【キーンランドC】実績トップクラスの8歳馬に期待 東大HCの本命はウインカーネリアン

東大ホースメンクラブ

キーンランドCのプラス条件

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スプリンターズSに繋がる一戦

今週末は札幌競馬場でキーンランドカップ(GⅢ)が行われる。NHKマイルCを9番人気で制したパンジャタワーやUAEのGⅠ・アルクオーツスプリントで2着のウインカーネリアン、ナムラクレアの半妹ナムラクララ、そして1着から12着までがわずか0秒3差と大激戦だったUHB賞から中1週で6頭が出走する。

23年ナムラクレア、24年サトノレーヴとその後スプリントGⅠで活躍する馬を輩出しているこのレース。混戦模様の今年はどの馬が制するのか。過去10年のデータから検討する。

1200m重賞実績を信頼

キーンランドCの同年重賞実績別成績,ⒸSPAIA


<キーンランドC 同年のJRA重賞実績別成績>
芝1200m重賞で3着以内
【7-3-4-19】勝率21.2%/連対率30.3%/複勝率42.4%
→キーンランドCで2番人気以内
【4-3-2-4】勝率30.8%/連対率53.8%/複勝率69.2%
芝1400m以上重賞で3着以内
【0-1-2-24】勝率0.0%/連対率3.7%/複勝率11.1%

北海道の3勝クラスやオープン特別で対戦済みのメンバーに、ウインカーネリアンやパンジャタワーなど春以来の実戦となる馬が合流する一戦。どのような戦績の馬の好走率が高いのかを調べる。

やはり重賞実績がある馬は心強く、「同年にJRAの芝1200m重賞で3着以内がある馬」は【7-3-4-19】で複勝率4割超え。さらにキーンランドCで5番人気以内になれば【6-3-4-10】複勝率56.5%、複勝回収率も黒字域、2番人気以内なら【4-3-2-4】複勝率69.2%と信頼度が高い。

レース別で見ると、シルクロードS3着以内馬は【3-0-0-0】と全勝(23年ナムラクレア、20年エイティーンガール、19年ダノンスマッシュ)。オーシャンS、葵S(「重賞」格付け時代含む)からも複数の好走例があった。今年はウインカーネリアン、ペアポルックス、レイピアに期待がかかる。

一方、同じJRA重賞3着以内でも1400m以上での好走馬は【0-1-2-24】と大不振。21年から4年連続で全滅しており、5番人気以内でも【0-1-1-14】。パンジャタワーに立ちはだかる壁となる。なお直線1000m重賞のアイビスサマーダッシュ3着以内馬も【0-0-0-3】と厳しい数字だ。

また、北海道のいわゆる「洋芝実績」も侮れない。過去10年で6番人気以下から馬券に絡んだ馬は11頭いるが、過半数の6頭に函館 or 札幌の3勝クラス以上で勝利した経験があった。そのうち4頭は1年以上前に勝利歴があったパターンで、穴を狙うなら昔の実績を掘り返してみるのも面白い。1年前に北海道のオープンを勝った馬としてはゾンニッヒ、モリノドリーム、プルパレイが挙げられる。

また、同年の北海道で3勝クラスを突破した馬は【1-1-0-8】。着外のうち3頭が4着であり、半分は掲示板に入っている。3番人気以内に推された馬がいないなかで健闘している。カルプスペルシュ、ナムラクララを力不足とは断定できない。

1200mでは崩れておらず

◎ウインカーネリアン
現在重賞で3戦連続3着以内。特に前走のアルクオーツスプリントは0秒1差と非常に惜しいものだった。当時の5着馬ピューロマジックはその後アイビスSDをレコードタイの時計で勝利している。1200m実績は昨年の高松宮記念4着など【0-2-1-1】。8歳馬だが衰え知らず、実績はトップクラスだ。

今週は芝がBコース替わり。前走のように逃げるならこの馬にとってはプラスだ。洋芝は5年ぶりでほぼ未知数だが、前述の高松宮記念4着など渋った馬場は守備範囲。こなしてくれるだろう。

◯ペアポルックス
オーシャンSはママコチャの2着。高松宮記念は外差し有利のなかで大外枠から体力を使って番手追走しており大敗はやむなしだった。函館SSは開幕週で内有利の中、6枠11番から5着。この馬以外は6着まで馬番1~5番が占めていた。馬柱の着順以上に力がある馬と見ていい。懸念は馬場で、稍重は【0-0-0-3】で2桁着順が2回。金、土の雨が悪い方向に働く可能性がある。そのため評価を少し下げた。

▲モリノドリーム
昨年夏の青函Sを勝利、この時点では洋芝成績【5-0-0-0】と全勝だった。続く昨年のキーンランドCはサトノレーヴに離されたが、2、3着馬とはタイム差なしの4着と健闘した。秋以降は苦戦を強いられたが、また夏に入って復調の兆しを見せている。函館SSは前述の通り内有利の8枠15番から9着。前走の青函Sは差し有利の決着を先行して5着だった。

鞍上は過去10年でこのレース【2-1-0-3】のC.ルメール騎手。内訳を見ると1番人気への騎乗はなく、平均人気は5.3。勝利したのは6、12番人気の馬だった。一発に期待してもいいだろう。

以下レイピア、エーティーマクフィ、ナムラクララまで印を回す。馬券は◎◯-6頭の馬連で勝負する。

▽キーンランドC予想▽
◎ウインカーネリアン
◯ペアポルックス
▲モリノドリーム
△レイピア
×エーティーマクフィ
×ナムラクララ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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