【キーンランドC】「中穴」を狙うべし!激走条件に合致する高配プレゼンターは2頭
逆瀬川龍之介

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狙うべき“中穴”さがしのポイント
芝スプリント重賞は総じて大荒れ傾向だが、そんな中でキーンランドカップは異色のレースといえる。2015年以降、近10回の3連単配当を見ると、最高でも2015年の37万520円。実に10回中7回は1万円から12万円の範囲に収まっているのだ。
したがって、狙うべきは中穴。そこで今回は、同期間に単勝オッズ20倍以上50倍未満で馬券に絡んだ8頭をチェック。その共通項を見つけ出し、今年の激走馬をピックアップしたい。
(1)サンデーサイレンス持ち
中距離に比べると、短距離では幾らか影響力が控え目なサンデーサイレンスだが、キーンランドCでは絶大な存在感を誇っている。実際、上述した“中穴”の8頭も全てサンデーの血を持っていた。
これは余談だが、近10年の馬券圏内延べ30頭を見ても、なんと23頭がサンデーの子孫。16年、17年、21年、23年の4回は“サンデー持ち”のワンツースリーフィニッシュとなっている。
<今年の該当馬>
ウインカーネリアン
エーティーマクフィ
カルプスペルシュ
カルロヴェローチェ
クファシル
サウザンサニー
ゾンニッヒ
ツインクルトーズ
ナムラクララ
パンジャタワー
フィオライア
プルパレイ
ペアポルックス
モリノドリーム
ルージュラナキラ
レッドアヴァンティ
レッドヒルシューズ
ロートホルン
(2)牝馬
「夏の短距離重賞は牝馬を狙え」は有名な格言だ。キーンランドCも例外ではなく、近10年で牝馬が【6-4-5-42】の勝率10.5%、複勝率26.3%なのに対し、牡馬・セン馬が【4-6-5-82】の勝率4.1%、複勝率15.5%だから、ダブルスコアをつけている。
過去の中穴激走馬8頭に限っても、うち6頭が牝馬。やはり“穴狙いでも牝馬”なのだ。なお、その6頭中2頭は牝馬にしては高齢の6歳だったので、年齢も不問といえる。
<今年の該当馬>
エトヴプレ
カルプスペルシュ
ツインクルトーズ
ナムラクララ
フィオライア
モリノドリーム
ルージュラナキラ
レッドヒルシューズ
ロートホルン
(3)洋芝のOP勝利実績
最後に必ずチェックしたいのが洋芝実績だ。過去の中穴激走馬8頭のうち、北海道初参戦だった2頭を除く6頭には「札幌or函館の2勝クラス以上での連対実績」があった。そして驚くべきことに、うち4頭にはオープンでの勝利実績があったのだ。
例えば、2017年に12番人気で勝利したエポワスは2015年にUHB賞(OP/札幌芝1200m)を制しており、23年8番人気2着のシナモンスティックも前走でUHB賞を勝利していた。洋芝実績があるのに人気を落としている馬は要チェックだ。
<今年の該当馬(洋芝でオープン勝ち)>
エーティーマクフィ
ゾンニッヒ
フィオライア
プルパレイ
モリノドリーム
“全クリ”2頭のうち本命に推すのは…
3つの関門を全て突破したのはフィオライア、モリノドリームの2頭だ。とりわけイキの良さでフィオライアを上に取りたい。
前走・UHB賞は5着までタイム差なしの大接戦ではあったが、きっちりと勝ち切ったことに価値がある。芝1200mの重賞で穴を連発しているファインニードル産駒というのもセールスポイント。重賞初挑戦だった前々走・函館スプリントSでは14着に大敗しているものの、ひと夏の成長を示す一戦としてほしい。
勝負馬券はフィオライアの単勝。また、モリノドリームの単勝も押さえる。そして夢馬券は2頭軸の3連複流し。これなら中穴どころか、大穴をゲットできそうだ
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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