【阪神C】ナムラクレア連覇の可能性は? 1400m巧者ダノンマッキンリーに好機

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豪華メンバーで競う暮れの名物重賞
関西圏の今年最後の重賞は、おなじみ阪神カップ。本賞金6700万円はGⅠを除くマイル以下の重賞でもっとも高い。さらにGⅡでは札幌記念とこのレースだけが定量戦で行われ、短距離志向のGⅠ馬にとっては目標にもしやすい。
9月のスプリンターズステークスが終わると香港以外は距離を大きく延ばすしかない短距離界にとって、12月の芝1400m定量戦は年内最後の大勝負。毎年激戦が予想され、見応えたっぷりの重賞だ。レースは2024年の京都開催を含む過去10年分を使用する。

ハイレベルな一戦らしく人気も上位拮抗。1番人気【3-0-2-5】勝率30.0%、複勝率50.0%、2番人気【1-3-2-4】勝率10.0%、複勝率60.0%、3番人気【2-2-1-5】勝率20.0%、複勝率50.0%と互角。4番人気以内8勝と人気の差はほぼない。
穴目は10番人気以下【1-0-3-77】勝率1.2%、複勝率4.9%がおもしろい。複穴で大きいのを引き、上位人気と組み合わせれば、予想外の好配当にありつける。有馬記念の資金をきっちり確保したい。

年齢も確たる傾向はなく、3歳【3-3-3-18】勝率11.1%、複勝率33.3%、4歳【3-1-2-26】勝率9.4%、複勝率18.8%、5歳【2-5-4-42】勝率3.8%、複勝率20.8%と3世代の差はほぼない。6歳は【1-0-0-24】勝率、複勝率4.0%と厳しくなるので、まずはこの3世代中心に考えたい。
距離巧者ダノンマッキンリー
スプリンターズS2着ジューンブレアは展開面でもカギ。ハイペースだった京阪杯に2着ルガル、3着ヨシノイースターとスプリンターが中心だ。
連覇を狙うナムラクレアも前走スプリンターズS3着であり、チャンス。1400m組ではオーロCを勝ったフォーチュンタイム、マイル路線からはキャピタルSを勝ったミッキーゴージャスが挑む。


豪華GⅡらしく、前走クラス別ではGⅠが【5-6-5-36】勝率9.6%、複勝率30.8%と主要ルート。なかでも前走スプリンターズSは【2-2-1-13】勝率11.1%、複勝率27.8%。その着順内訳は3、4着【2-0-0-2】であり、まず好走馬から。ナムラクレア、ジューンブレアはこのパターンだ。
また、6~9着も【0-1-1-2】と敗退馬も馬券圏内は十分考えられる。ダノンマッキンリーも買い目に入れておこう。1400m重賞2勝の実績があり、距離延長で前進あるのみ。
前走京阪杯は【1-0-1-16】勝率5.6%、複勝率11.1%で、3着以内【1-0-1-6】、5着以下だと【0-0-0-10】と好走ゾーンは狭い。
今年買うならルガルかヨシノイースター。少し好走確率が低く、ローテーション的にちょっと詰まった感もある。体調面をじっくり判断したいところだ。

前走オープン・リステッドは【1-1-1-41】勝率2.3%、複勝率6.8%。こちらは好走確率こそ高くないものの、傾向は明確だ。
まず1400m【1-1-1-16】勝率5.3%、複勝率15.8%に対し、それ以外は【0-0-0-25】。さらに1400m5着以内【1-1-1-8】、6着以下【0-0-0-8】で掲示板以内なら確率も上昇する。
これを当てはめるとオーロCを勝ったフォーチュンタイムはいいが、7着グレイイングリーンは割引。また、キャピタルS組は苦戦を強いられる。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 伝説のグランプリホース』(ガイドワークス)に寄稿。
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