【新潟記念】「牝馬不振」でヴィクトリアマイル2着クイーンズウォーク、ブレイディヴェーグは消し ハイブリッド式消去法

久保田大五郎

過去10年の新潟記念『牝馬』かつ『前走馬体重460kg以上』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

今週はサマー2000シリーズ最終戦・新潟記念を予想する。昨年までハンデ戦だったが、今年から別定戦に変更。実績豊富な馬でも比較的出走しやすい条件に改められ、それにふさわしい好メンバー17頭が登録してきた。

いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

『7歳以上』×『新潟での勝利経験なし』★0.0%★

まずは年齢別データ。基本的には若い馬が優勢なレースで、4歳以下の馬が【5-3-4-30】複勝率28.6%、単回収率105%、複回収率104%をマークしている。反対に7歳以上は【1-2-2-33】同13.2%とやや不振だ。

高齢でも好走したのべ5頭の内訳を見ると、4歳時にもこのレースを勝っていたユーキャンスマイル(7歳時に2着、8歳時も2着)や新潟大賞典の勝ち馬パッションダンスなど“新潟巧者”ばかり。「新潟で勝利した経験がない7歳以上馬」は【0-0-0-20】と馬券に絡んでいなかった。

登録馬のうち7歳以上は2頭。ディープモンスターは新潟初出走、リフレーミングは新潟で5戦するも勝利がない。どちらも消去となった。

【今年の該当馬】
・ディープモンスター
・リフレーミング

『前走リステッド以下』×『前走13頭立て以下』★4.8%★

次は前走クラスから絞り込む。前走がリステッド以下、つまり重賞以外に出走していた馬は【1-2-3-34】複勝率15.0%。サマーシリーズ続戦組や、春GⅠから休み明けで出走する勢力に押され気味だ。

特にその前走が「13頭立て以下」の少頭数だった場合は【0-1-0-20】同4.8%。手薄な3勝クラスやOPを戦ってきた馬は相手強化に苦しんでいる。これを2つ目の消去データとして採用する。

ここでは4頭が脱落する。左回りで一度も崩れていないアスクカムオンモアは少し怖いが、アメジストステークスで後塵を拝したディマイザキッドが函館記念4着、前走0.1秒差2着だったメリオーレムは小倉記念で9着に敗退している。そのあたりをモノサシにすると、メンバーが強力なここで即通用するとは言い難い。

【今年の該当馬】
・アスクカムオンモア
・アスクドゥポルテ
・サスツルギ
・バレエマスター

『牝馬』×『前走馬体重460kg以上』★0.0%★

3つ目は今年有力馬の登録もある「牝馬」について。夏場のJRA重賞は「牝馬優勢」のデータを示すものも多いが、この新潟記念には当てはまらない。牡・セン馬【9-10-9-113】複勝率19.9%に対し、牝馬は【1-0-1-19】同9.5%に留まっている。

牝馬の好走2例はどちらも前走馬体重460kg未満の小柄馬。そのラインを超えると【0-0-0-13】と結果が出ていなかった。

安田記念4着ブレイディヴェーグ、ヴィクトリアマイル2着クイーンズウォーク、同3着シランケドらがバッサリ消去となる。いずれも能力上位で、新潟の長い直線も合いそうなタイプではあるが、ここは「牝馬不振」のデータに従いたい。

【今年の該当馬】
・クイーンズウォーク
・シランケド
・シンリョクカ
・ブレイディヴェーグ

『父サンデーサイレンス系』×『距離短縮』★0.0%★

続いては血統に注目する。新潟記念における「父サンデーサイレンス系」の成績は【5-7-5-86】複勝率16.5%。好走率、回収率ともにごくごく平均的で、これ自体は買い材料にも消し材料にもならない。

ところが、前走で2100m以上のレースに出走していた「距離短縮組」に限ると【0-0-0-20】とまさかの全滅。2020年には日本ダービーから400m短縮だったワーケアが1番人気10着、23年は目黒記念3着サリエラが1番人気7着と大敗を喫していた。

このデータで新たにダノンベルーガが消去となる。天皇賞(秋)3着やドバイターフ2着など左回りの1800~2000mでは実績のある馬だが、その天皇賞(秋)は3着→4着→14着、ジャパンカップでも5着→6着→9着と、3歳時をピークとして徐々に着順を落としている。年齢的な能力減衰は確実にあるだろう。

【今年の該当馬】
・(サスツルギ)
・ダノンベルーガ

『1~2枠』×『美浦所属騎手』★4.8%★

4つの項目を終えた時点で残りは6頭となった。最後は現時点で未確定の「枠順」を用いたデータを紹介する。

成績がよくないのは1~2枠【3-0-1-29】複勝率12.1%。夏の新潟最終週に行われる重賞とあって、馬場が傷んだ内を通らされる枠はやはり不利だ。なかでも「美浦所属騎手」は【0-0-1-20】同4.8%。連対がなく、3着もたった1回だけだった。

残った6頭のうち、美浦所属騎手が想定されているのは以下の4頭。サマー2000シリーズ優勝候補のヴェローチェエラ、コスモフリーゲンもいるが、トラックバイアスの不利が避けられない1~2枠を引けば消去とする。

【今年の該当候補】
・ヴェローチェエラ
・グランドカリナン
・コスモフリーゲン
・ナムラエイハブ

5つの消去データを終えて、確実に残るのはエネルジコとシェイクユアハートの2頭。枠順次第で最大6頭のラインナップとなる。

注目はやはりエネルジコ。デビューから無傷の3連勝中で、青葉賞はラスト3F11.9-11.3-11.2の加速ラップを4角12番手から差し切る鮮烈な内容だった。古馬換算59kgの斤量はネックだが、ポテンシャル的にはここもあっさり突破して不思議はない。

勝負馬券はエネルジコ、シェイクユアハートを1列目に置き、残った馬が2列目の馬連フォーメーションとする。そろそろ会心の的中が欲しい。

《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮﨑敏郎。

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