2:01.8は新馬戦としてはまずまずのタイム。すらっとした馬体の持ち主で、前半の行きっぷりなどを見ても距離は2000m以上あったほうが良いタイプだろう。今後も焦らずじっくりと使われていけば、重賞も狙っていけそうな素質は感じさせた。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ひいらぎ賞はターコイズSを上回る好タイム
同じ日の中山9Rに組まれた芝1600mの2歳1勝クラス・ひいらぎ賞。8月の札幌芝1800m新馬戦で1:47.2というレコードタイムを叩き出し、後続に5馬身差をつけて勝利して以来の出走となったリオンディーズ産駒クレパスキュラーがデビューから連勝を飾った。
最内枠からスタートを決め、一旦は中団までポジションを下げていたが、2角から向正面に入ったところで掛かって3番手まで進出。そのパワーはコンビを組んだルメール騎手を以てしても抑えるのが難しいほどだった。
勝負所を迎えるところでは息を入れることができ、直線で外に持ち出されると力強く突き抜け、後続に2馬身半差をつける快勝。前半800m通過46.5(12.4-11.1-11.4-11.6)は同日の牝馬限定重賞・ターコイズSと全く同じ通過タイム(12.4-11.0-11.3-11.8)で、重賞を0.1秒上回る1:32.9という好タイムを記録した。
相手関係以上に、いかにして道中の気持ちをコントロールして走ることができるかという大きな課題は残るが、相当なポテンシャルは秘めていることは間違いない。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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