【チャンピオンズC】データでは先行よりも逃げ馬 東大HCの本命はナルカミ

東大ホースメンクラブ

チャンピオンズCの逃げ・先行馬の好条件,インフォグラフィック,🄫SPAIA

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3歳馬と古馬が激突するダートGⅠ

日曜日、中京競馬場でGⅠ・チャンピオンズCが行われる。武蔵野Sを0秒6差で勝利したルクソールカフェ、それにジャパンダートクラシックで12馬身差をつけたナルカミの3歳世代が、このレース2年連続2着のウィルソンテソーロやみやこSをレコードで勝利したダブルハートボンドなどの古馬と激突する。

連覇したレモンポップが引退し、国内のダート路線は混戦模様。果たしてどの馬が勝利するのか。過去10年のデータから検討する。

ハイペースでも逃げ馬は残る

チャンピオンズCの脚質別成績,ⒸSPAIA


<チャンピオンズC・脚質別成績>
逃げ【2-0-3-6】勝率18.2%/連対率18.2%/複勝率45.5%
先行【3-3-4-26】勝率8.3%/連対率16.7%/複勝率27.8%
<1000m通過60秒8以下の5戦>
逃げ【1-0-2-3】勝率16.7%/連対率16.7%/複勝率50.0%
先行【2-1-1-14】勝率11.1%/連対率16.7%/複勝率22.2%
→3番人気以内【1-1-0-4】勝率16.7%/連対率33.3%/複勝率33.3%
※過去10年

想定1番人気は逃げが目されるナルカミ。ダブルハートボンド、ルクソールカフェも先行馬で、有力馬が前に集中している。チャンピオンズCの脚質傾向について過去10年のデータと、そのうち1000m通過タイムが速かった5回分のデータをそれぞれチェックする。

まずは過去10年。逃げ馬は【2-0-3-6】で半数近くが馬券圏内に入った。ここ2年はレモンポップがどちらも逃げて連覇している。また、先行【3-3-4-26】複勝率27.8%で、差し【3-3-2-50】同13.8%、追込【2-4-1-43】同14.0%とは一定の差がある。前有利の傾向があると言える。

では、1000m通過タイムが速かった(60秒8以下の)5戦に絞るとどうか。意外にも逃げ馬の成績は【1-0-2-3】と変化なし。20年には10番人気のインティが3着に粘っている。一方で先行馬は【2-1-1-14】で複勝率が22.2%に低下。差し【1-3-1-24】複勝率17.2%との差が縮まっている。

3番人気以内でも先行馬は【1-1-0-4】と沈むケースが目立つ。対照的に、差し【0-3-0-2】、追込【0-1-0-0】と人気の差しや追い込みが届く。ルクソールカフェ、ダブルハートボンドともに前走は先行勢に厳しい展開で勝利しているものの、ナルカミと3頭全てが共存する可能性は低いと見ていいだろう。

後方脚質組から挙げるなら、みやこSで上がり最速だったラムジェットや、JBCクラシック2着のメイショウハリオか。

なお、この5戦でも内枠有利のデータは継続。3番人気以内の1〜3枠が【2-3-1-1】に対して6〜8枠が【0-1-0-4】だった。土曜の馬場を確認する必要はあるが、このような枠順傾向があることは覚えておきたい。

前走の内容が衝撃的

◎ナルカミ
これまでの戦績は【5-0-0-1】。ほとんどのレースで逃げ切り勝ちを収めている。唯一の大敗はかなりのハイペースでラスト2Fが13秒2-13秒3と失速。致し方なしと言える。

転厩を経てからは4連勝、重賞2勝はそれぞれ0秒4、0秒6と着差もつけている。特に前走のジャパンダートクラシックは前半1000m60秒2のハイペースで後ろの脚を削ぎ、上がり3F最速と完勝だった。距離短縮で臨む今回も逃げ切りに期待できる。

◯ダブルハートボンド
3歳8月に未勝利戦でデビューしてから5連勝でオープンクラスまで勝利。2走前のブリーダーズGCで初めて敗れたが、これはオーサムリザルトとの一騎打ちでペースが速すぎ、それをすくわれたものだった。前走のみやこSはレコードタイムで勝利。3、4着に4角10番手以降がくるなど先行馬に厳しい展開であり価値がある。

スピードはあり、常に先行出来ているが、最初から逃げたのは昨年の1勝クラスと9頭立ての2000m戦だった2走前のみ。ナルカミとハナの奪い合いにはならず、共存すると考える。4角からこの2頭で後ろを離す展開になる可能性もある。

▲メイショウハリオ
帝王賞連覇などの実績がある8歳馬。チャンピオンズCには二度出走して馬券には絡んでいないが、23年は5着と善戦していた。近年は後方からの競馬が多くなっているが、展開がハマった時には大舞台でも好走できている。今年初戦のフェブラリーSは状態がよくなかったとのこと。前走のJBCクラシックでは休み明けながら帝王賞勝ち馬ミッキーファイトの2着と健闘した。2走目で陣営のトーンも良い。

前述の通り今年はハイペースが想定され、後方脚質に展開が向きそう。ラストランに一発があってもおかしくない。

以下ラムジェット、ルクソールカフェまで印を回す。馬券は◎単勝、◎-◯-3頭の3連複で勝負する。

▽チャンピオンズC予想▽
◎ナルカミ
◯ダブルハートボンド
▲メイショウハリオ
△ラムジェット
×ルクソールカフェ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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