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【朝日杯FS】好走率が高い“1、2月生まれ” デイリー杯2歳S組アドマイヤクワッズ、カヴァレリッツォに注目

2025/12/16 17:00
貴シンジ
朝日杯FSの生まれ月別成績(過去10年),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

3つのファクターから推奨馬を見つけ出す

今回は12月21日(日)阪神競馬場で行われる朝日杯フューチュリティステークスについて下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。

・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」

特別登録のあった18頭を検討対象とし、過去10年のデータを使用する。

重要データ:生まれた月が重要

生月別成績,ⒸSPAIA


朝日杯FSは前週に行われた阪神JF同様に、阪神芝1600mで行われる2歳牡馬のマイル王を決める一戦だ。牝馬でも出走可能ではあるが、ホープフルSや阪神JFではなく朝日杯FSを使うという馬はなかなかいない。

朝日杯FSで重要視したいデータが生まれた月だ。血統により違いはあれど2歳のこの時期の牡馬は牝馬に比べると、まだまだ競走馬として仕上がっていない傾向が強い。

生まれた月によるデータは非常に有効。1月生まれ【2-2-1-5】は複勝率50.0%、2月生まれが【4-5-3-32】で複勝率27.3%、3月生まれ【2-3-3-41】で複勝率16.3%、4月生まれが【1-0-3-44】で複勝率8.3%、5月生まれが【1-0-0-10】で複勝率9.1%となっている。

傾向として1、2月生まれの馬はかなり好走しているのに対し、3、4、5月生まれの馬は苦戦傾向だ。これは2歳のこの時期の牡馬であれば当然のデータだが、明確な傾向なので頭に入れておきたい。上位人気が予想されるリアライズシリウスは3月生まれのため、やや割引が必要かもしれない。

【1月、2月生まれの出走予定馬】
・アドマイヤクワッズ
・カヴァレリッツォ
・ゴーゴーリチャード

前走内容;デイリー杯2歳ステークス

今年のデイリー杯2歳ステークスは例年通り少頭数ながらも、勝ち時計は1分33秒1でかなり優秀なことからレベルが高いことがわかる。この日の京都競馬場は極端に時計が出ていたわけではないため、尚更価値は高い。

レースのラップは前半4F46.5秒、後半4F46.6秒でほぼイーブンな流れ。隊列の長さを考えても地力が問われる展開。直線は内側が荒れていたため、内側を走った馬にはしんどいレースだった。

しかし、勝ったアドマイヤクワッズは最内を差してきた。また2着も内目を走っていたカヴァレリッツォで、3着には5馬身離しての決着だったことから、2頭が抜けて強いことは言うまでもない。

アドマイヤクワッズは荒れた内から差してきたこと、カヴァレリッツォは道中やや行きたがる面を見せたことを考えると、両馬ともまだ上積みはありそう。今年はデイリー杯2歳Sの1、2着馬が強そうだ。

血統解説:カヴァレリッツォ

カヴァレリッツォの血統表,ⒸSPAIA


・カヴァレリッツォ
日本での牝祖は祖母バラダセール。同馬はアルゼンチン産馬で競走馬としても優秀。現役時はセレクシオン大賞(GⅠ・ダート10F)を11馬身差で快勝。その他にもポージャデポトランカス大賞(GⅠ・ダート8F)を勝利している。

アルゼンチンのファミリーのためダートが主戦場ではあったが、ファミリーからはエストレジャス大賞スプリント(GⅠ・芝5F)勝ちのLa Baracaやサンイシドロ大賞(GⅠ・芝8F)3着のLevy'sも輩出しており、芝への適性も見いだせるアルゼンチン牝系だ。

日本に入ってきてバラダセールにディープインパクトをつけた産駒が弥生賞勝ち馬サトノフラッグと阪神JF、桜花賞でそれぞれ2着のサトノレイナスだ。芝適性の高い種牡馬をつけると十分に日本の高速馬場にも対応できる産駒が生まれており、活力の高いファミリーと言える。

母バラーディストはハーツクライ×バラダセールという組み合わせで現役時代はダート1700~1800mで3勝。持続性能の高さはファミリー譲りで、早熟性があったのもこの一族の特徴。ハーツクライをつけた牝馬だったため、芝向きに出る可能性の方が高かったがスピードタイプのダート馬になった。

カヴァレリッツォは父にサートゥルナーリアを迎えた。こうなると適性は完全に芝。前走で少し掛かってしまったように距離はもう少し伸びた方が良さそう。そのためホープフルSという選択肢もあったと思うが、中山よりは阪神向きのタイプでこちらを選んで正解だろう。

前走時点で馬体の完成度は高く、持続性能の高さで早め抜け出しを狙うのが本馬のパターン。前走は掛かったロスがあったが、馬群で我慢して競馬ができればアドマイヤクワッズを逆転しても不思議はない。

Cアナライズはカヴァレリッツォを推奨

今回のCアナライズではカヴァレリッツォを推奨する。デイリー杯2歳S組のアドマイヤクワッズとカヴァレリッツォはどちらも高評価だが、勝利している分アドマイヤクワッズの方が上位人気になる可能性が高い。

ならば同等評価のカヴァレリッツォを中心視する。アドマイヤクワッズも評価は高く、馬体の完成度も高いため、デイリー杯2歳S上位2頭で馬券を組むのも良いだろう。

【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。

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