【毎日王冠】1800m以下の実績十分 本命は展開利も見込めるエルトンバローズ

東大ホースメンクラブ

毎日王冠 同年JRA重賞の実績別複勝率(過去10年)

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GⅠ馬や重賞勝ち馬が多数参戦

日曜日、東京競馬場でGⅡ・毎日王冠が行われる。前走しらさぎSで復調気配を見せたチェルヴィニアや23年に本レースを制したエルトンバローズ、重賞3勝のレーベンスティール、そして3歳世代から皐月賞5着、日本ダービー4着のサトノシャイニングが参戦。粒ぞろいのメンバー11頭が集まった。

秋の東京開催がスタート。東京芝1800mの舞台でマイラーと中距離馬が激突する。果たしてどの馬が勝利するのか。過去10年のデータから検討する。

1600m実績vs中距離実績

毎日王冠、古馬の同年距離実績別成績,ⒸSPAIA


<毎日王冠 古馬の同年JRA重賞実績別成績>
2000m以上重賞で3着以内【0-4-2-21】
勝率0.0%/連対率14.8%/複勝率22.2%
1600m重賞で3着以内【2-5-3-11】
勝率9.5%/連対率33.3%/複勝率47.6%
1800m重賞で3着以内【3-3-1-14】
勝率14.3%/連対率28.6%/複勝率33.3%
※過去10年。4歳以上馬

毎日王冠は1800mという距離の特性上、2000mを使ってきた中距離馬とマイラーが対決する構図となりやすい。どちらが有利かを探っていく。

4歳以上の古馬についてデータを見ていく。同年に2000m以上の重賞(※JRAのみ。以下同じ)で3着以内がある馬は【0-4-2-21】複勝率22.2%と勝利がない。

5番人気以内【0-4-2-6】同50.0%に限れば悪くないようにも見えるが、16年ステファノス、17年マカヒキ、22年レイパパレ、24年ローシャムパークとその年に中距離GⅠで掲示板に載った馬が沈んでいる。

昨年2着だったホウオウビスケッツはこれが減点材料となる。また、6番人気以下は【0-0-0-15】で全滅だった。

一方、1600m重賞で3着以内がある馬は【2-5-3-11】で複勝率47.6%。先ほどの2倍以上の成績となっている。こちらも好走馬は全て5番人気以内で、2番人気以内は【2-3-1-0】といずれも3着内だった。

また、そのマイル重賞で好走したときの脚質で見ると、逃げ先行【1-2-0-7】複勝率30.0%に対し、差し追込【1-3-3-5】同58.3%の方が好成績だ。

チェルヴィニアは久しぶりのマイル戦だった前走しらさぎSで差して2着。今回はさらなる前進が期待できる。

同距離の1800m重賞で3着以内の馬は全体で【3-3-1-14】。こちらも5番人気以内は【3-3-1-4】複勝率63.6%で、複勝回収率が100%を超えている。

5番人気までに該当するかの問題はあるが、小倉大賞典を含む重賞2連勝したロングランは要警戒かもしれない。

最後に3歳馬について。全体成績が【5-1-0-11】複勝率35.3%。出走馬がいなかった22年を除くと、19年から5連勝している。前走ダービーだと【3-1-0-4】と半数が連対。同年皐月賞4着以内の馬が【2-1-0-0】とオール連対(※5着馬は出走例なし)だ。

サトノシャイニングは1800mのきさらぎ賞勝利、2歳時にも同コースの東スポ杯2歳Sでクロワデュノールの2着があり無視できない。

1800m以下の実績はトップクラス

◎エルトンバローズ
2年前には4連勝で本レースを勝利。その後マイルCSも4着と健闘した。昨年は上半期が案外な成績だったが、そこからトップハンデの中京記念3着、マイルCS2着など重賞で3戦連続馬券圏内確保と復活した。

前走の中京記念は8着と敗れたが、着差は0.4秒。1分32秒3という高速決着が向かなかった。これまで上がり3F33秒台前半の脚を使ったことがなく、キレ脚勝負になると分が悪い。今年は中距離馬が多いメンバー構成。先行して自分のペースに持ち込めれば粘りこみを期待できる。

◯チェルヴィニア
オークス、秋華賞を制した二冠牝馬。初めて古馬と戦ったジャパンC4着も悪くなく、その他東京では新馬戦でボンドガールの2着、アルテミスS勝利の実績がある。

春は2戦連続で人気を裏切る結果となったが、京都記念は過去も人気馬が飛んできた特殊な設定で、ドバイSCは相手が強かった。

前走のしらさぎSは2着。他の上位馬とは別定で2kgの不利があったことも踏まえれば及第点。相手は強化されるが復調気配がみられる今なら、本来の実力からして戦える。

▲ロングラン
芝2000m以上【0-0-0-6】に対し、芝1800mは小倉大賞典勝利を含む【4-1-1-5】と、この距離にツボがある馬。今年は小倉大賞典、マイラーズCをそれぞれ上がり3F1位、3位の脚で差し切り2連勝。7歳ながら充実期にある。

もうひとつ評価しているのが前走の安田記念。差し有利の展開で13着に終わったが、1800mで待機策をとってきた馬がマイルGⅠの流れを4番手で追走できていた。この走りが今回も叶えば押し切れてもいい。

以下サトノシャイニング、レーベンスティールまで印を回す。馬券は◎軸の馬連で勝負する。

▽毎日王冠予想▽
◎エルトンバローズ
◯チェルヴィニア
▲ロングラン
△サトノシャイニング
×レーベンスティール

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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