【オールカマー】中穴を狙え!好データ“全クリ”の牝馬が波乱の使者に

逆瀬川龍之介

直近10回のオールカマー「穴馬の共通点」,ⒸSPAIA

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狙うべき中穴の条件とは

オールカマーは中穴狙いをオススメしたいレースだ。というのも、2015年以降の3連単配当を見ると2万円台が5回。単勝オッズで言えば、10倍から20倍台前半の馬の好走が目立つのだ。

そこで今回は、直近10回のオールカマーにおいて、単勝オッズ10倍以上で馬券に絡んだ11頭を徹底チェック。共通項を見つけ出すことで、今年の激走馬を探し当てたい。

(1)実績:今年重賞で3着以内
人気薄といっても、秋のGⅠの重要ステップレースとなる一戦なので、ぽっと出の馬では厳しい。その証拠に、該当11頭には例外なく重賞で3着以内の実績があった。また、そのうち8頭は同年の重賞で馬券に絡んでいた。

昨年を振り返ると、10番人気2着アウスヴァールは2走前・函館記念で3着、12番人気3着リカンカブールは3走前・中山金杯の勝ち馬だった。逆に言えば、同年の重賞で好勝負していながら人気薄の馬は要注意といえるだろう。

【今年の該当馬】
・コスモキュランダ
・ドゥラドーレス
・フェアエールング
・ホーエリート
・ヨーホーレイク
・リビアングラス

(2)年齢:4~5歳
オールカマーは若い馬ほど成績がいい。15年以降に限ると4歳が【6-4-3-13】勝率23.1%、複勝率50.0%で、5歳が【4-3-5-39】勝率7.8%、複勝率23.5%だ。一方、6歳以上は【0-3-2-52】と苦戦を強いられている。

伏兵も例外ではなく、該当11頭中9頭は4歳か5歳。したがって、穴馬選びに迷った場合はより若い馬をピックアップするのも一つの手だ。

【今年の該当馬】
・コスモキュランダ
・シュバルツクーゲル
・フェアエールング
・ホーエリート
・リビアングラス
・レガレイラ

(3)血統:ステイゴールド系
オールカマーは非根幹距離の2200mが舞台とあって、主流血統はやや苦戦傾向となっている。例えばディープインパクト産駒。2015年1着ショウナンパンドラや2020年1着センテリュオら牝馬の活躍が目立ち、牡馬に限ると【0-3-2-7】と勝ち馬が出ていない。

対照的に、波乱の使者として健闘しているのがステイゴールド系だ。該当11頭の中にも2019年1着スティッフェリオや、2021年2着&2022年3着のウインキートスという延べ3頭が含まれている。息の長い末脚を生かしての上位進出に要警戒したい。

【今年の該当馬】
・フェアエールング

条件全クリは1頭だけ!

今年の登録馬で唯一、全ての関門を突破したのがフェアエールングだ。ステイゴールド系ゴールドシップ産駒の5歳牝馬。今年は小倉牝馬ステークスで1着(同着)、福島牝馬ステークスが2着、クイーンステークスが3着だから、今まさに充実期といえる。

牡馬と戦うのは久々だが、4走前の福島記念で2着の実績があるので気にする必要はない。父ゴールドシップはオールカマーで2度も波乱を演出したウインキートスと同じ。牡馬の強豪撃破に期待したい。

馬券は単複が本線。馬連と3連複でコスモキュランダ、ドゥラドーレス、ホーエリート、ヨーホーレイク、レガレイラに流して好配当を狙いたい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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