【ヴィクトリアマイル】好枠から末脚炸裂、ステレンボッシュが本命 前走度外視でオッズ妙味も

京都大学競馬研究会

ヴィクトリアマイル 上がり3F5位以内馬の成績(過去10年)

ⒸSPAIA

速い上がりを使える、差し脚確かな馬を中心に

5月18日(日)にヴィクトリアマイル(GⅠ)が行われる。昨年の桜花賞馬ステレンボッシュをはじめ、アスコリピチェーノ、ボンドガール、クイーンズウォーク、クリスマスパレードら実績確かな4歳牝馬を中心に多くの実力馬が集結。混戦模様の一戦となった。

以下では、本レースが行われる東京芝1600mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。

まずは東京芝1600mのコース形態をみる。向正面の(スタンドから見て)右奥からスタートし、初角までの距離は約540m。3コーナーにかけてはおおむね下り坂、最後の直線は525.9mで高低差2.1mのなだらかな上り坂を持つ。これが今回のコースレイアウトだ。

注目すべきは初角までの距離が約540mと長い点だ。これは東京芝コースの中で最も長い。スタートしてから序盤の隊列は定まりづらく、先手争いは長引きやすい。そのため、序盤のペースは流れ、コーナーにかけての中盤でペースが緩む。

先行勢が再び加速するまでの区間では後方勢が下り坂の惰性で進出できるため、最終直線に入るまでに前とのポジション差を縮めやすい。したがって、序盤~中盤は脚を温存しながら追走し、最後に速い上がりを使うことができる差し脚確かな馬が有利となっている。

コース自体は先週行われたNHKマイルCと同じだが、大きく異なる点が一つある。それは今週からBコース替わりという点だ。先週時点でも時計が出やすい馬場だったが、より時計が出やすく内前が止まりにくくなる。したがって速い上がりと同等以上に、4角時点である程度の前目のポジションにつける先行力や機動力も求められるのが今回のレースの質だ。

ヴィクトリアマイル、上がり3F5位以内馬の別成績,ⒸSPAIA


<ヴィクトリアマイル 上がり3F5位以内馬の成績(過去10年)>
【9-5-5-35】勝率16.7%、連対率25.9%、複勝率35.2%、単勝回収率542%、複勝回収率166%

この傾向は数字にも表れている。ヴィクトリアマイルにおける上がり3F5位以内馬の成績は上記の通り優秀だ。ただし、前週紹介した「NHKマイルCの上がり3F5位以内馬成績」(2015~2024年)が【9-7-7-33】勝率16.1%、連対率28.6%、複勝率41.1%、単勝回収率169%、複勝回収率247%だったのと比べると馬券内頭数が減少しており、速い上がりを使えなかった先行馬の前残りが増えている。

先週同様、メンバー上位の上がりを使えることが好走の条件ではあるが、序盤からある程度前目に位置取れる先行力や、コーナーで位置を上げられる機動力も重視して印を打っていく。

ミドルからややハイペースの展開

続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が4頭(※前走海外除く)と出走馬全18頭に対してそこまで多くない。ただ、出走馬の半数程度が同じくらいのテンの速さであり、初角までが長いこのコースでは必然的に先手争いが続きやすい。今回はミドルからややハイペースで流れるとみる。

この展開で恵まれるのはやはり最後に速い上がりを使うことができる差し脚確かな馬だ。ただ、前述のBコース替わりによる内前の利を考えても、ややハイペース程度では最後方から馬群の大外を回して一気に差し切る競馬は厳しいと考える。4角時点で内前に位置を取れる枠順や先行力、機動力も重視して印を打っていく。

アスコリピチェーノとの比較で高いオッズ妙味あり

◎ステレンボッシュ
前走の大阪杯は超高速決着の内前有利な展開の中、終始大外を回し続けるロスの大きい競馬。滞在を挟まない初の関西輸送(それまでの出走時は栗東滞在)でマイナス体重もあり、持ち前の末脚が全く発揮されなかった。評価を下げる内容ではない。秋華賞、オークスとどちらも前が壁になる不利がありながらも馬券内を外していないように4歳牝馬世代屈指の実力馬だ。

マイルを使った阪神JF、桜花賞の内容を見ても1番人気想定のアスコリピチェーノと能力差は感じられない。想定オッズ段階でアスコリピチェーノと2倍近く乖離していたのには違和感しかない。

またBコース替わりで外枠に入ったアスコリピチェーノに対し、本馬は1枠2番の絶好枠。先手を取る1枠1番クリスマスパレードの後ろに入る形で内ラチ沿いを追走し、スムーズな追い出しで持ち前の末脚を生かせれば勝ち負け必至とみる。前走の度外視可能な敗戦を受けて高いオッズ妙味が見込まれる。

◯クリスマスパレード
好位から常に堅実な末脚を使えるのが強み。今回のメンバーでも最上位のテンの速さを持ち、1枠1番の絶好枠を生かして先手を取り切れば、距離短縮の効果もあり簡単には止まらない。高速決着巧者であり、時計が速い今の馬場にも対応できるとみて2番手評価とする。

▲ボンドガール
前走の阪神牝馬Sは内前有利な展開を後方大外から追い込み、着順、着差以上に評価できる内容。僅差ながら5着と敗れたことでオッズ妙味も期待できる。直近4走の内容を見ても古馬牝馬路線では能力上位の一頭であり、ここも力を最大限発揮すれば大きく崩れない。

△アルジーヌ
3走前のカシオペアSは超ハイペースを先行して勝利する強い内容。負かした3着馬ロングランはその後小倉大賞典、マイラーズC1着と相手関係からも評価できる一戦であった。内目の枠からスムーズなスタートを決め、好位から運べれば好走可能とみる。

×アスコリピチェーノ
ステレンボッシュと並び能力最上位の一頭。大きくは崩れにくいものの枠順から連対は十分に外し得るとみて馬券を組む。

×サフィラ
安定した先行力があり今回も内目の枠から好位で競馬が出来る。高いオッズ妙味あり。

買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲-◯▲△×3連複7点で勝負する。

▽ヴィクトリアマイル予想▽
◎ステレンボッシュ
◯クリスマスパレード
▲ボンドガール
△アルジーヌ
×アスコリピチェーノ
×サフィラ

◎2024年勝負買い目個人成績(東海S~ホープフルS:25記事)
・単勝27点→4830円 回収率178.9% 的中率37.5%(的中9R/推奨24R)
・馬連105点→12480円 回収率118.9% 的中率42.9%(的中9R/推奨21R)
・3連複204点→22410円 回収率109.9% 的中率17.4%(的中4R/推奨23R)

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。

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