【菊花賞】勝率37.5%、複勝率75%データに合致 東大HCの本命はエリキング
東大ホースメンクラブ

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混戦模様の3歳クラシック最終戦
日曜日、京都競馬場でGⅠ・菊花賞が行われる。神戸新聞杯を上がり32秒3の脚で差し切ったエリキングや、同2着だったダービー3着馬ショウヘイ、新潟記念で古馬一線級と戦い0秒1差2着だったエネルジコなど18頭が出走予定だ。
今年は皐月賞、ダービーの連対馬が不在で混戦模様となっている。果たして牡馬三冠の最後を締めくくるのはどの馬か。過去10年のうち阪神開催の21、22年を除いた8年分のデータから検討する。
トライアル組が中心

<菊花賞 前走内容別成績>
神戸新聞杯で3着以内【3-2-2-7】勝率21.4%/連対率35.7%/複勝率50.0%
神戸新聞杯で上がり2位以内【3-2-1-2】勝率37.5%/連対率62.5%/複勝率75.0%
セントライト記念で2着以内【2-1-2-7】勝率16.7%/連対率25.0%/複勝率41.7%
新潟芝2200m【1-1-2-4】勝率12.5%/連対率25.0%/複勝率50.0%
※神戸新聞杯は阪神開催のみ
同じ間隔のオークス-秋華賞は直行で臨む馬も増えてきたが、この菊花賞はまだ秋に1戦してからのローテが多い。その前走結果別にデータを調べる。
最も出走数が多いローテーションが神戸新聞杯組。阪神芝2400mで施行された年に関してはキレイな傾向が出ており、まず着順に忠実。16年エアスピネルだけ5着→3着だが、それ以外の馬券絡みはいずれも神戸新聞杯3着以内だった。また「ダービー出走馬」×「神戸新聞杯連対」だと【1-2-1-1】に信頼度アップ。別路線から神戸新聞杯で結果を出した馬よりも、王道ローテを歩んだ馬の方がよい。
神戸新聞杯時の脚質に注目すると、逃げ先行だった馬が【0-0-2-12】に対して、差し追込が【3-2-1-18】。連対例は後方脚質に集中している。上がり3F順位では1位が【2-2-0-1】、2位が【1-0-1-1】、3位【0-0-2-4】で、4位以下は【0-0-0-24】と全滅している。これらの点から人気通りになりやすく、菊花賞3番人気以内が【3-2-2-3】、1番人気だと【2-0-2-0】だった。
好走パターンに全て当てはまるのがエリキング。ショウヘイは先行したが上がり3位、32秒9の脚を使っていた。一方、ジョバンニは先行して上がり6位と最後の脚で差が出てしまった。エリキングとは0秒4差ついていたことも含め、強調しづらい。
次にセントライト記念。こちらの好走例も17年クリンチャー(9着→2着)以外は前走2着以内と、ある程度の着順が求められる。しかし脚質面では先行、差しどちらも結果を出しているし、菊花賞5番人気以下でも3連対している。
今年はヤマニンブークリエ、レッドバンデが皐月賞馬と0秒1差で走ってきた。あまり人気しない想定であり、狙ってみてもいい。
前走が条件戦だった馬は【1-2-3-34】複勝率15.0%。そもそも苦戦を強いられているローテーションだ。クラス別で見ると1勝クラス【0-0-0-3】、2勝クラス【0-1-3-26】(1着なら【0-1-3-22】)、3勝クラスは【1-1-0-5】(1着なら【1-1-0-2】)で連対2例はともに日本海Sだった。
コース別で見ると新潟芝2200m(日本海Sか阿賀野川特別)が【1-1-2-4】、中京芝2200mが【0-1-1-0】で好走例はこの2つのみ。
また条件戦組のうち、過去にJRA重賞で5着以内がある馬は【0-0-2-9】で複勝回収率143%。人気薄での4、5着も各1回ずつあった。これらを踏まえると、青葉賞3着ゲルチュタール、同5着アマキヒが俎上に載る。
神戸新聞杯の内容を素直に評価
◎エリキング
デビューから3連勝で京都2歳Sを勝利。京都での成績は【2-0-0-0】だ。2歳時にジョバンニを2回下している。皐月賞は骨折明けで5か月ぶり、初の多頭数で1枠2番と不利な点が多く度外視可能。ダービーでは上がり最速で5着。上位4頭のうち3頭が4角4番手以内という展開の中よく差してきた。
神戸新聞杯でもその末脚は発揮され、ダービー3着ショウヘイをクビ差抑えて勝利。2歳時と違ってジョバンニを後ろから差したという点も加点材料だ。菊花賞自体、上がり1位【5-3-1-4】、2位【1-3-1-3】(過去10年のうち京都開催の8回)と末脚のある馬が結果を残せるレース。素直に本命とする。
◯ショウヘイ
京都新聞杯では2着以下に0秒4差をつけて勝利。京都外回りで重賞を勝った。ダービーは1枠2番の恩恵もあったが6番人気3着と好走。逆に1800mの新馬戦やきさらぎ賞で敗れたことから、距離は長い方がいい。
神戸新聞杯では上がり32秒9(3位)の脚を披露。4角3番手からこの脚であり、本来なら勝ちパターンだった。速い脚を使えることが分かったのは大きな収穫。近年の菊花賞はレース中に隊列が激しく入れ替わるため、今回も先行し続けるかは不透明だが、前走のような脚が使えれば上位に来るのではないか。
▲エネルジコ
新馬戦から3戦3勝で青葉賞まで勝利。当時の3~5着馬もこのレースに出てくるように、レベルが高かったことは間違いない。前走別定戦の新潟記念では3歳牡馬で56kgという重い斤量を背負い、古馬に混ざって2着に好走。4角4番手から32秒9の脚を使えた点も優秀だ。
右回りは初挑戦で未知数な部分はあるが、なんといっても鞍上が過去10年の菊花賞で【4-2-1-2】(京都で【4-1-1-2】)、目下2連勝中のC.ルメール騎手。印を打たなければならない。
以下ゲルチュタール、ヤマニンブークリエ、アマキヒまで印を回す。馬券は◎◯-◎◯▲-6頭の3連複で勝負する。
▽菊花賞予想▽
◎エリキング
◯ショウヘイ
▲エネルジコ
△ゲルチュタール
×ヤマニンブークリエ
×アマキヒ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ京都大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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