【キーンランドC】4つの好データからカルプスペルシュ有力視 3歳世代を上位評価

門田光生

キーンランドカップの年齢別成績,ⒸSPAIA

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5歳以下が優勢

24日に札幌競馬場で行われる第20回キーンランドC。1着馬にはスプリンターズSの優先出走権が与えられる注目の一戦だ。夏真っ盛りだというのに、もう秋GⅠの前哨戦が行われるのだから、1年なんかあっという間に過ぎてしまうわけである。

今年の北海道は例年以上に暑いという話だが、レースでも熱い戦いを期待したいものである。ここからはキーンランドCにはどのような傾向があるのか、過去10回の成績を基に検証していく。

☆所属
中立の地である北海道で行われ、勝ち星は東西とも5勝ずつ。2着数は美浦が3頭に対して栗東が7頭と多いが、勝率、連対率、複勝率では美浦がわずかに上回っている。

出走馬の所属,ⒸSPAIA


☆性別
牡馬(セン馬含む)、牝馬とも10連対と互角だが、各種好走率では牝馬が優勢となっている。

出走馬の性別,ⒸSPAIA


☆年齢
3~5歳馬の勝率はほぼ同じ。このうち、連対率が最も高い「3歳」をプラス条件とする。一方、6歳以上で連対したのは2017年の1着馬エポワス(9歳)と、2015年の2着馬トーホウアマポーラだけ。5歳以下と比べて、勝率や連対率も低い。

出走馬の年齢,ⒸSPAIA


☆前走クラス
勝ち馬が出たクラスを見ると、3勝クラス(1勝)、OP(3勝)、GⅢ(4勝)、国内GⅠ(2勝)と幅広い。また、前走GⅡ組に関しては【0-0-1-2】とサンプルが少ない。

出走馬の前走クラス,ⒸSPAIA


☆主な前走
連対馬が多く出ているのは、函館スプリントS(今年は該当馬なし)とUHB賞で各5連対。いずれも北海道のレースで、該当馬が多いからだろう。UHB賞組は除外対象馬含め大挙8頭が登録している。

出走馬の主な前走,ⒸSPAIA


☆前走着順
前走5着以内の馬では1着馬が好成績。一方、前走2、5着馬からは勝ち馬なしで、4着馬は連対すらしていない。そのほか、10着以下からも勝ち馬が出ていない。

出走馬の前走着順,ⒸSPAIA


☆前走人気
前走1番人気だった馬が強く、4勝、勝率20.0%をマーク。連対率では、2番人気も上々だ。一方、前走3番人気や、6~9番人気からは勝ち馬が出ていない。4番人気は連対馬も出ていない。

出走馬の前走人気,ⒸSPAIA


☆前走脚質
前走で逃げた馬は、勝ち星がない。ちなみに、本番で逃げた馬に関しては1勝、2着2回と、まずまずの結果を残している。

出走馬の前走脚質,ⒸSPAIA


☆前走距離
前走1600mだった距離短縮馬が好走傾向。ただし、前走が1400mの場合は【0-0-1-5】で連対馬がいない。

出走馬の前走距離,ⒸSPAIA


☆毛色
青鹿毛が【3-1-1-9】と好成績。一方で、栗毛からは勝ち馬が出ていない。

出走馬の毛色,ⒸSPAIA


☆その他
前走で0.9秒以上で負けている馬からは勝ち馬が出ていない。

出走馬のその他データ,ⒸSPAIA


好走条件4つに該当した2頭に注目

キーンランドCのデータをまとめよう。今回の登録馬に該当するデータは、以下の通り。

【好走率アップ】
A「牝馬」
B「3歳」
C「前走1着」
D「前走1番人気or2番人気」※海外除く
E「前走1600m」
F「青鹿毛」

【好走率ダウン】
G「6歳以上」

【勝ち馬なし】
H「前走2着or5着or10着以下」
I「前走3番人気or6~9番人気」
J「前走逃げ」
K「栗毛」
L「前走0.9秒以上負け」※海外除く

【連対馬なし】
M「前走4着」
N「前走4番人気」※海外除く
O「前走1400m」

最初に、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下となる。


プラスデータ(勝率),ⒸSPAIA


今回のプラスデータは6つ。このうちの4つに該当するカルプスペルシュ(ABCD)、ナムラクララ(ABCD)、ロートホルン(ABCD)の3頭が有力候補となる。

このうち、ナムラクララは勝ち馬が出ていないK「栗毛」に該当し、ロートホルンは除外対象馬となる。よって、割引材料のないカルプスペルシュに本命を打つ。対抗はナムラクララ、ロートホルンは注印とする。

ここからは3番手以下の印を付けていく。プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。


プラスデータ(連対率),ⒸSPAIA


相手選びなので、勝ち馬なしの「H~L」は度外視して検証していく。プラスデータが3つの馬は、パンジャタワー(BCE)、フィオライア(ACD)、ルージュラナキラ(ABC)、レイピア(BCD)の4頭。このうちルージュラナキラは除外対象なので注印まで。

残る3頭の比較だが、連対率が最もいいD「前走1番人気」に該当するレイピアを上に取る。残った2頭のプラスデータを見ると、パンジャタワーが該当するのは連対率が4~6位の3条件。それならば、連対率3位のD「前走2番人気」を持つフィオライアの方を4番手としたい。

◎カルプスペルシュ
◯ナムラクララ
▲レイピア
△フィオライア
×パンジャタワー
注ロートホルン
注ルージュラナキラ

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
サブスクに満足している現状なので、手持ちのCDを売却しました。マイナージャンルが多かったせいか、思った以上の金額に。気が大きくなって、その日の佐賀競馬にすべて消えていきました……。馬券の衝動買いは、手元に何も残らないことがほとんどなので、やめた方がいいです。

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