【七夕賞】勝率33.3%データもつドゥラドーレスが本命 “減点材料なし”が決定打
門田光生

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今年は牝馬の登録なし
13日に福島競馬場で行われる第61回七夕賞。七夕は織姫と彦星が1年に1回出会うという伝説。では、七夕賞は牝馬と牡馬(もしくは牝馬とセン馬)が1着、2着となる確率は過去10年でどれぐらいあったのか調べてみた。結果は、2021年と2023年の2回だけ。競馬の世界では、1年に1回どころか、10年に2回しか出会えないようである。
ちなみに、今年は登録馬すべてが牡馬かセン馬。始まる前から出会えないことが確定している。競馬にロマンはなかったが、代わりにデータは生きているはず。そんな七夕賞にはどのような傾向があるのか、過去10年の成績を基にして検証していきたい。
☆所属
美浦4勝(11連対)、栗東6勝(9連対)。勝率は栗東所属馬、連対率と複勝率では美浦所属馬が優勢だ。

☆性別
勝ち馬はすべて牡馬かセン馬。牝馬で連対したのは2021年2着ロザムールと、2023年2着ククナの2頭だけ。

☆年齢
複数の連対馬が出ているのは6歳まで。7歳は1着馬が1頭、8歳は2着馬が1頭だけだ。ここでは勝率が良い4歳と、連対率・複勝率がトップの5歳がプラスデータとなる。

☆前走クラス
連対馬が出ているのは、前走でオープン以上を走っていた馬。条件戦を走っていた馬はすべて3着以下だった。

☆出走馬の主な前走
複数の連対馬を出しているのはエプソムカップ、新潟大賞典、鳴尾記念(※今年から12月開催に以降)の3レースだけ。このうち、連対率が25%ある新潟大賞典組をプラスデータとしたい。

☆前走着順
前走掲示板組で勝ち馬が出ているのは前走2着と前走5着だけ。特に前走2着馬の好走率の高さが目立っている。前走1着は15頭が該当し、連対馬は2着の1頭だけだった。

☆前走人気
前走で2番人気に支持されていた馬は半分以上が連対している。該当する頭数は9頭と少ないが、これは強力なプラスデータといっていい。
前走5番人気の連対率37.5%も加点対象だ。なお、前走4番人気からは馬券に絡んだ馬が1頭も出ていない。

☆前走着差
0.5秒差以内で負けた馬【7-5-2-33】に対して、0.6秒差以上で負けていた馬は【3-4-5-77】とすべての数字で見劣ってしまう。

☆前走馬体重
連対馬20頭のうち、実に17頭の前走馬体重が461kg~499kgの間だった。

☆前走場所
前走で七夕賞と同じ福島を走っていた馬からは勝ち馬が出ていない。

勝率良し「前走2番人気」のドゥラドーレスが浮上
七夕賞のデータをまとめてみよう。今回の登録馬に当てはまるデータは下記の通り。
【好走率アップ】
A「4歳か5歳」
B「前走・新潟大賞典」
C「前走2着」
D「前走2番人気もしくは5番人気」
E「前走0.5秒差以内の負け」
F「前走馬体重461kg~499kgの間」
【好走率ダウン】
G「7歳」
【勝ち馬なし】
H「前走1着」
I「前走・福島」
【連対馬なし】
J「前走条件戦」
最初にプラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

最も勝率が良いデータはC「前走2番人気」。これを含むメンバー中最多タイの3つのプラスデータを持つセブンマジシャンが有力候補かと思われたが、これまで連対馬が出たことがないJ「前走条件戦」にも該当。3着馬は数頭出ているので3連系の馬券では使えるとしても、重い印は打てない。
同じく、プラスデータを3つ持つシリウスコルト(ABF)とシルトホルン(ADF)も、勝ち馬が出ていないH「前走1着」なので、本命は打ちづらい。となると、プラスデータが2つの組から、最も勝率が良いC「前走2番人気」のドゥラドーレス(CE)が浮上。もう1つのプラスデータE「前走0.5秒差以内負け」も、勝率3番目のプラスデータなので悪くない。今回はこれが本命でいいだろう。
続いて、プラスデータを連対率順に並べると以下の通りとなる。

相手探しということで、ここからは勝ち馬が出ていないH「前走1着」やI「前走・福島」を含む馬も対象とする。
まずは上記のプラスデータを3つ持つシリウスコルト(ABF)とシルトホルン(ADF)。B「前走・新潟大賞典」とD「前走5番人気」の比較ではDの方が連対率は上。ということで○シルトホルン、▲シリウスコルトの順とする。
続いて、プラスデータを2つ持つのはダンテスヴュー(EF)、ニシノレヴナント(AF)、パラレルヴィジョン(BF)、マテンロウオリオン(EF)の4頭となった。
連対率の上から3番目までに該当する馬がいないので、4番目に良いE「前走0.5秒差以内負け」に当てはまるダンテスヴューとマテンロウオリオンをピックアップする。この2頭の比較では、馬券に絡む確率がそこそこ高い福島民報杯組のダンテスヴューを上に取る。最後に3連系馬券用にセブンマジシャンまで押さえる。
◎ドゥラドーレス
○シルトホルン
▲シリウスコルト
△ダンテスヴュー
×マテンロウオリオン
×セブンマジシャン
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
夏になると熱中症の話題が出てきますが、身近に熱中症患者が出ました。熱が簡単に39度を超えて、いかにも苦しそう。いまだに長袖でうろついている自分は、水分補給をかかさず夏を乗り切りたいと思います。
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