【札幌記念】近走不振の実績馬が激走データに合致 穴馬の共通点は「年齢」「ローテ」「血統」の3つ

逆瀬川龍之介

札幌記念好走馬の3つの共通点と注目馬,ⒸSPAIA

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直近3年は1番人気が馬券に絡まず中波乱

いよいよ今週末は夏の大一番・札幌記念だ。かつてはエアグルーヴやセイウンスカイ、ファインモーションといった名馬が“強く勝つ”レースだったが、ここ最近は微妙に傾向が変化。直近3年に限れば1番人気が馬券外に沈み、中波乱となっている。

そこで15年以降の直近10回の札幌記念を徹底チェック。単勝オッズ10倍以上で馬券に絡んだ12頭の共通項を見つけ出し、今年の激走馬をピックアップする。

(1)ベテラン優勢
年齢別の目立った傾向が見られない一戦だが、伏兵に限るとベテラン優勢だ。該当12頭のうち、実に10頭が5歳以上、そして8頭が6歳以上だ。

17年には13頭立てのブービー人気だった8歳のナリタハリケーンが2着に突っ込み、3連単20万円馬券の立役者となった。穴馬探しで迷ったときは、より高齢の馬を選ぶのもアリだ。

<該当馬>
・6歳以上
アウスヴァール
アラタ
アルナシーム
ケイアイセナ
シュヴァリエローズ
シュトルーヴェ
ショウナンアデイブ
ボーンディスウェイ

(2)ローテーションは要チェック
伏兵に限った傾向ではないが、札幌記念において前走がOP特別or条件クラスだった馬は迷わず消しでいい。実際、該当12頭の前走も全てが重賞だった。

また、GⅡやGⅢからの転戦馬は、1着か勝ち馬から着差1秒以内が条件となる。

<該当馬>
・前走GⅠ、もしくはGⅡ、GⅢで1着or勝ち馬から着差1秒以内
アラタ
アルナシーム
ヴェローチェエラ
オールナット
ココナッツブラウン
コスモキュランダ
シュヴァリエローズ
ステレンボッシュ
ハヤテノフクノスケ
ホウオウビスケッツ
リビアングラス

(3)近年はダンチヒの血に要注意…20年以降は5頭中4頭
近年の札幌記念は“ダンチヒ祭”といっても過言ではない。20年以降に単勝オッズ10倍以上で馬券に絡んだ5頭(ペルシアンナイトは20年2着、21年3着)を見ると、24年3着ステラヴェローチェを除いた4頭がダンチヒの血を持っていた。

そもそもダンチヒは札幌記念と相性が良く、直系子孫からエアエミネム、ファインモーションなど4頭の勝ち馬を送り出している。今年もその血を引く馬は絶対に押さえておこう。

<該当馬>
・5代血統表内にダンチヒを持つ馬
アルナシーム
ヴェローチェエラ
エコロブルーム
オールナット
ケイアイセナ
コスモキュランダ
トップナイフ

条件完全クリアのアルナシーム本命

本命は迷うことなくアルナシームだ。登録があった18頭の中で唯一、3つの条件を全てクリア。春は中山記念12着、大阪杯15着と大きく崩れたものの、その後の放牧で立て直しに成功した。

前走の函館記念は59kgのトップハンデを背負いながら、0秒6差の6着に健闘。今回は4走前に中山金杯を勝った時と同じく、コーナー4つの2000m×斤量58kgとなり、条件に不足なし。強敵撃破で好配当の主役となってほしい。

馬券は単複が本線。馬連はヴェローチェエラ、コスモキュランダ、ステレンボッシュ、ハヤテノフクノスケ、ホウオウビスケッツに流して勝負だ。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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