【京成杯AH】過去10年で二桁人気が6連対 “3つの関門”突破の激走候補は?

逆瀬川龍之介

京成杯AH-2桁人気の3着以内馬共通点,ⒸSPAIA

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高配当の使者は「前走6着以下」から

京成杯AHはハンデ戦らしく波乱傾向の一戦だ。15年以降、直近10回の3連単配当を振り返ると、7桁が1回、6桁が4回。1番人気は【5-0-1-4】の勝率50.0%なので悪くないが、その一方で10番人気以下が1勝、2着5回、3着2回と激走し、高配当の使者となっているのだ。

そこで今回は2桁人気で馬券に絡んだ8頭を徹底チェック。共通項を見つけ出し、今年の激走候補をピックアップしたい。

(1)前走着順が6着以下
一般的に近走着順が悪いことは割引材料だが、ハンデ戦においては必ずしもそうではない。なぜなら、ハンデが軽くなるという恩恵があるからだ。

京成杯AHも例外ではなく、前走6着以下の馬は【3-6-5-70】の勝率3.6%、複勝率16.7%、回収率は単勝で82%、複勝なら108%もある。そして2桁人気で馬券に絡んだ8頭に限れば、全馬が前走6着以下だった。というわけで“人気薄を買うなら前走6着以下の馬”と覚えておきたい。

【今年の該当馬】
・アサヒ
・アスコルティアーモ
・エリカエクスプレス
・カラマティアノス
・キタウイング
・ダイシンヤマト
・タシット
・ニシノスーベニア
・ホウオウラスカーズ
・ムーンプローブ

(2)芝1800m以上重賞で3着以内
人気薄といっても、ある程度の実績がないと京成杯AHでは通用しない。該当8頭には全て重賞での連対実績があった。また、うち6頭には芝1800m以上の重賞で3着以内の実績があったという点には注目したい。

これは決して偶然ではなく、(1)ハイペースになりやすい、(2)直線に急坂がある、という2点が影響し、中距離タイプが走りやすくなっているのだ。当然、今年も中距離重賞での好走歴がある馬はチェックする必要がある。

【今年の該当馬】
・アサヒ
・カラマティアノス
・シヴァース
・タイムトゥヘヴン
・ニシノスーベニア

(3)6歳以上のベテラン
京成杯AHはベテランが強く、6歳以上が【1-6-2-42】の勝率2.0%、複勝率17.6%。この数字だけを見ると微妙だが、回収率は単勝が122%、複勝が133%で、ともにプラス収支となっている。つまりは人気馬はイマイチでも、伏兵がよく走っているということだ。

実際、2桁人気に限ると、馬券に絡んだ8頭中6頭が6歳以上だった。穴馬選びで迷った時は、より年上の馬をピックアップするようにしたい。

【今年の該当馬】
・アサヒ
・タイムトゥヘヴン
・タシット
・ドロップオブライト
・ニシノスーベニア
・ホウオウラスカーズ

今年の激走候補2頭

以上3つの関門を全て突破したのはアサヒとニシノスーベニアの2頭だ。とりわけ狙い目はニシノスーベニア。中山芝1600mは【2-0-3-3】の好成績。昨春のダービー卿CTでも中団から脚を伸ばし、勝ったパラレルヴィジョンから0秒4差の4着に健闘している。極端に時計が速くなった場合がカギだが、立ち回り一つで十分に好勝負になるだろう。

馬券はニシノスーベニアの単複が本線。馬連と3連複はアサヒ、エリカエクスプレス、カラマティアノス、コントラポスト、ジューンオレンジ、タイムトゥヘヴン、タシットに流し、高配当ゲットといきたい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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