【ヴィクトリアマイル】1番人気候補アスコリピチェーノが複勝率0%データ該当、ボンドガールも消し ハイブリッド式消去法

八木遊

過去10年のヴィクトリアマイル『前走上がり3位以内』×『前走4着以下』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

今回は18日に東京競馬場で行われるヴィクトリアマイルを予想する。いつも通り、過去10年のデータを使って複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。

なお、今年は23頭が登録しているが、除外対象の5頭を除く18頭を対象に進める。


『前走上がり3位以内』×『前走4着以下』★0.0%★

まずは「前走の上がり3ハロン順位が3位以内だった馬」に注目した。過去10年の成績は【1-5-5-49】(複勝率18.3%)で、同4位以下【8-5-5-89】(同16.8%)と複勝率は変わらない。

ただし、メンバー中3位以内の末脚を繰り出したにもかかわらず、その前走で4着以下に敗れていた馬は計17頭いたが、すべて馬券圏外に沈んでいた。

対象18頭のうち、このデータに当てはまったのは以下の3頭。上位人気が予想されるボンドガールは前走・阪神牝馬Sでメンバー2位となる上がり3F32秒9をマークしたが、5着に敗れている。重賞の上位争い常連で前走も勝ち馬とは0秒2差という接戦だったが、勝ち運に見放され続けているのも事実。ここでは思い切って消去とする。

【今年の該当馬】
・シンリョクカ
・ボンドガール
・ミアネーロ


『前走1着』×『キングマンボ系&ディープインパクト系以外』★0.0%★

続いては「前走1着馬」を取り上げたい。過去10年の成績は【0-3-1-33】(複勝率10.8%)なので、連勝でヴィクトリアマイルを制した馬は1頭もいないということになる。

また、馬券に絡んだ4頭にはキングマンボ系かディープインパクト系という共通点があった。父がそれ以外の系統の馬は計15頭いたが、そろって4着以下に敗れている。

今年このデータに当てはまったのは以下の5頭。アスコリピチェーノとアドマイヤマツリといった有力馬をまとめて消去する。

【今年の該当馬】
・アスコリピチェーノ
・アドマイヤマツリ
・サフィラ
・シランケド
・ワイドラトゥール


『非社台系生産』×『4~5歳』★3.8%★

3つ目は生産牧場別のデータから、「社台系以外の牧場で生産された馬」に注目した。過去10年の成績は【2-3-2-72】(複勝率8.9%)。このデータだけで消去対象となる複勝率10%を下回る。

今回はここに「年齢」をピックアップして掛け合わせる。6歳以上【2-2-1-22】(複勝率18.5%)に対し、5歳以下は【0-1-1-50】(同3.8%)。馬券に絡んだのは15年3着のミナレットと、17年2着デンコウアンジュだけだった。

今年このデータに当てはまったのは以下の7頭。消去済みの4頭に加え、アリスヴェリテとアルジーヌ、マサノカナリアの3頭を新たに消去リスト行きとする。

【今年の該当馬】
・(アドマイヤマツリ)
・アリスヴェリテ
・アルジーヌ
・(シランケド)
・(シンリョクカ)
・マサノカナリア
・(ワイドラトゥール)


『今回距離短縮』×『前走初角4番手以内』★5.6%★

4つ目は前走からの距離変更別データを取り上げる。今回は前走で1600m超のレースを走っていた「距離短縮組」だ。

過去10年の成績は【3-3-3-47】(複勝率16.1%)と悪くない。ただし、前走の最初のコーナーを4番手以内で通過していた馬に限ると【0-0-1-17】(同5.6%)と一気に成績が下降。今回よりも長い距離で先行してきた馬は苦戦する傾向にある。

この条件に当てはまったのはクイーンズウォークとクリスマスパレードの2頭。ともに近走は2000mを中心に使われており、マイル戦となると前者は約1年ぶり、後者に関しては初めてである。

特にクイーンズウォークは前半3ハロンが35秒以上のレースで5戦4勝、2着1回と強さを見せている一方、35秒未満のレースは4戦すべてで着外に沈んでいる。この距離なら35秒台で流れることはまずないだろう。

【今年の該当馬】
・クイーンズウォーク
・クリスマスパレード


『前走5番人気以下』×『今回6~8枠』★5.7%★

ここまで4つの条件を終え、18頭のうち13頭を消去した。最後は「前走の人気順」と「今回の枠順」を掛け合わせる。取り上げるのは前走5番人気以下かつ今回6~8枠というデータだ。

該当馬は過去10年【0-0-2-33】(同5.7%)という成績で、残る5頭のうち前走5番人気以下だったのはソーダズリングなど3頭。もし今回6~8枠なら消去対象とする。

【今年の該当候補】
・ソーダズリング
・ビヨンドザヴァレー
・ラヴェル

5つの条件でふるいにかけ、確実に残るのはシングザットソングとステレンボッシュの2頭となった。

今回本命に指名するのは、昨年の桜花賞馬ステレンボッシュの方だ。オークス後は2000m以上のレースを走っているが、久々のマイル戦で2つ目の勲章を手にするとみた。

買い目は本命馬の単勝と三連複1頭軸流し、そしてシングザットソングとステレンボッシュのワイドも押さえておく。

《ライタープロフィール》
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。

◆前回の結果◆
<NHKマイルC>
◎イミグラントソング(2番人気、11着)
〇マイネルチケット(13番人気、8着)
▲ミニトランザット(14番人気、12着)
※単勝、複勝、ワイド→不的中。

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