【ジャパンダートクラシック】「前走重賞勝ち馬」を支持 “三冠目前”ナチュラルライズにデータも追い風
菊池敬太

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3歳ダート三冠の最終戦
8日、ジャパンダートクラシック(ダート2000m・JpnⅠ)が大井競馬場で実施される。昨年、ダート競走の体系整備に伴い、ジャパンダートダービーからジャパンダートクラシックに改称。新3歳ダート三冠の最終関門に位置付けられた。
今年は羽田盃と東京ダービーを制したナチュラルライズをはじめ、不来方賞で重賞初制覇を達成したナルカミ、UAEダービーの覇者アドマイヤデイトナ、戸塚記念を圧勝した大井のナイトオブファイア、ホッカイドウ競馬三冠馬のソルジャーフィルドなど、JRAと地方から実力馬が集結した。
まずは予想の前に、前身のジャパンダートダービーを含めた過去10年分のレース傾向を振り返ってみよう。


人気別成績では、1番人気が【4-1-2-3】と勝率、複勝率でリード。2番人気【1-1-1-7】、3番人気【0-3-3-4】と続き、4番人気は【2-4-1-3】で連対率トップ、複勝率トップタイだった。連対馬20頭中16頭が4番人気以内と人気サイドの決着が目立つ。

枠番では8枠が2勝を含む7連対でトップ。以下、6枠は3勝、5枠が1勝を含むともに4連対。1枠が2連対で続く。ほか3枠と4枠と7枠が各1連対で、2枠は1頭も馬券に絡んでいなかった。

所属はJRAが連対馬17頭(栗東12、美浦5)と優勢。地方馬は船橋が2勝、大井が1勝を挙げている。
実績面ではJRAの連対馬17頭中12頭にダート重賞かオープン特別の勝利実績があった。また、連対馬20頭中16頭が前走で2着以内に入っており、勝ち馬10頭のうち7頭は前走も1着だった。
脚質ごとの連対数は【逃げ4 先行9 差し6 追込1】。勝ち馬は6年連続で4コーナー通過順が5番手以内だった。

3歳ダート三冠制覇の偉業達成へ
◎ナチュラルライズ
一冠目の羽田盃を5馬身差、続く東京ダービーを2馬身半差で圧勝。特に前走の東京ダービーは粗削りなレースぶりながら、ライバルを寄せ付けずにレースレコードの2分3秒8で逃げ切り、能力の高さを示した。
データ面では、過去10年で2勝を含む7連対の8枠を引いたことに加え、6年連続で勝ち馬が4コーナーで5番手以内を通過している点、前走1着馬が7勝を挙げていることなど好材料が多く、心強い。史上初となる3歳ダート三冠制覇の偉業達成へ期待が高まる。
◯ドンインザムード
前走のレパードステークスは外3番手から力強く抜け出し、重賞初制覇を達成。過去10年で4連対の6枠を引いたのは好材料で、前走でダート重賞を勝っている点も好走データに合致する。
ベストは左回りの馬で右回りがどうかだが、スムーズに立ち回ればビッグタイトルに手が届いてもいい。
▲ナルカミ
3連勝で不来方賞を制覇。苦手とする左回りでも結果を出し、成長が感じられた。前走で2000mをこなせたのは強みで、前走1着馬という好データにも合致。前走から相手が強化されるが、自分のリズムで先行できればここでも上位争いは可能だ。
ほか、クレーキングは東京ダービーで2着に食い込んだ。骨折明けで仕上がり面がポイントになるが、大井2000mの舞台を経験しているのは強み。多くの連対馬に共通する前走2着以内に該当する点も魅力だ。
ルクソールカフェは4連勝で伏竜ステークスを制した逸材。ケンタッキーダービーは日本馬にとって厳しい馬場コンディションで、本来の能力が出せなかった。コースやナイターなど初物づくしだが、オープン特別で勝利実績があるのはプラス材料。海外帰りでも上位をにぎわしそうだ。
同じく帰国初戦となるアドマイヤデイトナは、4月にUAEダービーを制覇。重賞勝利実績があるのは魅力で、休み明けでも要注意だ。ハグは前走の不来方賞で2着。1枠に入ったが、脚質からもプラスに働きそうだ。
羽田盃2着、東京ダービー4着に入った大井のナイトオブファイアは、秋初戦の戸塚記念で初タイトルを獲得。2023年ミックファイア以来となる地元馬による制覇を狙う。他地区からは連対歴がないが、ソルジャーフィルドはJBC2歳優駿を制し、ホッカイドウ三冠を達成した実力馬。前走1着である点もプラス材料で、今の充実ぶりなら上位に入っても不思議はない。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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