【札幌記念】GⅠ馬ステレンボッシュは複勝率0%データで消し! ハイブリッド式消去法
久保田大五郎

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5つのデータから絞れた馬は?
今週は夏競馬の大一番・札幌記念を予想する。いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。
なお、今回は登録馬18頭のうち、現時点で除外対象のエコロブルーム、オールナットを除いた16頭を対象とする。
『前走9着以下』×『前走1.1秒以上負け』★4.8%★
まずは素直に直近の結果が振るわなかった馬を消去する。札幌記念において「前走9着以下」の馬は【1-2-2-26】複勝率16.1%。GⅠでの大敗から巻き返す馬などがいて、すごく悪い数字というわけではない。ただし、その際の着差が1.1秒以上離されていた馬は【0-1-0-20】同4.8%とさすがに苦戦していた。
前走で着順、着差ともに大敗したのは下記の5頭。GⅡで2勝を挙げているシュヴァリエローズもいるが、元々2000mでは少し忙しく、昨年距離を延ばしたことで成績が向上した馬。この距離に戻っては味がない。
【今年の該当馬】
・アウスヴァール
・アラタ
・シュヴァリエローズ
・ショウナンアデイブ
・トップナイフ
『前走GⅢ以下』×『栗東所属馬』★4.3%★
続いては前走の格に注目する。「スーパーGⅡ」らしく基本的に前走でGⅠを戦ってきた馬が強いレースで、国内GⅠ組は【4-7-6-25】複勝率40.5%の好成績。複勝回収率も102%と黒字圏内に入っている。
反対に、前走がGⅢ以下だった馬は【3-1-3-67】同9.5%とやはり低調。相手強化で壁に当たりがちだ。特に関西馬は【0-1-1-44】同4.3%と不振が深刻だった。これを2つ目の消去データとして採用する。
新たに5頭がここで脱落した。函館記念を快勝したヴェローチェエラも今回は相手強化と斤量増。決してラクなレースにはならないだろう。
【今年の該当馬】
・(アウスヴァール)
・アルナシーム
・ヴェローチェエラ
・ケイアイセナ
・ココナッツブラウン
・(ショウナンアデイブ)
・(トップナイフ)
・ハヤテノフクノスケ
『牝馬』×『前走と同斤量』★0.0%★
早くも過半数の10頭が消え、残すところ6頭となった。3つ目は唯一のGⅠ馬ステレンボッシュに関するデータを紹介する。
札幌記念における牝馬の成績は【2-1-3-19】複勝率24.0%。牡馬・セン馬が【8-9-7-92】同20.7%なので、好走率は牝馬の方が高い。ところが、牝馬の好走例は「前走より軽い斤量を背負うケース」【2-1-2-3】に偏っていて、斤量の増減がない場合は【0-0-0-11】と全滅だ。
ヴィクトリアマイルと同じく56kgを背負うステレンボッシュも、このデータに触れてしまう。3歳時は桜花賞1着、オークス2着、秋華賞3着と結果を残したが、今年に入ってからの2戦が不可解な凡走。本来のパフォーマンスとは程遠く、どこか調子を崩したような走りだった。今回も消して勝負したい。
【今年の該当馬】
・ステレンボッシュ
『父がディープインパクト以外のサンデーサイレンス系』×『6歳以上』★0.0%★
4つ目は血統から絞り込む。当レースにおける父サンデーサイレンス系の成績は【4-3-4-60】複勝率15.5%とやや低調。内訳を見るとディープインパクト産駒だけは【3-3-1-15】同31.8%と奮闘していたが、それ以外は【1-0-3-45】同8.2%とさっぱりだった。
また、この「ディープ以外のサンデーサイレンス系」のうち、6歳以上の高齢馬は【0-0-0-18】と全く結果が出ていない。
ここではハーツクライ産駒の6歳馬ボーンディスウェイが消える。そもそもハーツクライ産駒は年齢関係なく【0-0-0-11】というデータもあり、消去が妥当だろう。
【今年の該当馬】
・ボーンディスウェイ
『中16週以上』×『当日5番人気以下』★0.0%★
今回は順調に消去が進み、現段階で残り4頭まで絞られた。最後は当日の人気を組み合わせたデータを取り上げる。
着目したのは前走から間隔が空きすぎる馬。具体的には「中16週以上」が【1-2-2-22】複勝率18.5%だ。一見すると好走率自体は悪くないが、大阪杯やドバイのGⅠから直行してくる実績馬が多いことを考慮すると物足りなさを感じる。
そして、このうち当日5番人気以下に留まった馬は【0-0-0-15】と馬券に絡めていない。このデータで最後の仕上げとする。
4頭のうち、中16週以上での参戦は以下の3頭。ホウオウビスケッツは4番人気以内(=消去回避)が確定的、シュトルーヴェはおそらく5番人気以下で消し、コスモキュランダが当落線上といったところか。
【今年の該当候補】
・コスモキュランダ
・シュトルーヴェ
・ホウオウビスケッツ
5つの消去データを終えて、確実に残るのはリビアングラスただ1頭。ホウオウビスケッツも残ることが濃厚で、コスモキュランダが微妙なライン。2~3頭の布陣になりそうだ。
リビアングラスは重賞勝ちの実績こそないが、今年に入ってGⅡで2戦続けて0.1秒差と善戦。宝塚記念は7着だったが、稍重馬場の1000m通過59.1秒というペースで、メイショウタバルについていった先行勢はベラジオオペラ以外潰れたことを加味すればよく粘ったともいえる。力をつけつつある。
残るのがリビアングラスとホウオウビスケッツの2頭ならそのワイド、3頭残るなら馬連ボックスを勝負馬券に指定する。
《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。横浜DeNAベイスターズの大ファンで、好きな選手は宮﨑敏郎。
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