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【阪神JF】実績最上位、重賞で見せた末脚信頼 東大HCの本命はタイセイボーグ

2025/12/13 17:00
東大ホースメンクラブ
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混戦模様の2歳女王決定戦

日曜日、阪神競馬場でGⅠ・阪神JFが行われる。2戦2勝のアランカールやマーゴットラヴミー、重賞で馬券圏内2回のタイセイボーグのほか、13分の7抽選を突破した1勝馬も多い構成となった。

ここ3年の勝ち馬はいずれも桜花賞で連対しており、翌年のクラシック戦線に向けても重要なこのレース。重賞勝ち馬がいない混戦を制するのはどの馬か。京都代替の昨年を除き、15~23年のデータから検討する。

差し有利

阪神JFの前走脚質別成績,ⒸSPAIA


<阪神JF 脚質別成績>
前走逃げ【1-0-0-21】勝率4.5%/連対率4.5%/複勝率4.5%
前走差し【4-4-3-34】勝率8.9%/連対率17.8%/複勝率24.4%
→3番人気以内【4-1-2-3】勝率40.0%/連対率50.0%/複勝率70.0%
重賞を上がり3F3位以内で連対
【7-2-8-22】勝率17.9%/連対率23.1%/複勝率43.6%

阪神JFは差しが有利なレース。逃げ馬は【1-0-0-8】で好走は19年レシステンシアのみ。先行【3-1-1-33】複勝率13.2%に対し、差し【4-6-7-45】同27.4%で倍以上の開きがある。とはいえ追込は【1-2-1-47】同7.8%で3番人気以内でも【1-2-0-4】と届かないケースが多い。「中団からいい脚を使える馬」を探すのが目標となる。

前走脚質を見ても、逃げていた馬は【1-0-0-21】と壊滅的。3番人気以内の逃げ馬は1頭しかいない点(15年メジャーエンブレム1着のみ)には留意したいが、逃げてきた馬には期待しづらい。前走1勝クラスを逃げ切った馬も【0-0-0-8】。2勝馬のヒズマスターピース、マーゴットラヴミー、ラスティングスノーもここでは難しいと見る。

前走先行は【4-3-5-54】複勝率18.2%、前走差しが【4-4-3-34】同24.4%でやはり後者が優勢だ。特に前走差しだった馬が3番人気以内なら【4-1-2-3】と勝率が高い。当日の人気次第でスターアニスが該当する。また、6番人気以下からも3連対しており、ファンタジーS2着ながら人気薄が想定されるショウナンカリスなどに注目したい。

今度は位置取りではなく上がりに注目。阪神JFでは上がり3F1位が【2-3-1-4】複勝率60.0%、2位が【4-0-2-2】同75.0%と優秀な成績で、3~5位は【1-6-5-18】同40.0%。6位以下は【2-0-1-109】と一気に好走率が落ちる。上位3分の1に入る末脚は出す必要がある。

過去の実績で言うと「JRA重賞を上がり3位以内で連対した馬」が【7-2-8-22】で複勝回収率100%超え。レース別ではアルテミスSが【3-1-1-6】複勝率45.5%、新潟2歳Sが【1-1-0-3】同40.0%だった。ミツカネベネラが前者、タイセイボーグが後者に該当しており、要注目だ。

一方、重賞以外での実績では足りず、「1勝クラスかオープン・リステッドを上がり3位以内で勝利」していても【2-6-3-48】複勝率18.6%。うち、重賞で3着以内の実績がないと【1-5-1-41】同14.6%まで下がる。アランカールらには厳しいデータとなる。

上がりは全て3位以内

◎タイセイボーグ
4戦して勝利は新馬戦だけだが、オープンや重賞で好走を続けている。ダリア賞では1、3着に逃げ先行馬が残るところに上がり33.4秒の脚を使い2着。新潟2歳Sは勝ち馬が強かったが、次走で重賞を勝つフェスティバルヒルには先着。アルテミスSは出遅れた上に、不利な内を回されたのが痛かったが、それでも上がりは1位だった。重賞勝ち馬がいないこのメンバーでは実績最上位と言え、上がりも全て3位以内と信頼できる。

◯スターアニス
新馬戦は5着も上がり最速。次走で2着馬を1秒1離して勝った。このときの4着馬ダイヤモンドノットはその後京王杯2歳Sを勝利している。単勝オッズ1.7倍を背負った中京2歳Sは勝ち馬とクビ差、レコードタイムでの走破で、3着以下には1秒1差をつけた。内容も抜け出しが少し早かった以外は完璧だった。勝ち馬キャンディードは次走大敗したが、これはアクシデント(鼻出血)があったもの。狙う価値は十分にある。

▲アルバンヌ
フェスティバルヒル新馬の2着。この新馬戦はメンバーレベルが高く、勝ち馬は重賞ウィナーとなり、4着クールデイトナがこうやまき賞を勝利している。この馬もそこから2連勝。前走のサフラン賞ではドリームコア(次走ベゴニア賞勝利)らを下した。今回は一気にメンバーが強化されるが、重賞馬にしか負けていない点で警戒したい。

以下イヌボウノウタゴエ、ショウナンカリス、ミツカネベネラまで印を回す。

アランカールは2戦とも少頭数から追込という大味な競馬。多頭数の内枠に対応できるかが未知数。マーゴットラヴミーは前走逃げた馬の不振が懸念で今回は見送る。馬券は◎-◯ワイド、◎軸の3連複で勝負する。

▽阪神JF予想▽
◎タイセイボーグ
◯スターアニス
▲アルバンヌ
△イヌボウノウタゴエ
×ショウナンカリス
×ミツカネベネラ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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