【七夕賞】先行してオープン連続好走を信頼 東大HCの本命はシリウスコルト

東大ホースメンクラブ

七夕賞 脚質別成績(過去10年)

ⒸSPAIA

7月13日の七夕賞

日曜日、福島競馬場でGⅢ・七夕賞が行われる。半妹にレガレイラを持つ良血馬でエプソムC2着のドゥラドーレスや、新潟大賞典を8番人気で逃げ切ったシリウスコルト、3勝クラス突破に5戦を要するもデビュー以来掲示板を外したことがないコスモフリーゲンなど15頭が出走予定だ。

7月7日の七夕当日開催だった昨年は2、1番人気のワンツーと穏当な決着だったが、今年はほぼ1週間後の13日開催となった。過去10年のデータから検討する。

先行馬7勝だが

七夕賞の脚質別成績,ⒸSPAIA


<七夕賞・脚質別成績>
先行
【7-3-3-23】勝率19.4%/連対率27.8%/複勝率36.1%
同年芝OP以上で逃げ先行での3着以内あり、当レース2番人気以内
【5-1-1-3】勝率50.0%/連対率60.0%/複勝率70.0%
初角10番手以下×4角7番手以内
【3-2-1-0】勝率50.0%/連対率83.3%/複勝率100.0%

福島コースらしく前有利の傾向が見られる七夕賞。先行馬が最多の7勝を挙げており、5番人気以内なら【6-1-0-8】と半数近くが連対している。一方、差しは【3-6-7-42】複勝率27.6%、追込に至っては【0-0-0-46】で全滅。4角位置で言えば、好走例があるのは9番手までだった。

さらに今年はスローペースと予想する。メンバー内で前走逃げていたのはシリウスコルトのみ。その新潟大賞典は61秒3-59秒2という後傾ラップだった。ほかの逃げ候補は2、3走前に逃げたコスモフリーゲンくらいで、六社Sは2400m戦、2走前のスピカSも前半1000m59秒8と1800m戦にしてはスローだった。過去10年の七夕賞で、前半1000mが60秒を超えたのは3回。この3回に限ると連対馬は全て4角5番手以内で、追込馬の平均着順も下がっている(10.9着→11.9着)。

前走先行していた馬も【4-3-5-31】で複勝回収率145%、2番人気以内に推されれば【4-0-1-2】で単勝回収率は258%ある。また「同年芝のオープンクラス(重賞含む)において、逃げか先行で3着以内に入った実績がある馬」が【5-4-3-17】複勝率41.4%、複勝回収率126%、こちらも2番人気以内だと【5-1-1-3】と素晴らしい成績。上位人気馬の中でも、前で競馬をしてきたシリウスコルトが軸候補となる。

ただし、後方脚質を完全に切り捨てるのも危険だ。前述の通り4角10番手以下の馬は全滅しているが、初角10番手以下【3-6-2-45】、2角10番手以下【3-5-1-46】はそこまで悪くない。加えて、初角10番手以下→4角7番手以内【3-2-1-0】というデータもある。つまり、道中徐々に位置取りを上げる、マクリのような競馬をするタイプにも好走傾向があるのだ。

今回はドゥラドーレスとリフレーミングに注目したい。2頭とも前走は後方からの競馬だったが、エプソムC、中山記念どちらもレコード決着の1800m戦で速いペースだった。そこからの距離延長はプラスだろう。リフレーミングは昨年の福島民報杯や七夕賞で追い込んできた馬。叩き2戦目、マクリが得意なM.デムーロ騎手への乗り替わりに期待だ。

重賞連勝へ

◎シリウスコルト
昨年の後半精彩を欠いたが、4ヶ月休養明けの六甲S以降は3連続連対。2走前の福島民報杯では、後方待機勢が3頭掲示板に載る展開を先行して粘り切った。新潟大賞典では鮮やかな逃げ切り。他馬が馬場のいい大外を選ぶなか、中ほどを走って勝った点も評価できる。前走新潟大賞典4着以内は【1-3-0-3】というデータがあり、自身も福島はラジオNIKKEI賞の2着含む【2-1-0-1】と得意。58.5キロはネックだが、20年クレッシェンドラヴ、19年ミッキースワローとトップハンデも2勝を挙げている。最も信頼できる。

◯ドゥラドーレス
メンバー中で最も末脚が光る馬。元々菊花賞4着や、江の島Sでリフレーミングやチャックネイトといった後の重賞馬を抑えて勝利するなど、若い頃から実力の片鱗は見せていた。1年以上間隔が空いた3走前は度外視でき、近2走が本来の走りだ。前走は1800m戦で前半1000m57秒3の流れだったことを考えれば、当時よりはいい位置取りをとれるだろう。鞍上の戸崎圭太騎手が過去10年で七夕賞を4勝している点も心強い。

▲シルトホルン
元々は先行して粘りこみを図る競馬をしていたが、今年に入ってからは以前より少し後ろから運び、上がり2、3位の脚で差すパターンで結果を残している。こちらも福島ではラジオNIKKEI賞を先行して2着がある。今回はそれよりも差しが決まりやすい2000m戦にはなるが、むしろ直近の脚質に合いそうだ。

以下コスモフリーゲン、バラジ、リフレーミングまで印を回す。馬券は◎◯-6頭の馬連で勝負する。

▽七夕賞予想▽
◎シリウスコルト
◯ドゥラドーレス
▲シルトホルン
△コスモフリーゲン
×バラジ
×リフレーミング

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

《関連記事》
【七夕賞】過去10年のレースデータ
【七夕賞】“黄金世代”の菊花賞4着馬、6歳の大器ドゥラドーレスは消し! ハイブリッド式消去法
【七夕賞】複回収率130%超、ハイペース向き血統を狙え コスモフリーゲンら注目2頭