【マイルCS】プラスデータ最多でマイナスなし ジャンタルマンタルが不動の本命

門田光生

マイルCSの前走人気別成績(過去10回),ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

好メンバー集結

23日に京都競馬場で行われる第42回マイルチャンピオンシップ。今年も昨年の勝ち馬ソウルラッシュを筆頭に、春のマイル王ジャンタルマンタルやマイル女王アスコリピチェーノなど、好メンバーがそろった。今回も過去10年のデータを基にして検証していきたい。

☆所属
美浦所属馬4勝(6連対)、栗東所属馬6勝(14連対)。連対率と複勝率は大差ないが、勝率に関しては美浦所属馬が大きく上回っている。

出走馬の所属,ⒸSPAIA



☆性別
牡馬・セン馬が7勝(17連対)。牝馬は3勝で、2着馬は出ていない。勝率は牝馬が大きく上回っているが、馬券に絡む確率は牡馬の方が高い。

出走馬の性別,ⒸSPAIA



☆年齢
連対率、複勝率ともに優秀な4歳がプラスデータ。3歳は勝率こそトップだが、連対率と複勝率がもうひとつ。7歳以上からは連対馬が出ていない。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA



☆前走クラス
馬券に絡んでいるのは、前走で国内重賞を走っていた馬だけ。なかでも好走率が一番高いのは、前走GⅠ組だ。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA



☆主な前走
複数の勝ち馬が出ているのは富士S(GⅡ昇格以降)と毎日王冠、スプリンターズSの3レースだった。

富士SはGⅢ時代も含めた成績では【4-3-1-46】勝率7.4%、複勝率14.8%と水準級だが、コンスタントに活躍馬を送り出している。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA



☆前走着順
連対率が25%以上あり、複勝率も35%以上を記録している前走2着、3着馬がプラスデータ。前走4着と、6着以下からは連対馬が出ていない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA



☆前走人気
勝率、連対率がトップの前走1、2番人気がプラスデータ。前走4、5番人気から勝ち馬が出ておらず、6番人気以下だと連対馬がいなくなる。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA



☆前走馬体重
前走馬体重が460kg以下だった馬は延べ23頭。そのうち1頭しか連対馬が出ていない。

かといって大型馬が強いかといえばそうでもなく、前走馬体重が521kg以上だった馬は延べ22頭が該当し、こちらは勝ち馬が出ていない。

前走馬体重500~520kgだった馬は4勝、2着も4回。ここが好走ゾーンだ。

出走馬の前走馬体重,ⒸSPAIA



☆前走着差
前走で0.6秒以上負けていた馬は延べ60頭いて、勝ったのは2017年のペルシアンナイトだけ。0.9秒以上の差で負けていると、すべて馬券圏外となっている。

出走馬の前走着差,ⒸSPAIA



☆その他
前走で1400mを走っていた馬から勝ち馬は出ていない。前哨戦・スワンS組がそのほとんどで、馬券内の好走も2020年3着アドマイヤマーズが最後となっている。

その他のデータ,ⒸSPAIA



ジャンタルマンタルを信頼

マイルCSのデータをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは下記の通り。

【好走率アップ】
A「美浦所属」
B「4歳」
C「前走国内GⅠ」
D「前走2着か3着」
E「前走1番人気か2番人気」
F「前走馬体重500~520kg」

【勝率ダウン】
G「前走馬体重460kg以下」
H「前走0.6~0.8秒差負け」

【勝ち馬なし】
I「前走4番人気か5番人気」
J「前走1400m」

【連対馬なし】
K「7歳以上」
L「前走OP」
M「前走4着か6着以下」
N「前走6番人気以下」
O「前走0.9秒差以上負け」

最初に、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

プラスデータ(勝率順),ⒸSPAIA


勝ち馬が出ていないマイナスデータ「I~O」に該当しない馬から、本命馬を探していく。今回はM「前走4着か6着以下」とN「前走6番人気以下」に引っかかった馬が多く、最初の時点で結構絞れている。

最多のプラスデータを持つのがジャンタルマンタル(BDEF)。最も勝率が高いE「前走1番人気」に該当し、しかもマイナスデータを持たないのは、この馬だけ。今回はデータから自信の◎となる。

続いて、プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

プラスデータ(連対率順),ⒸSPAIA


相手探しは、連対馬が出ている「IJ」に該当する馬も含める。◎を除く馬で、連対馬が出ていない「K~O」を持たないのは下記の6頭だ。

・エルトンバローズ(F)
・オフトレイル(B)
・ガイアフォース(なし)
・ラヴァンダ(B)
・ランスオブカオス(D)
・レーベンスティール(A)

このうちガイアフォースだけプラスデータを持たないので、この馬は除外。残った5頭ともプラスデータが1つずつなので、連対率順で並べていいだろう。

筆頭は連対率2位の(D)を持つランスオブカオスなのだが、現時点で除外対象。注意マークとしたい。

これに続くのは連対率5位(F)該当のエルトンバローズ、7位のオフトレイルとラヴァンダ、8位のレーベンスティール。エルトンバローズはマイナスデータI「前走4番人気」だが、勝ち馬は出ていなくても連対率は13.6%あるので、こちらを相手筆頭とする。

同じB「4歳」を持つのはオフトレイルとラヴァンダ。ラヴァンダはエルトンバローズと同じで、マイナスデータは「I」だけ。一方、オフトレイルはIに加えてJ「前走1400m」にも該当。このJが連対率3.2%という微妙な数字のため、順番はラヴァンダ、オフトレイルとなる。

残ったレーベンスティールは、マイナスデータはIだけだが、Aがプラスデータの中では最も弱い。強調材料に欠けるということで、今回はノーマークとしたい。

◎ジャンタルマンタル
○エルトンバローズ
▲ラヴァンダ
△オフトレイル
注ランスオブカオス

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
そろそろ忘年会シーズン。知らない人とつながりができる貴重な場でもあり、できるだけ参加するつもりです。お誘いがあればですが(笑)。

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