【ジャパンC】前走天皇賞(秋)勝ち馬は鉄板 東大HCの本命はマスカレードボール

東大ホースメンクラブ

ジャパンカップ3番人気以内のプラスデータ,🄫SPAIA

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世界最強中距離馬を決める戦い

東京競馬場でGⅠ・ジャパンCが行われる。天皇賞(秋)を制したマスカレードボール、凱旋門賞帰りのダービー馬クロワデュノール、ドバイSCを制したダノンデサイル、クラシックホースのタスティエーラ、ドゥレッツァ、6歳馬ジャスティンパレスなど、幅広い世代から一流馬が集結した。海外からはGⅠ・3連勝中のカランダガンも遠征し、素晴らしいメンバーが揃った。

3世代のダービー馬、そして世界レーティングトップのカランダガンらの対決は胸躍るもの。今年も日本vs世界の構図となった。過去のデータを中心に、どの馬が勝利するのか検討する。

前走天皇賞(秋)vs前走海外

ジャパンCの1~3番人気馬、条件別成績,ⒸSPAIA


<ジャパンC 1~3番人気馬の前走別成績>
1~3番人気馬全体【20-17-16-37】勝率22.2%/連対率41.1%/複勝率58.9%
前走天皇賞(秋)【11-7-10-12】勝率27.5%/連対率45.0%/複勝率70.0%
→その1着馬【6-2-5-1】勝率42.9%/連対率57.1%/複勝率92.9%
前走海外【3-3-3-13】勝率13.6%/連対率27.3%/複勝率40.9%
→日本馬【1-2-0-4】勝率14.3%/連対率42.9%/複勝率42.9%
※1994年以降、東京開催の30レース

まずは人気馬の取捨について、東京で施行された過去30回分のデータから検討する。堅く決まりやすいレースで、3番人気以内馬の全体成績は【20-17-16-37】。連対率は4割を超え、複勝率は6割に迫っている。この内訳を掘り下げていく。

ローテーションとして最も多いのが前走天皇賞(秋)。3分の1を超える11勝を挙げ、2017年以降も直近8年連続で該当馬が馬券に絡んでいる。

天皇賞(秋)の着順別に見ると、1着が【6-2-5-1】で、96年バブルガムフェロー(13着)以降は13頭連続で複勝圏内。当然複勝回収率も100%を超える。マスカレードボールは軸としての安定感がありそうだ。

一方で、前走海外組は【3-3-3-13】。該当馬が2015年以降いない点には留意したいが、勝率~複勝率全てで天皇賞(秋)組に劣っている。最後の勝利は2006年のディープインパクトで、それ以降は【0-2-0-5】だ。

所属で分けても日本馬【1-2-0-4】複勝率42.9%、海外馬【2-1-3-9】同40.0%と変わらなかった。今年はダノンデサイル、クロワデュノール、カランダガンのうち(3番人気以内の)2頭がこのデータに該当するだろうが、その2頭が人気通り好走する可能性は高くない。

前有利の傾向強く

ジャパンCの脚質別成績,ⒸSPAIA


<ジャパンC 脚質別成績>
逃げ【1-3-1-6】勝率9.1%/連対率36.4%/複勝率45.5%
先行【4-3-3-27】勝率10.8%/連対率18.9%/複勝率27.0%
差し【5-5-5-56】勝率7.0%/連対率14.1%/複勝率21.1%
追込【0-0-0-44】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%
1枠の先行【3-2-0-2】勝率42.9%/連対率71.4%/複勝率71.4%
※過去10年

次に脚質別成績を見る。前有利の傾向があり、逃げ【1-3-1-6】は約半数が馬券に絡んでいる。昨年は序盤逃げていた8番人気シンエンペラー、途中からハナを奪った7番人気ドゥレッツァが2着同着になるなど、人気薄の好走も見られる。今年はサンライズアースとホウオウビスケッツが逃げ候補。両者ともGⅠで掲示板に載るくらいの力はあり、警戒は怠りたくない。

先行は【4-3-3-27】で、差し【5-5-5-56】よりも好走率が高く、追込は【0-0-0-44】と全滅。4角順位で書くと10番手以下【2-2-1-62】複勝率7.5%、13番手以下が【0-0-0-36】で、この付近が限界となっている。人気馬の中では、少頭数でも後方からの競馬が多かったカランダガンに苦しいデータとなる。

また先行馬に関しては1枠が【3-2-0-2】と圧倒的な成績で、2枠【1-0-1-4】、3枠該当なし、4枠【0-1-0-4】に対し、5~6枠【0-0-0-6】、7~8枠【0-0-2-13】と内枠有利の傾向がある。1枠のクロワデュノールは勿論、2000mの天皇賞(秋)で4~6番手を取れていたジャスティンパレスも浮上しそうだ。

一方で昨年2着のドゥレッツァとシンエンペラーは8枠。シンエンペラーは今年もハナを切って内に入れる可能性があるかもしれないが、ドゥレッツァの昨年はビュイック騎手の好騎乗に助けられた面が大きい。直近の2戦が中団からの競馬となっていることもあり、昨年ほどの着順は見込めない。

人気馬の中で軸にするなら 

◎マスカレードボール
東京ではアイビーS、共同通信杯、天皇賞(秋)を勝利、ダービーでも2着と全て連対。特に天皇賞(秋)はスローペースの直線勝負で2~6着がクビ、クビ、クビ、ハナと着差がつかない決着のなか、この馬は2着に3/4馬身差をつける快勝だった。

同年天皇賞(秋)勝ち馬の好成績は先に述べた通りで、20年アーモンドアイ、23年イクイノックス、24年ドウデュースと出走機会3連勝中。ダービーでクロワデュノールに敗れたコースとはなるが、臨戦過程の差で逆転可能。本命はこちらだ。

◯ジャスティンパレス
一昨年の天皇賞(春)以降勝利はないが、GⅠを12戦して2着1回、3着3回、その他掲示板5回と健闘している。前走はスローペースや枠の並びに助けられつつも、4番手の位置を確保できた。これまで後方からの競馬が多かった馬だが、ポジションをとれたのは収穫だった。

今回は隣のクロワデュノールが先行するため、その後ろの位置なら取れる。2戦連続3着と復調気配にあり、再度の好走に期待だ。

▲サンライズアース
今年は阪神大賞典で1着、天皇賞(春)で4着と長距離で活躍したが、3歳時にはダービーでも4着がある。その際は1000m通過付近から位置取りを上げ、2角17番手から3角2番手までマクリ。最終的にそこから着順を落とす形にはなったがインパクトは十分で、レガレイラには先着した。

近走は前で競馬をするようになっており、当時と戦法は異なるだろうが、ジャパンCの好走傾向とは合致する。先行して粘り込みがあってもおかしくない。

以下クロワデュノール、ダノンデサイルまで印を回す。馬券は◎単勝、◎-◯▲ワイド、◎-◯-3頭の3連複で勝負する。

▽ジャパンC予想▽
◎マスカレードボール
◯ジャスティンパレス
▲サンライズアース
△クロワデュノール
×ダノンデサイル

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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